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早いものでサーフィンをはじめて27年、ロングボードもはじめて 1 6年も経ちました。
そして8年前からは自ら『 T-FACTORY 』という工場を興し、サーフボードも作り始めました。

こんな自分もサーフィンを始めた当初はサーフボードを作るなんてまさに神業としか思えま
せんでした。シェイパーとはまさに選ばれた人のみ、職業に出来るものだと考えていたから
です。 しかし時が過ぎ、自分がJPSAのロングボードのプロになると、ボードの性能が
以前にもまし気になりだしました。特に初期のロングボードのプロはシェイパーが多い事
もあり、自分で板を削れたらと思うようになったのです。

考えてみれば自分もそれなりにサーフィンの理論も持っているし、ハワイで使う板は作れな
いけど、伊良湖で使う板は出来るのではないか?仕事を持っているからプロシェイパーは
ムリだけど、カリフォルニアみたいに休日に車庫でやるようなガレージシェイパーなら出来る
のではないか?こう思ったわけです。

『サーファー・シェイパー』と言う言葉がありますが良いサーファーは良いシェイプが出来る
という意味でして、自分自身がライダーとして、やれるうちにやるべきではないか?と思った
のがスタートでした。でも実際始めてみると、出入りしていたサーフボードファクトリーで見
ていた時と違い悪戦苦闘の連続でした。

ロングボードは性能も大事ではありますが、私自身クラシック・ロングボードの仕上
がりに非常に魅せられるものがあります。是非ともそんなボードを自分の手で作りたいから、
もちろんシェイプからラミネート、サンディング、バフ仕上げまで一人でやります。

シェイプは強くもなく弱くもないオーソドックスなロッカーで、レールは 50/50 では反応が
遅い から 60/40 が良いですね。ボトムは基本はコーンケイプ〜フラット〜Vボトムですが
ロングボードのシェイプはやはりノーズライディングなど波にあわせたルースさが大事です。
その為のボードのボトムデザインは一番考えます。みんなはビックリしますがツインフィンの
ロングボードは何本か作りましたが、シングルフィンとは違うレスポンスの良さとルースさを
兼ねそろえた板が出来ました。乗って楽しい板も大事ですね、テイクオフが早いとか
良く動く とかノーズが良く決まるとか多少の欠点があってもそのひとつの長所で気に
ならない、これも大事かな。
あと大工仕事で手間ですが3ストリンガーにブロック付けるのも好きです。

ラミネートのクロスは本当はボランクロスが良いですね、レールはもちろんクロスのカットをし
ます。でも重くなるので最近は6オンスが主流ですね。軽量向きはボトム4オンスでデッキも
4X6オンスなんてのも作りますよ。強度に関してはデッキパッチやフィンパッチを部分的に
ボランクロスではっています。
カラーはエアーブラシは使わずピグメントやティントカラーを樹脂に練って使います。
難しいですがアブストラクト ( マーブル ) もやります。

サンディング後のフィニッシュでバフがけは入念にします。ぴかぴかに磨くのは気持ちの良いものです。ボランとピグメントで仕上げておけば 10 年は使えます。

5年程前からショートも復帰しました。ロングからショートにかわる時はギャップが少ない
ように 70 年代のボードのように浮力がありロッカーの少ない方が良いですね。
今一番のお気に入りは5‘8“のロケットフィッシュ・ツインフィンとビンテージのTEDの '70sシングル
フィンです。ツインは小波や厚い波で結構走れるしビンテージのシングルフィンはバックサイドなんて
独特の味があります。ロングボードみたいにかさばらないからいつも車に積んでおけるのが良いです。
いろいろと書きましたが

『自分のボードを自分で作る。』              

『自分のサーフィンをボードであらわす』

この二つを心に板を作ります。

今年も  KEEP ON SURFINING!
(平成17年 執筆)