| 東海ラジオ「建築あれこれ」 |
| 1991年6月放送 |
| 6月 1日 | 映画 NO.1(モデュール) | |
| 6月 8日 | 映画 NO.2(タワーリング・インフェルノ) | |
| 6月15日 | 映画 NO.3(キング・コング) | |
| 6月22日 | 映画 NO.4(モダンタイム) | |
| 6月29日 | 映画 NO.5(ひょっこりひょうたん島) |
この記事は、女性のパーソナリティーとの会話になっています。
| 6月1日放送 「映画 NO.1(モデュール)」 | |
| S:私 | P:パーソナリティー |
| S: | 今月は、映画を、違った角度から、見てみようと思ってます。 |
| P: | 私も、映画を見るのは、大変好きです。仕事がら、年に30本ぐらい見ています。 |
| S: | でも、映画を、純粋に、楽しめなくなっちゃうかもしれませんけどね。 |
| P: | どうして? |
| S: | このような、見方をしていると、ストーリーとは別の、映画の作り方というところが、気になってしまうんです。その中で、建築に関して、興味あるところを、話してみようと思います。 |
| P: | はい、わかりました。 |
| S: | まず、今日は、「時代劇」に付いて、話しましょう。 |
| P: | どんな事ですか? |
| S: | 昔から、「座って半畳、寝て1畳。」といいますね。 |
| P: | はい。 |
| S: | タタミ半分で、座る事が出来るし、寝るときは、タタミ1畳の大きさがあれば充分と、いうことです。 |
| P: | そうですね。私も、それだけあれば、充分ですよ。 |
| S: | 昔の日本人は、背が低かったので、それでも良かったのです。鴨居の高さも、1m70cmぐらいで、天井は、2m10cm程度です。 |
| P: | 今、若者の平均身長は、175cmぐらいですよね。 |
| S: | だから、現代の俳優で、背が高いと、鴨居に頭をぶつけるし、侍が、刀を振り上げると、天井に当たってしまうはずです。 |
| P: | でも、映画の中では、思う存分、動き回っていますね。 |
| S: | はい、その場合は、鴨居の高さは変えてあり、天井はありません。 |
| P: | カメラに写らなければ、言い訳ですよね。 |
| S: | 笑い話ですが、宝田明さんが、昔、侍を演じたときは、顔から上が、敷居で隠れてしまうので、畳を上げて、床をはずして、足元をとらないように、したそうです。 |
| P: | 見えない所で、いろいろ苦労しているのですね。 |
| S: | 昔は、電気がないので、明かりといえば、行灯ぐらいなんです。でも、行灯は、非常に暗くて、近くで文字を読む事ぐらいしか出来ません。 |
| P: | 本当に暗いんでしょうね。 |
| S: | だから、夜は、早く寝てしまうしかないんです。 |
| P: | 早寝早起きですね。 |
| S: | 「水戸黄門」や、「長七郎」「桃太郎侍」のような、大立ち回りは出来ないはずですし、暗くてとても、敵か味方か、判断できないんです。 |
| P: | 映画は、フィクションと見れば、全てが超越した世界ですから、いいと思いますよ。 |
| S: | そうですよね。あらゆる事が、思い通りに進み、時間内で終わるんですから。 それでも、「最後に、正義は、必ず勝つ。」というのは、気分がいいものですね。 |
| P: | はい、見ていて、安心感があります。 |
| 6月8日放送 「映画 NO.2(タワーリング・インフェルノ)」 | |
| S:私 | P:パーソナリティー |
| S: | 貴女は、「タワーリング・インフェルノ」を、見ましたか? |
| P: | はい、見ました。 ポール・ニューマンが、ビルの設計をして、スティーブ・マックィーンが、消防士の話しですね。 |
| S: | そうです。 |
| P: | 超高層ビルが、火事になり、中の人は、パニック状態に成るんですが、最後には、助け出されましたね。 |
| S: | そうです。 私が、話す事がなくなりましたので、これで終わりましょう。 |
| P: | ちょっと待って下さい。 それでは、今月の内容から、外れてしまいますよ。ちょっと違った見方をするのでは、ないんですか。 |
| S: | いえ、この映画は、いつ起こるかわからない火災を描いています。 |
| P: | はい。 |
| S: | ですから、そのまま見て下さい。恐怖感を、味わって、忘れないで下さい。そのことが、大事なんです。 |
| P: | わかりました。 |
| S: | しかし、建築的に見るならば、2つの事が、わかります。 |
| P: | 何ですか? |
| S: | まず1つは、火事の発生原因は、手抜き工事なんです。 |
| P: | そうでしたね。 |
| S: | 利益を上げるために、違った電気部品を使い、それが熱を持って火災になった訳です。図面に、いくら仕様を指示しても、似たような物は、いくらでもありますから、チェックする事は、大変難しいんです。 |
| P: | 恐い話しですね。 |
| S: | そして、もう1つは、火災になると、有毒な煙が出ます。 |
| P: | それは、防げませんか? |
| S: | 台所みたいに、火を使うとこや、大きな建物になると、燃えにくい材料を使用しなくては、いけないんですが、それでも煙は、出るんです。 |
| P: | 煙を見ただけで、パニックを起こしそうですが? |
| S: | その場合でも、落ちつくよう努力して、行動をしてもらいたいですね。 |
| P: | 映画では、見にくい人間模様が、描かれていましたけど、いざという時には、わかりませんからね。 |
| S: | だから、マックイーンが、映画の中で、「ハシゴ車の届かないビルなんか造るな。」と、言ってましたけど、その通りかもしれません。また、火事を消すのに、屋上の水槽を、爆破しましたね。 |
| P: | はい、それが最後の、切り札ですから。 |
| S: | ものすごい量の水ですが、実際は、あれほど多くの水が屋上にあるとは、思いませんけど。 |
| P: | え! では本当は、消えないんですか? |
| S: | そう思います。 |
| 6月15日放送 「映画 NO.3(キング・コング)」 | |
| S:私 | P:パーソナリティー |
| S: | 今日は、「キング・コング」の、話しをしましょう。 |
| P: | はい。 |
| S: | ところで、問題を出します。 ”キング・コングが、昇った、ビルの名前は?” |
| P: | エンパイア・ステートビル |
| S: | ピンポーン! でも、それを知っているところを見ると、年をごまかしていませんか? |
| P: | いいえ、出題者に、合わせたんです。 新しい映画では、「世界貿易センタービル」、ツインタワーのビルです。 |
| S: | そうですね。ストーリーは、説明しなくても、解りますね。 |
| P: | ええ、よく知っています。 ところで、キングコングがどうしましたか? |
| S: | キングコングの身長は 20mで、体重は 60tもあります。そして、暴れまわると、重量は、2倍にも、3倍にも成るんです。 |
| P: | そんなにあるんですか。 |
| S: | それがビルの壁を、よじ登っていくんです。 |
| P: | ゴリラだから、簡単でしょ。 |
| S: | でも、どちらのビルも、コングが、手をかけると、本当は、壁が、剥がれてしまいます。まして、貿易センタービルは、新しいカーテンウォールという外壁です。それは、軽量に出来ていて、窓と一体になったパネルを、ボルトで止めてあるだけなんです。だから、コングを支えるほど、頑丈ではないのです。 |
| P: | でも、何とか昇ってもらいたいですね。 |
| S: | そうですね。 仮に、よじ登ったとして、エンパイア・ステートビルでは、片手でアンテナを掴み、ほかの手で、戦闘機と戦いますね。そうすると、アンテナは、根元から曲がってしまいます。 |
| P: | 落ちそうになりますね。 |
| S: | はい。 また、貿易センタービルの屋上は、ヘリコプターが、離着陸出来ても、コングが、暴れては、床が壊れてしまいます。 |
| P: | そうなんですか。 |
| S: | ええ。構造計算する場合、台風とか、地震の場合は、考慮しますが、キングコングの体重までは、計算しませんからね。 |
| P: | ところで、コングの体重は、どうやって、計ったのでしょう。 |
| S: | そうですね。 たとえば、女の人なら、抱き上げれば解りますけど、コングの場合は、こちらが、摘まみ上げられてしまい、抱き上げることは出来ませんから解りません。 |
| P: | ・・・・・ |
| 6月22日放送 「映画 NO.4(モダンタイム)」 | |
| S:私 | P:パーソナリティー |
| S: | こんにちわ! 貴女は、”チャールズ・チャップリン”の映画を、知っていますか? |
| P: | はい、よく知っています。 おもしろいんですが、最後には、考えさせられますね。 |
| S: | ええ、世の中を風刺していますからね。 |
| P: | ”ライム・ライト”、”独裁者”、”モダンタイム”など、もっといっぱいありますね。 |
| S: | はい。今日は、”モダンタイム”について、話しましょう。 |
| P: | ある工場の、工員の話しですね。 |
| S: | 流れ作業の中で、1日中単純な仕事をしていて、ウトウトしたために、巨大な歯車に、飲み込まれると言うストーリーです。 |
| P: | そうですね。 そして、次に主人公は、歯磨きから食事をするまで、全部してくれる機械の、実験に使われますね。 |
| S: | 機械の調子が、良ければいいのだけど、一つ間違うと、とんでもない事になる。 |
| P: | 「機械に、使われるようでは、ダメですよ。」と、言っているわけですね。 |
| S: | そうですね。 でも、”電脳住宅”といって、あらゆる事を、コンピュータが、代わってしてくれるような、実験の住宅が出来ています。 |
| P: | たとえば? |
| S: | 雨を感知して、洗濯物を、庇の中にしまってくれるとか、外から電話して、着く頃には、部屋は、希望の温度になっているとか、風呂は、一定の温度の湯が、いつも満ちていて、入る事ができるとか、トイレにはいると、体重・血圧・糖尿など、健康をチェックしてくれるとか、いろいろあります。 |
| P: | 家電製品も、ファジーから、今では、ニューロファジーですよね。 |
| S: | でも、その内に、家庭の味や、臭いがなくなって行くんじゃないでしょうか。 |
| P: | う〜ん、そうですねぇ。 |
| S: | 建物も、その土地に合うように造られて、地方色があったのですが、もう既に、どこにでも同じような建物が、出来ています。 |
| P: | そうですよね。 旅行しても、何処にいるのか、わからなくなりそうです。 |
| S: | しかし、近ごろでは、アウトドアライフも、盛んになってきています。自然に慣れ親しんで、自給自足で、生活しようと言うものです。だから、家も、粗末な丸太小屋程度で、ガス・水道・電気はなく、”電脳住宅”とは、ほど遠いものです。 |
| P: | そんな生活は、大変でしょうね。 |
| S: | ええ、ところで貴女は、どちらがいいですか? |
| P: | ・・・・ |
| 6月29日放送 「映画 NO.5(ひょっこりひょうたん島)」 | |
| S:私 | P:パーソナリティー |
| S: | 今月も、最後になりました。今日は、映画ではありません。 |
| P: | では、何ですか? |
| S: | テレビで、”ひょっこりひょうたん島”という、子供向けの番組がありますね。 |
| P: | そうですね。 |
| S: | 「突然の地震で、島が、海を漂流する。」という、ストーリーです。 |
| P: | だいぶ無理がありますね。 |
| S: | いえ、そうとも言えませんよ。 そりゃあ、ひょうたん島みたいには、動きませんが、陸地は、動いています。 |
| P: | 地震でもない限り、地面は、動きませんよ。 |
| S: | でも、大きな目でみてみると、マグマの上に出来た、かさぶたが、大地ですから、非常に不安定なんです。 |
| P: | 聞いた事が、ありますね。 |
| S: | その証拠に、ハワイは、日本に少しずつ近ずいているのですよ。そのうち日本にくっつきますよ。 |
| P: | いつ頃ですか? |
| S: | そうですね、毎年8cmですから、ええと・・・・・ |
| P: | ずいぶん、気の長い話しですね。とても、私が生きている間では、無理ですね。 |
| S: | はい、とんでもない事です。 |
| P: | そういえば、予想もしなかった世界のあちこちで、地震が起き、非常に大きな災害が、ありました。 |
| S: | ええ、地震に対して、日本以外は、あまり対策もなされてなかったみたいです。 |
| P: | もっと、被害を少なくする事も、できたんですね。 このごろ、この地方では、東海沖地震が、話題になりますが、本当に起きますか? |
| S: | 地震国日本ですから、起きないとは、言えないでしょう。 多くの人が、いろんな器械を使って、データーを集め、予測しようと、頑張っています。 |
| P: | 名古屋でも、超高層のビルの計画を、聞きますが、大丈夫でしょうか? |
| S: | 日本の建物は、耐震設計を、かなり一生懸命していますから、そう簡単には、壊れません。世界でも、一番進んでると思いますよ。 |
| P: | でも、予想してなかった事が、起こりますせんか? |
| S: | はい、自然は偉大ですから、征服する事が、出来ないかもしれませんが、くい止めようと、努力しています。 |
| P: | 期待していますので、頑張って下さい。 |
| S: | 今日は、映画から脱線しましたが、又おもしろい話題を探すために、今から、二人で、行きませんか。 |
| P: | それは、デートのお誘いですか? |