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< 会津・さざえ堂 >

さざえ堂(国重要文化財・福島県会津若松市)


見たとき一瞬軽い目まいを覚えそうな、このねじれた建造物。
以前から一度見てみたかった。
建立は200年以上前の寛政八年(1796年)。
その中は「二重らせん」構造の一方通行路になっていて、
写真左の正面から入ると、ぐるぐると時計回りに登って行き、またぐるぐる降りてくるとお尻側に出るのだ。

白虎隊のお膝元、飯盛山にあるこのお堂、
元は33体の観音様を納めた仏堂で、
短時間で、かつ混雑なしに西国三十三個所巡りを済ませたことにしようという、
スーパーイージー巡礼システム(超お手軽巡礼装置)だったらしい。
これで本当に御利益があったかどうかはかなり怪しい気もするが、
江戸時代、東北の片田舎の凡俗が西国巡りをするなどとは、
現代で言えば、庶民が八十日間世界一周旅行をするような夢物語だったのかも知れない。
その点でこの「お手軽装置」は存在意義があったのだろう。

その後、明治期に神仏分離令のあおりで御本尊達が廃棄されてからは、
この存在意義も不明瞭なものになってしまったという。
この建築構造の来歴を訪ねれば、はるか遠くレオナルド・ダ・ビンチまで遡るとか。
本当かどうか、ううむ、奥が見えぬ。。。

詳しくは「会津さざえ堂公式ホームページ」へ

2007.11.28



          
正面から中に入ると、本堂の創設者「郁堂禅師」の
像があり、右回りで上りらせんが始まる。
てっぺんまで上り詰めると太鼓橋があって
ここから下りらせんに渡る。
付近には、どこぞの金満家が奉じたか、
妙なる句碑などもあったりする。


ところで、「二重らせん」構造とは何かというと、下の「電球型蛍光灯」の形がそれだ。
すれ違いなしの一方通行で上り下りができる理由がわかる。


2008.6.28