2008-05 FrontPage



ら衣 つつなれにし しあれば
るばるきぬる をしぞ思ふ
在原業平(伊勢物語)

かきつばた(愛知県知立市八橋町・無量寿寺境内 2008.5.17)
(知立:ちりゅう。東海道五十三次の池鯉鮒)


上の句は、伊勢物語の第九段で、在原業平が東下りの途中、三河国八橋にて詠んだものという。
京に残した妻を思いつつ、「か・き・つ・ば・た」を折り込んで詠んだ。
その名残といわれる上の地では、毎年五月のこの時期、杜若が咲き乱れる。




伊勢物語
   
菖蒲に八橋
(任天堂の花札より)

ところで、花札の十点札「菖蒲に八橋」はこの句に因んだ絵柄だという。
しかしこの札は「かきつばた(杜若)」ではなく「しょうぶ(菖蒲・あやめ)」だ。
花札なので「勝負」にかけたものらしいが、
・・・いずれ あやめか かきつばた・・・
昔から識別は曖昧だったようだ。

2008.5.17-24