池口岳 (いけぐちだけ 2,392m) |
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・日 時 平成15年5月23日(金)〜24日(土)
23日 13:40碧南〜17:20かぐらの湯〜19:10池口(幕営)24日 池口4:10〜登山口4:25〜5:10山の神〜6:25黒薙の頭〜7:30ザラナギ平7:45〜 8:452,156m峰〜9:25池口岳北峰9:35〜10:00池口岳南峰10:30〜10:55北峰〜 12:00ザラナギ平〜13:00黒薙の頭〜14:20登山口〜かぐらの湯〜19:50碧南
・山行記録
わたぼうが本年の目標の一つとしている池口岳に挑む日がやって来た。何といっても往復約12時間の行程である。
この日のためにそこそこにダイエットとトレーニングをしてきたし、相棒も平然と中ノ尾根山や滝波山を往復したi君である。
まあ、何とかなるだろう。ただ、前夜の降水確率が高いのが気になるところだ…今日は登山口まで行って幕営するだけだ。 午後になって碧南を出発、中央道を飯田I.Cまで行くも、心配したとおり飯田の市内で早速雨が降ってくる。 それも雨は大粒の雷雨で、間もなく凄まじい稲妻に見舞われるようになる。 ところが、矢筈トンネルを抜けて秘境遠山郷に入ると雨は降っておらず、 これはラッキーとそのまま遠山温泉郷かぐらの湯に直行する。
温泉から上がっても雨は止む気配は無く、民宿に泊まろうか迷い出す。 取りあえず軒下でテントを張れないか公共施設を巡ってみるが、そうこうするうちに雨は止んでしまい、 予定どおり登山口で幕営するべく池口に向かう。 明るいうちに幕営するつもりであったのに日は暮れかかり、池口への細く薄暗い道を奥へと進む。 右に急角度で曲がると直に遠山家と思われる民家があり、 その左の林道に入って行くと普通車では底を擦りそうな未舗装路になる。 道の凹凸はヘッドライトの明かりでより強調され、わたぼうの愛車デリカ4WDでもビビってしまう。 今更引き返すことも不可能なため仕方なく進むと、途中に小広場があり、迷うことなくここを今日の幕営地とする。
結局、2人とも2時間眠ったかどうかで予定の起床時間3時半になってしまう。 無理矢理起きて登山口まで車を走らせる。 林道はテン場の少し上から状態が良く、難無くベンチと簡易トイレのある登山口へと到着する。 登山口の駐車スペースは少なく、夜中に上って行ったデリカが1台あって中で眠っているようである。 その横に車を停め、薄明りの中での登山開始である。 登山口は1100m。 山頂は約2400mなので標高差1300mであるが、地図で見る限り尾根上にはピークがいくつかあって、 累積標高はもっとありそうだ。登山道には朝露に濡れた藪が覆い被さっているためカッパを着用する。 ただ、藪はすぐに無くなり、割と良く踏まれた登山道になる。
面切平を過ぎると再び傾斜が急になる。尾根の右手はブナなどの自然林、左手は綺麗なコメツガ林であり、雰囲気は良い。 ここで登山口にいたデリカの主が追いついて来て、 各駅停車のこだまを追い抜くのぞみのようにわたぼうたちを抜き去って行った。 1561mのピークを超えると一旦うしくびまで二重山稜状の尾根を下り気味に進んでから、 黒薙の頭まで急坂をジグザグに登っていく。 丈の短い笹原になると黒薙のガレの縁に出、一気に池口岳の双耳峰から鶏冠山にかけての稜線の視界が開ける。 まだ先が長いことを思い知らされる。ガレの縁沿いに登り、黒薙の頭で小休止する。 北側は眼下に日本のチベット下栗の集落が見え、南側には1月前に登ったばかりの中ノ尾根山の丸い頂きが覗いている。
ザラナギ平からはほぼ登り一方となり、次第に尾根は痩せて傾斜も増してくる。 この辺りまで来ると眼前に池口岳が大きく聳え立つようになり、山頂近しに意欲も沸き立って来るところである。 2156m峰で最後の休息を取ると、あとは胸突き八丁とも言うべき山頂直下の急登である。 光岳の分岐を過ぎると、所々残雪が登山道を隠している。シーズンが早いとこの辺りは一面雪の斜面であろう。 樹木が途切れた所では、白く輝く赤石岳、聖岳、上河内岳をバックに、黒々とした光岳が大きい。
南峰へは踏み跡に近い細々とした道を辿る。急坂を100m弱下り、鞍部から残雪に覆われた道を登り返す。 急な登下降にわたぼうの足は与太り始めるが、i君は何時もながら疲れを見せずに登って行ってしまう。 登り返した南峰にも不思議なことに早足のにーちゃんは居なかった。途中の残雪には足跡があったのに… 小広い山頂で大休止する。 荷物軽量化のために火器を持ってきていないので、コーヒーブレイクが出来ないのが少し寂しいが、気分は最高である。 樹間から遠くに池口の集落が望め、そこから長大な尾根が池口岳まで続いている。 黒薙やザラナギの崩壊地も今は遠くに望めるだけである。
順調な下山に見えたが、黒薙の頭に来てi君が膝を痛めてしまい、一転して苦しい下山になってしまう。 素晴らしい新緑模様に励まされながら、なんとか9時間55分で登山口に戻って来る。 わたぼうたちのデリカは温泉へと出立するが、早足のにーちゃんのデリカはまだそこで主を待ち続けていた。 これでまた深南の帳面がひとつ消え、残るは、笊、大無間、不動といった超ハードな山々ばかりが残ってしまった。 これらはまた来年以降の課題となろう。 |