国見岳(くにみだけ) 1,739m

・日 時  令和2年2月10日(月)〜11日(祝)
10日  道の駅佐俣の湯 6:20 = 8:00 登山口判らず迷う 9:00 = 林道ゲート 9:15 〜
    9:30 新登山口 〜 10:00 アイゼン装着 〜 10:35 登山道分岐 〜
    11:00 休憩(標高1490m付近) 〜 12:00 国見岳 〜 12:55 登山道分岐 〜
    13:25 新登山口 〜 13:40 林道ゲート = 道の駅佐俣の湯 = 佐賀関港 21:00 −
    三崎港 = 23:10 道の駅八幡浜みなっと(車中泊)
    ≪登り 2時間45分、下り 1時間40分、行動時間 4時間25分≫
11日  道の駅八幡浜みなっと 9:40 = 18:05 碧南
・山行記録
 尾鈴山から続く…。
 道の駅佐俣の湯で車中泊をしたわたぼうは、朝食を済ませてから道の駅を後にする。 今日登る国見岳の登山口は、ここから未だ1時間40分も先になる。 まずは五家荘へ向けて国道445号線を南下して行けば、二本杉峠の峠越え道になる手前にチェーン規制の看板が出ている。 寒波の襲来があったとはいえ、まさか九州でチェーン規制になろうとは…
 スタッドレスタイヤのわたぼうがお構いなしに先に進めば、真っ暗な国道はすり替わりが難しい程狭くなる。 高度を上げるに連れて次第に雪の量が多くなり、標高800mを超えた辺りからは完全に圧雪路の連続になる。 慎重に運転せざるを得ず、これでは予定外に時間が掛かりそうだ。
新登山口(標高約1000m)
登山口はこの程度の雪
峠を越すと2車線の状態の良い道になり、一気に高度を下げて行く。
 暫くすると五家荘の標識があり、国道から逸れて再び曲がりくねった山道になる。 最奥の集落からは更に細い林道になって延々と山道が続く。わたぼうは分岐を間違えたりして大変な思いをして先に進む。 物凄い山奥の林道を進んでいると、突然前方から車が現れる。 驚いたわたぼうが車を寄せると、ギギギ…。ショック!ガードレールと接触してしまう…。
 ドアミラーを倒しながら無事に(いや無事でない…。)すり替わりに成功し、狭い林道を先に進む。 谷を越えるために林道が大きくカーブして橋を渡る所があり、 今思えば何故かわたぼうはここを登山口と勘違いし、車を止めてあちらこちらに偵察に出掛ける。 当然、登山口などある筈もなく、1時間も無駄な時間を費やしてしまう。国見岳登頂のピンチである。
 やっとのことでわたぼうは林道の終点まで辿り着き、車を止める。
標高1400m付近の尾根
積雪が急速に増えて来る
林道終点付近は概ね圧雪路になっており、昨日の1台分のタイヤ跡だけが残っている。 勘違いのせいで予定より1時間15分も遅い出発になってしまい、わたぼうはやや焦り気味に林道ゲートを越えて行く。 直ぐに現れる旧登山口は通行禁止で、尾根を回り込む所に新登山口がある。
 登山道は尾根上の急な登りで、最初から雪の上を歩く。雪の上には昨日の2、3人分の足跡が残されている。 風が強くて心細い感じであるが、足跡だけが心の支えである。 わたぼうは暫く登った所でアイゼンを付けることにする。 昨日の足跡はアイゼンを履いた形跡はないが、わたぼう的にはアイゼンを履いていた方が滑らずに歩き易ような気がする。
 相変わらずの急登を行くと、大きな案内看板がある登山道分岐に出る。 その先は急登続きだった尾根は緩やかになり、一息搗ける。積雪はどんどん増えて、周囲は見事な樹氷の森になって来る。 時折木々を騒めかせながら強烈な風が吹き抜け、木々の間から見える筈の景色はガスに閉ざされている。
標高1500m付近の景色
雪と樹氷の世界に変わる
気が滅入るような状況の中、わたぼうは登り続ける。
 それでも割と順調に高度を稼ぎ、残りの標高差も150mになる。 あと少しだ…わたぼうが油断して歩いていると、尾根が広がり一面の雪野原に出る。 昨日の足跡は強風に晒されて消え去ってしまっており、目印も少なく登山道が判然としない。 わたぼうは尾根芯を外さないように歩いて行くが、吹き溜まりに足を取られて歩き辛い。九州の山でラッセルとは…。
 暫くすると尾根上にピークらしき高まりが現れる。 ガスで先の見通しが不明瞭なため、ピークを越して行くのか、巻いてしまうのか判然としない。 わたぼうはピークを越える足跡を見付け、同じようにピークを越えて行く。 ところが足跡は危険な岩場を通過しており、明らかに誤った踏み跡の様だ。わたぼうは危険を避けてシャクナゲ藪を漕いでピークを越す。
 小鞍部に下ると、ピークを巻いて来た足跡と出合う。やっぱりピークを巻くのが正解だったようだ。
標高1600m付近の広い尾根
踏み跡不明でラッセルになる
余分な気力と体力を使ってわたぼうは疲れ果て、山頂への最後の登りで足が出なくなる。 やっとの思いで山頂らしき平坦地に出ても未だしつこく先があり、凍てつくシャクナゲの間を抜け漸く国見岳山頂を足下に収める。 山頂は寒風が吹き抜け非常に寒い。
 時間が押し迫っていることもあり、わたぼうは写真を撮っただけで即座に山頂から引き返す。 雪道の下りは何時ものように早く、途中のピークも巻いて休憩なしにどんどんと下る。 下って行くと天気が劇的に回復し、青空が見えて薄日も射すようになる。 振り返れば、往きには見えなかった国見岳の山頂が眺められる。登山口まで一気に下り、アイゼンを外す。
 これで今回の九州遠征は終わりを告げるが、両山ともに山中では誰とも出会わない山行であった。 わたぼうはもと来た道を道の駅佐俣の湯まで引返すが、 二本杉峠の積雪はまだ随分と残っていてチェーン規制になったままである。
国見岳山頂の祠
風吹き荒ぶ氷の世界
佐俣の湯で冷えた身体を温めてから、今度は今日中に四国まで戻るべく佐賀関のフェリー乗り場に向けて車を走らせる。
 途中、阿蘇山のカルデラを通過するが、根子岳の異様なシルエットが印象的だ。 わたぼうのカーナビは何故か阿蘇から竹田までとんでもない山道を選択し往生する。 3時間以上もぶっ続けに走り続け、20時過ぎにフェリー乗り場に到着、21時発のフェリーで四国に戻る。 23時過ぎに道の駅八幡浜みなっとに到着し、ビールで乾杯してから車中泊する。

 八幡浜みなっとでモーニングとお土産のみかんやイチゴなどを買出してから、わたぼうは一路帰宅の道を急ぐ。 今日が今回で一番良い天気であるが、こればかりは致し方がない。 龍野西SAで何時もの蒜山ジャージーヨーグルトを手に入れてから、晩飯前には自宅に戻る。 後日、車を擦った際の傷を修理に出すが、ウン十万も掛かって痛い大出費になる。