年輪年代測定法

はじめに 樹木はバームクーヘンのように年輪を1年に1層ずつ作る。その年輪による年代測定法が古代史を作り変え始めた。
測定法の歴史 1922年アメリカで確立されたが、日本では奈良国立文化財研究所の光谷拓実さんが研究を重ね
データーが蓄積され、その実用化によりその成果が最近脚光を浴びだした
測定原理 年輪はその年の気象条件により幅が変わってくる。膨大な資料をもとに百分の一ミリ単位でその変化を記録して、「暦年標準パターン」を作成する
それを遺跡から出土した木材の年輪を計測して、どのパターンと一致するかを検証する。これにより
木材の伐採された年度が推定できる
最近の成果 法隆寺の五重の塔の芯柱が594年の伐採である事がわかった。このことより、法隆寺の再建、非再建
の論争に一石を投じた。文献には落雷による火事で焼失した記事があるが、再建したとの記録がない
このことより再建、非再建の論争が発生している
滋賀県宮町遺跡で発見された柱が七百四十二年と判定されたこれは「紫香楽宮」の造営開始年と一致した
奈良の勝山古墳出土の板は199年伐採と判定された
これより古墳時代が3世紀の前半までさかのぼることになり、卑弥呼の時代には古墳があったことになる
また邪馬台国の畿内説が有力になる一つの証拠になったと思われる