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X680x0シリーズ全機種対応 拡張スロット用10MB-RAMボード [ XM-6BE10 ]

 

X680x0用RAMボードで製作してないのは拡張スロット汎用ボードだけ・・・折角なので制覇したい&手持ちの68本体を全てMAXの12MBにしたいという欲望から製作を開始しました
メモリチップ自体のタイミングはXVI&030シリーズで実績があるので問題なかったのですが、やはり/DTACK信号などのタイミング調整が難しく、なかなか苦労させられました
試作版が正常動作後、安心して部品を纏めて発注し正式版を製作したものの、ロジックICが別メーカーになっただけでタイミングがズレて正常動作しない、というシビアで厄介な症状にも見舞われましたが、何とか正常動作する正式版RAMボードを製作することができました
X68kは10MHzの機種で12MB積もうとすると2Mor4Mボードでは厳しい問題だったのですが、今更感あるけど今後RAM容量で悩むことは無くなりました

上右の赤色基板は試作品で、動くかわからなかったから5枚しか作らなかったもの・・・で、実際そのままでは動かなかったわけですが(汗
ロジック変更で修正困難かと思われたけども、結果的にはIC置き換えて一か所パターンカットと数か所ジャンパ+@で動いて助かった
数的に全部自分用・・・というかどう考えても足りないな(ぉ


どうでもいい事だけどRAMボードとメモリボード、どちら表記がいいのだろうか?
今回はRAMボードで統一してる(と思う)けど他ではメモリボード・・・どっちも同じだからいいのだけど



!!! 初代~SUPERでご利用に際しての 注意 !!!
初代~SUPERの標準で使用されているIPL-ROM1.0(所謂BIOS)にはバグがあり、メモリを12Mバイトにした際にエラーが表示されることがあります
(具体的にはブート可能なハードディスク等が接続されておらず、フロッピーディスクが入ってない、且つSRAMが初期化された状態で電源ON)
ボード上のDIPスイッチ5番をONにするとエラーが出てOFFだと問題無い場合は十中八九このバグが原因の可能性が高いです
詳しくはKAMADAさんのサイトに書かれていますが、SRAMを初期化したりした場合にエラーが出やすいようです
上記サイトの例ではデバッガを使用していますが、所持していない方は無償公開されているXCのシステムディスクに入ってますのでそれを使うことで対処することが可能です
-----------------------
A:\>db
-mes e8e00d 31
-mel ed000c ed4000
-mes e8e00d 00
-q

-----------------------
大半の方はSRAM増設していないと思いますので、アドレスはed4000h~ed4fffhのいずれかを書き込んで対処してください
switch.xで起動デバイスをHDDやSRAMに指定している場合は出ないと思いますが、気になる方は試してみてください


【簡易説明】
この10M増設RAMボード(XM-6BE10)はX680x0シリーズ全機種対応です
2Mや4Mのボードと違い、このRAMボードのみをI/Oスロットに取り付けることで、X680x0シリーズ標準の最大容量である12Mバイトまでの領域が使用可能になります
DIPスイッチにより、使用するRAM領域を変更することが可能です
RAMドライブや作業用、2HDBOOTなど、RAMを大量消費時に安心して利用できるかと思います


【機種別の特記事項】
初代、ACE、PRO、PRO2シリーズは標準で1MBしか載っていない為、内蔵1M-RAMボードが別途必要です
初代(無印)
対応ボード型番:CZ-6BE1、SH-6BE1、XM-6BE1、BP-6BE1
ACE/HDPRO/HDPRO2/HD
対応ボード型番:CZ-6BE1A(B)、PIO-6834-1M、XM-6BE1A、XM-6BE1A Compact、BP-6BE1A


X680x0シリーズ全機種共通の仕様上、拡張スロット用RAMボードは内蔵RAMボードに比べてアクセス速度が遅くなりますので、以下の機種では内蔵RAMボードを優先的に装着されることをお勧めします
XVI
対応ボード型番:CZ-6BE2A、XSIMM-VI、XM-6BE2AP(XM-6BE2B x 2個取付済)、XM-6BE6AP、XM-6BE6AP-D
モジュール型番:CZ-6BE2B、TS-6BE2B、XM-6BE2B、XM-6BE2B-SJ、XM-6BE2B-ST(2個セット)
XVI Compact
対応ボード型番:CZ-6BE2D、XSIMM-Vic、TS-6BE6DP、XM-6BE2D(XM-6BE2B x 2個取付済)、XM-6BE6DP
モジュール型番:CZ-6BE2B、TS-6BE2B、XM-6BE2B、XM-6BE2B-SJ、XM-6BE2B-ST(2個セット)
030シリーズ(030シリーズは内蔵RAMのみで12MBまで拡張できるので、その場合はこのボード[XM-6BE10]は必要ありません)
対応ボード型番:CZ-5BE4、SH-5BE4-8M、XM-5BE8
モジュール型番:CZ-5ME4、XM-5ME4


【取り付けに関して】
必ず主電源を切り(PRO、Compactシリーズはコンセントから電源コードを抜く)、パワーランプが消えている事を確認してから取り付け作業をしてください

このボードでは主に表面実装部品を使用しているため、無理に基板を反らせたりするとはんだクラックの原因となりやすく、正常に動作しなくなるかもしれませんのでご注意ください

このRAMボードには取り付ける為のカードプラは付属していませんので、純正ボード等をお持ちの方はそれらに付属したものを、持っていない方はボードや本体を壊したり怪我をしないよう、何らかの方法で慎重に取り付けてください


カードエッジ部はテーパーにしてあるのでフラットよりも取り付けやすくなっていますが、それでもボードの大きさ的に少し力がいると思います


カードプラを所持してない方の参考までに、基板に傷がつかないよう厚紙などを咬まし、ペンチで基板の真ん中付近をしっかり挟んで抜き差しすれば比較的簡単ではないかと思います
タワー型(orPRO縦置き)なら上下に、PRO(横置き)なら左右に振りながら差し込むと、単純に差し込むより軽く取り付けられるハズです

取り付けるスロット番号はどこでも構いませんが、基本的にRAMはMPU(CPU)に近いほど良いと言われる代物なので、メインボードに近いスロットのほうが安心かもしれません


【DIPスイッチの設定】
スイッチONで該当するRAM領域が有効になります
デフォルトは全てONで、内蔵2Mバイトの環境であれば弄ることなくMAXの12Mバイトにすることができます(SWITCH.Xで変更必要)

RAMの番号は左から1~5に割り当ててあり、それぞれ$200000~・・・$A00000~と対応してます
例として、XVIシリーズで内蔵RAMを8Mバイトまで拡張してある場合は1~3をOFFに、030シリーズ標準(4Mバイト)の場合は1をOFFにする、といった感じです


デフォルト設定:全てON(10MB有効)


あまり居ないと思いますが、$400000~2MBだけ使用するとか、$800000~2MBだけ使用するとかも可能です


【RAMサイズの設定】
本体付属のシステムディスク内にあるSWITCH.Xを使ってRAM容量を設定する必要があります

・メニューを立ち上げて変更する場合
MEMORYの項で変更後、セーブして終了する



・コマンドプロンプトから直接変更する場合
 n:>SWITCH M=12288 [Enter]

設定後はリセットし、テストされることをお勧めします


【テスト風景など】


PRO2(10MHz)だと3時間ほど掛かったけど、030改だと流石に早いです
因みに、内蔵RAMと拡張スロット用RAMのアドレスが被った場合、拡張スロットのRAMが優先されます
上の動作テストでは030で標準搭載されている$200000-の2MをOFFし忘れた(=2M分被ってる)ので、結果的には内蔵2M+拡張10Mの経過時間です
ということに、ここを編集中に気が付きました・・・


PRO2に敢えて4枚挿して動作テストしている時の写真で、スロット1が$600000~2MB、2が$800000~2MB、3が$A00000~2MB、4が$200000~4MBの計10MB(内蔵合わせて12MB)
まかり間違っても42MBにはなりません!
写真のPRO2は自作内蔵1M-RAM付き、純正電源(修理品)、MPUクロック15MHz改造済みの本体ですが、10MHz時も含めてエラーは出ず、動作は良好でした
※変態的に取り付けての動作テストであり、実際にこのような使い方はしません


使いまわし写真なのでFDX68は一先ず置いとくとして、最大8MB使うスーパーストリートファイター2 ザ・ニューチャレンジャーズも全てオンメモリで快適です
(写真のCompactには内蔵RAM付けてません)
※フロッピー入れ替えるよりHDDにインストのが楽ですが、一応



2019年現在でも比較的入手しやすい物で構築できる、一般的にお勧めできる環境です
68の基本セット以外はRAMボードとMIDI、RaSCSIを準備するだけで一般使用では快適な環境になると思われますので参考にしてください


【クロックアップについて】
MPUクロックをアップ(PRO-15MHz、SUPER-15MHz、XVI-25MHz、Compact-24MHz、030-33MHz)して正常動作することを確認しておりますが、利用者の有するクロックアップ済み(含後日改)本体での正常動作を保証するものではありません


【後記】
X680x0自体大変古いものである為、本体(電源も)の状態によって正常に動作しない可能性は否定できません
製作時の動作テストでは最大19台(クロックアップ改造本体含)、NereidやMIDI、SCSI、シリアルボード等も一緒に取り付けたりして正常動作することを確認しておりますが、魔改造された本体など、あらゆる環境でテストしたわけではないので、確実に動くとは断言できません
なるべく標準、且つ正常な本体であれば安心してお使いいただけるかと思います
もしエラーが出るなど、何かご質問などありましたら上記問い合わせなどからご連絡くださいませ


【対応機種】
X680x0シリーズ全機種

初代(無印):CZ-600C
ACE/HD: CZ-601C/611C
EXPERT/HD: CZ-602C/612C
PRO/HD: CZ-652C/662C
EXPERT2/HD: CZ-603C/613C
PRO2/HD: CZ-653C/663C
SUPER/HD: CZ-623C/604C
XVI/HD: CZ-634C/644C
XVI Compact: CZ-674C
030/HD: CZ-500C/510C
030 Compact/HD: CZ-300C/310C



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c 2016, えくしみえむ Last updated 2023/09/20