金魚




 金魚を知らない日本人はいないのではないでしょうか。夜店の金魚すくいに金魚鉢、日本の風情の代表選手でもあります。
 金魚は、その品種がたくさんあることは知っていても、学術的には、すべて同じ魚(種)であることを知っている人は意外に少ないようです。
 また、金魚は飼育の仕方で、その美しいプロポーションや色彩が大きく変わってしまう魚であることも、意外に知られていません。飼育者の愛情と努力がそのまま金魚の姿になって反映されてしまう魚なのです。その意味では、野生の魚とは違った「奥深さ」があり、現代でも数多くの愛好家がその腕を競って飼育を続けています。
 日本での金魚の歴史は古く、室町時代にはすでに愛好家(金持ちの大名)がいたとされていて、本来の金魚の飼育方法も、現代でも踏襲されつづけているのです。

 最近は、中国産の珍しい金魚が輸入されたり、第2次世界大戦中に消滅しかかった古い品種も復活しはじめ、今までとは趣向の違う楽しみかたも出てきました。
 しかし、バブル期の熱帯魚ブームに押され、昔ながらの金魚を大切に扱うショップが減ってしまったことは寂しい限りです。「エサ金」なんて呼び方も悲しいですね。本来は「和金」と言う美しい金魚なのですから。
 金魚は、日本の気候風土が育んだ「古くて新しい」美しい観賞魚です。もう一度、見直してみては、いかがでしょうか?
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