【ぱにっくトラブル】
セリフなどの右下にある英文は音声ファイル名です。
左端が通し番号、右端が個別番号です。
文章の見かたへとぶ
ぱにっくとLOVEる
第1話
「なぜ追われるのか、わかんねぇ。」
キーンコーン♪
午後のSHR（ショートホームルーム）も終わり、教室の中が
少しあわただしくなった。この学校では清掃はSHR前に時間が割り当てられている為、
おのおの自分の所属するクラブ部活動へと行くのが普通である。
無論、無所属、ユーレイ部員を除けば・・である。
元バスケットボール部員の堀都（ほりと）が教室を出ようと、後ろの
引きトビラから身体（からだ）の半分が廊下へと移動しかけたその時、
不意に右の方から声がした。くるみ「すいませーん、はじめまして。（笑）
〔私、一年の茶緒 胡桃（ちゃお くるみ）って言います〕
えっと、堀都（ほりと）先輩・・ですよね？」 01kurumi01ほりと「えっ？ あ、うん、ほりとだけど、なに？」 02horito01
くるみ「えっと・・、先輩、部活、移籍するんですよねぇ？」 03kurumi02
ほりと「ああ、もうバスケ部にはメイワクかけられないから・・」 04horito02
くるみ「えっと〜、それじゃあ〜、今回〜・・・・」 05kurumi03
後輩の女の子がなにやら用件を言い出そうとした瞬間、
それをさえぎるように近づいて来たクラスメイトがいた。
〔虎浦 凱（こうら がい）〕・・最近、少し話す機会が多くなった
奴である。 06horito03がい 「ほーー、スデに文化部の使者が来るとはね〜、
こりゃ、ちょっとフライングぎみ、じゃね〜の？」 07gai01
ほりと「はぁ？なにいってんの？〔がい〕、なんの話〔だ〕？」 08horito04
後輩たち「いたぞー」01 「いたー！」02 「いましたー！」03 09itazo01(-03)
走りこんで来ようとしている。手には校内使用禁止のハズのケータイを持ち
なにか指示を受けているようでもある。それを見た奴〔or凱（がい）〕が“もう来たか”と言う表情で笑った。10horito05
がい 「おおっと、やべぇ！とりあえず逃げろ！〔ほりと！〕」 11gai02
ほりと「えっ？ちょっ〔と〕なんで〔ー〕！」 12horito06
雰囲気（ふんいき）を察した、堀都（ほりと）もつられて走り出す。
後輩たち「せんぱいっ」01 「せーんぱーい」02
「せ、せ、せ、せーんぱー〔い〕」03 13senpai01(-03)
「まってー」01 「まてー」02
「にげるなー」03 「とまれー」04 14matei01(-04)後輩勧誘1「くっそー、捕まえなきゃ、話しにならん。」 15kanyuu01
運動部員1「ハッハッハ そうなると運動部が、“だんぜん”有利だなっ」 16undou01
文化部員1a「ふふっ、こちらが文化部の校舎の構造を熟知しているのを
あなどってもらっては困るなぁ。」 17bunka1a
文化部員1b「2班（ふたはん）に分かれろ！退路をふさげ、進路を予測して、先回り！
準備室の窓から出て、追い込め！」 18bunka1b
後輩たち「おーーーーー！！」 19ohou
なさそうな特別教科の教室の奥で、堀都（ほりと）と凱（がい）が座り込んだ。
ここから、昇降口・つまりゲタ箱までもうワンダッシュせねばならない。ほりと「ハァハァ、いったかな、あいつら・・おい、〔がい〕・・
どういうことだ！？〔知ってんだろっ〕説明しろっ」 20horito07がい 「・・いや、ほら、お前、部活〔orクラブ〕かわるって言ってたじゃん」
だからみんな、勧誘の権利ほしくて追ってんだよ。」 21gai03ほりと「だからって、なんで、あんな〔に〕人数いるんだ。〔あわてて逃げたけど、
逃げる必要なかったんじゃ・・〕」 22horito08がい 「はははっ、逃げなきゃ あの人数に服ごと毟（むし）られちまうぞ。」 23gai04
ナレーション（ほりと）
「あとから聞いた話しだが、どうやらオレのバスケでの事故、“練習試合クラッシュ
事件”が広まったらしく、部活〔orクラブ〕を移籍するのが知れわたり、勧誘担当者
が、かけまわっている。ということだった。」 24horito09
がい 「それだけじゃねぇ〔よ〕、こんど、お前の中学校の、後輩が二人（ふたり）、
うちのガッコ〔ウ〕に来て、つるみたがってるって話しじゃん」 25gai05
ほりと「カンケーねぇだろ そんなの！ 意味わかんねーよ」 26horito10
まとめるとこういうことだ〔った〕、この学校には人数が規定数にたらず、
まだ“同好会”としてのグループがいくつかある。
今回の勧誘で、是（ぜ）が非（ひ）でも、新入部員がほしい。
そこで、このオレ〔堀都（ほりと）〕だ。あのクラッシュ事件を起こした
オレ〔orほりと〕でも部員としてつとまるとなれば、まず、宣伝効果はある。
しかも、うまくいけば、後輩の新一年生がふたり、入部してくれるかも
しれない。
〔それにしても、それぐらいであんなに必死に追ってくるだろうか？〕 27horito11がい 「それで、人数が規定にたっすれば、はれて学校“公認部”、
〔クラブ〕部活動の費用も もらえて、この夏は海外で合宿だ。」 28gai06
ほりと「はぁ？」 29horito12
後輩勧誘1「いたぞーー！〔みつけたー！〕」 30kanyuu02
がい 「やべぇ！くわしいことは“あと”つづきはまたあとでなっ！」 31gai07
第2話へつづく。
