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・・の前に、私的シェイクスピア
私の経歴のどこをとってもシェイクスピア愛好家になりそうなところはないのですが、昔から良しとされるもののうち、割と気に入っているのがシェイクスピアです。発端は20年程前NHKで放送されたBBCのシリーズ、見たのは一部ですが、「お気に召すまま」など吹き替え版と字幕版の両方をしっかり見たことを覚えています。その頃はまだ私が若すぎましたが、ともかく著名作品の日本語訳を揃え始めました。
より本格的には Kenneth Branagh
の「ヘンリー5世」を見てからです。貸しビデオ屋から2回借りて繰り返し見たこの作品に、シンシナティのホテルで何気なくつけたTVで再会した時には、特別な縁を感じました。大体、その出張の機中の映画が
Branagh の「空騒ぎ」でした。
「ヘンリー5世」は歴史的には「太平記」位の時代ですが、日本で「太平記語り」が大衆のものでなくなってから久しいのに対し、「ヘンリー5世」という民族の英雄劇が16世紀の姿そのままで(大衆的とはいえないのかもしれませんが)現代でも上演可能であることを考えると、我らが国語の変貌の速さを遺憾に思うしかありません。
シェイクスピアのDVDは7枚目まではamazon.com で購入、リージョンコード1=米国・カナダ向けで、本来日本での再生が不可能になるように設定されているもので、リージョンコード破りが出来ないと再生できません。当然日本語字幕はつきません。英語字幕がついている物も一部です。しかし白水Uブックスの小田島雄志訳の全集が簡単に手に入りますから、字幕が無いのは余り問題になりません。オペラが意外と映像化に向いていないし、流行ものなら貸しビデオで十分、と思うのに同意される方には、リージョンコード破りが前提ですが、結構お勧めできるような気がします。
amazon の検索で shakespeare と入力すると、"The Plays of William Shakespeare" シリーズは勿論ヒットしますが、Branagh のはヒットしないのです。ただ、改めて Branagh の「ヘンリー5世」を見てから"The Plays of William Shakespeare" シリーズを見ると、良く言えば初演当時の趣を伝えているのですが、要するにお金が全然掛かっていないのが分かってしまうのです。作品名で検索すれば他にも候補が出てくるのでそちらの方がいいかも知れません。ただ、史劇物は困ります。「Richard II」で検索しても、リチャード某が出演しているシリーズ物映画の第2作(「ロッキーII」とかの類です)が全部ヒットしてしまいます。
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「じゃじゃ馬ならし」DVD エリザベス・テーラー、リチャード・バートン主演の古典映画で、監督はオペラの演出でも有名なゼッフィレッリです。原作の劇中劇部分だけを自由に映画化したものです。ほぼ原作の台詞を生かしているようですが、リズミカルにしゃべくりまくる、というシェークスピア劇に対する私のイメージからすると、間の取り方や表情のつけ方が現代映画風で、逆説的ですが、そのことが古さを感じさせます。シェークスピアを「聞く快感」を求めると多少物足りなさも感じます。とはいうものの、有名俳優陣はさすがに素敵で達者で、古典名作映画だと思えば全然不満はありません。ブラナーの「恋の骨折り損」よりは楽しめます。(06.06.03) |
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「恋の骨折り損」DVD リージョンコード1、英語字幕あり 最近映画で公開されていたもの、しかし今一つでした。比較的弱い原作をミュージカル仕立てで軽く仕上げようとしたようですが、ロシア人に扮する場面もアーマード他のヘボ芝居も結局本編からはカット、しかしおまけ映像にはある、ということは多分編集時点で断念したのでしょう。内訳話のおまけ映像も入ってますが、ここを聞き取る英語力は全くありません。 大幅に原作から離れたのが良くないというつもりもないですが、シェークスピアらしい言葉の楽しさという観点でも、シンプルなミュージカルという観点でも中途半端です。(01.08.13) |
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「リチャード2世」DVD リージョンコード1 リチャード2世という役は、人間の弱さの色々な側面をさりげなく拾い上げていて最高に魅力的だと思っています。典型に偏らない分、リチャード3世よりもハムレットよりもリア王よりも現代的と申しましょうか。この作品を読んでみる気になったのも、「ヘンリー5世」中の言及からです。 "The Plays of William Shakespeare" シリーズの中でも俳優は一段と落ちるような気がしますが、多分選択の余地は無い作品だし、肝心の主役が期待を裏切らなかったので、いいことにします。しかしBGMにテープの回転がおかしくなったような音が入るとなると、もう少しまじめにやれ!と言いたくもなります。(01.07.15) |
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「空騒ぎ」DVD リージョンコード1、英語字幕あり。VTRなら日本語字幕も日本語版も出ています。 ブラナーのもう一つの傑作です。原作は「3大喜劇」の多分第3位、私もそう思います。「十二夜」「お気に召すまま」と比べてどこが楽しくないといえば、ドン・ジョンの非生産的な悪意、それに踊らされたクローディオの仮借ないいじめは、読んでも見ても楽しくない。かく言う私、「オセロー」の日本語訳を持っていますが一度も読み通したことが無い。 それを補って余りあるのが、ベネディックとベアトリスの掛け合いです。これが凄い早口で、最初は英語字幕すら目で追えない状態でしたが、3回見れば少しずつ分かるようになりました。分からないまま3回見させるだけの美しい絵、達者な演技があります。音場感も広くスピーカー幅より随分拡がります。 ドグベリーの場面は私には無理です。respectというべきところをsuspectと言っているのは分かりましたが、自分でやりかねないな、と身につまされるだけで面白くは無い。"The Plays of William Shakespeare" シリーズと比較すればやはり省略は多いです。(01.08.13) |
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「ヘンリー5世」DVD 私のはリージョンコード1の字幕無しですが、国内盤が最近出ていました。 私にとっての原点ですが、久しぶりに見て改めて感動しました。研究者から見れば「素人受け狙い」なのかもしれませんが、私は素人なりの自信を持って、同好の方に強くお勧めします。"The Plays of William Shakespeare" シリーズと比べて、ロケをやっているということを差し引いても桁違いのお金が掛かっていると思います。小田島先生の訳本と比べると省略や入れ替えが随所にあるので多少焦るかもしれません。 ブラナーは決していい男ではないのですが、詩の魔力を何倍にもする声の魔力を持っています。加えてラトル指揮バーミンガム市響の演奏する音楽の素晴らしいこと。 小田島先生はアジンコート決戦前夜のヘンリー王の独白に作者の新境地を見出しておられるのですが、そしてその場面も勿論見逃せないのですが、劇的な迫力では何といってもその直後の鼓舞演説の場面です。"We few, we happy few"なんてもう訳しようがないですよね。ここは、誇張ではなく、見る度に鳥肌が立ちます。 (01.07.15) |
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「十二夜」DVD シェイクスピアDVD8枚目にして初めてリージョンコード2で日本語字幕(または吹き替え)付き、なんと楽なことよ。但し、原作が「3大喜劇」の第1位であるにもかかわらず、映像作品としての魅力はブラナーの「空騒ぎ」には及びません。「空騒ぎ」でのブラナーとエマ・トンプソン(当時夫婦)の猛烈な掛け合いに多少とも近いところまで行っているのはヘレナ・ボナム=カーターだけ、さすが離婚後のブラナーが目をつけただけのことはある?。他が下手というわけではないですが、シェイクスピア劇らしいリズムの無い、普通の映画の台詞回しに近くなっていて、私にはシェイクスピア原作を生かしきれていないと感じられます。 もっと気になるのが演出で、タッチストーン(お気に召すまま)よりもさらに陽気な道化だと思っていたフェステが、ジェイキス(同)もびっくりの隠者になってしまっては、マルヴォーリオいじめも妙に深刻になってしまって笑えません。フェステがオリヴィアのところにもオーシーノーのところにも出入りすることから「さすらいの道化」のイメージを膨らませたようですが、私は『まともに歌を歌えるのがフェステ役だけになってしまった時に作者が緊急避難的に両家に出入りさせるようにした』という説に組するものなので、このフェステ像には賛成できません。 とはいえ、ブラナーので日本語字幕DVDが出ている「ヘンリー5世」「恋の骨折り損」よりも入りやすいでしょうから、お勧めはします。 |
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「ハムレット」DVD リージョンコード1 日本語訳を読むなら一番好きな悲劇ですが、これは失敗。1964年のリチャード・バートン主演の舞台の白黒モノラル記録で、amazon.comの評価は高かったのですが、これはネイティブの通人の評価。日本人のド素人では全く駄目。シンプルなりに明瞭な映像と音を確保している"The Plays of William Shakespeare" シリーズを逆に見直しました。 ピアノでしたら私もそこそこ通人ですからホロヴィッツの1930年代録音に掛け値無しで感動しますが、これも普通の人には単にひどい録音としか聞こえない、というのをちょっと思い出しました。好きな作品ですから、他の新しいのをあたってみましょう。(01.08.13) |
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「マクベス」DVD リージョンコード1 日本語訳で読む中でも格別好んでいたとはいい難いこの作品、ついでだから買っちゃったようなもので、映像で見ても他の作品ほどは好みません。"The Plays of William Shakespeare" シリーズで、稲川淳二が真顔でやっているようなマクベスを始め、俳優陣もいいとは思えず、どうせ買うなら他のを買った方が良かったかもしれません。(01.07.15) |
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「リア王」DVD リージョンコード1 「リア王」は悲劇では好きな方のつもり、でもこれを見てみて粗筋すらうろ覚えだったことを再認識した次第ですが、そんなこと関係無し、英語のヒヤリングが殆ど出来ないままでも圧倒されました。日本語訳を読むと中途半端に感情移入して悲しくなりがちですが、ここでは皆が力強いのでむしろ高揚します。"The Plays of William Shakespeare" シリーズですが、その中では俳優陣はいいと思います。 女優でこの劇に出るならゴネリルかリーガンでないとつまらないだろうな、と思いました。どうしようもない馬鹿親父に鼻持ちならない末娘、に対する結構普通の姉二人、かもしれないのです。このコーディーリア役が少し落ちるのかもしれませんが、私にはよく分かりません。(01.07.15) |
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ディズニーの「ファンタジア2000」DVD プレーヤーを衝動買いしたその日に、近所の店にあった殆ど唯一のクラシック音楽系DVDというだけの理由で買いました。ビデオで持っている元祖「ファンタジア」と共に、一家に一枚有ってもいい作品とは思いますが、それにはちょっと高い。(01.07.15) |
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「ホロヴィッツの思い出」LD 貰い物です。悪くはないですが、ちょっと感傷的な作り、個人的にはホロヴィッツは絵抜きで楽しんでいます。(01.07.20) |
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「グレン・グールド コレクション」LD これも貰い物です。やらせ見え見えのモンサンジョンとの会話が、しかし結構楽しめます。講釈を垂れながらフーガを弾くグールドの上手いこと。各声部の独立というのはこういうことを言うのかと思いました。ゴルトベルク変奏曲を絵付きで聞く意味はありません。(01.07.20) |
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「3大テノール 世紀の饗宴」DVD その後、柳の下からドジョウがぞろぞろ出てくる発端となった、しかしその時点では明らかに空前の大イベントであった1990年のコンサートの記録です。楽しさの中にも本気が伝わってきて、当時TVで見た記憶が甦ってきます。病後のカレーラスだけでなく、他の二人も盛りを少し過ぎていますが、まだ十分に元気です。一点だけ、何故DVDなのに字幕の代わりに歌詞カードが入っているのでしょう???(04.03.03) |
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「ロミオとジュリエット」DVD プロコフィエフ作曲のバレエ、ミラノ・スカラ座の上演記録、TDKコア発売の日本盤です。色々思ったことはこちらを見ていただくとして、バレエとしての感想では、、、見せ場がたっぷりあるソリスト4人、ロミオ、ジュリエット、ティボルト、マキューシオの中では、ロミオの軽さが際立っていました。ジュリエットは40に近い実年齢がにじみ出るところが有ったような気もしますが、こちらも上手いのでしょう。(04.07.04) |
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「レナート・ブルゾン&ステファニア・ボンファデッリ」DVD 日本でのジョイントコンサートの模様を収めたものです。プログラムの中心は「ラ・トラヴィアータ」「ルチア」「リゴレット」の抜粋です。何れもブルゾンがデレデレとまでは言いませんが何だか嬉しそうで、舞台収録DVDでの気合の入った演技及び歌唱とは別物です。ジョイントコンサートというものがそんなものでしょう。これはこれで楽しめます。ボンファデッリを自然な表情で拝めることに意義のあるDVDです。(04.10.11) |
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ロイヤル・バレエ「火の鳥」&「結婚」DVD 日本語帯付きですが、字幕/日本語解説無し。ストラヴィンスキー作曲のバレエ2曲ですが、こちらに書いたことをより悪い形で強調して再確認したような感じです。「火の鳥」の音楽の「乗れなさ」は「ロメオとジュリエット」より遥かに下を行きますし、踊りの方も素人が「凄い」と思えるのはあちらのほうです。「結婚」の方がまだ「乗り」はいいのですが、正直なところ「なんじゃこりゃ」でありました。(05.04.03) |
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ストラヴィンスキー/バレエ「春の祭典」DVD 見つけた、というか、気付いて早速手を出した、HouseOfOpera盤(dvdzz873)です。かのベジャールによるバレエ映像で、何のセットもない広い空間(舞台ではありません)で踊っています。音声はオケの音だけで足音が一切聞こえないと、無音の世界で踊っているのを見ているような気にもなります。いけにえの乙女の扱いが元々の台本とは違うのですが、その内容はここでは書けません。画質はあまりよくないです。もう一つのを見ていなければ、お気に入りになったかもしれませんが、見てしまったので・・。なお、最近のHouseOfOperaでよくあることで、購入した盤では「春の祭典」の後にオペラ映画のようなものが入ってましたが、私には正体不明でした。(05.06.12) |
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バルトーク/バレエ「中国の不思議な役人」DVD これもHouseOfOpera盤(DVDCC919)、バレエというかパントマイム映画、大筋は元々の台本通りで、ニューヨークの危ない界隈の売春宿といった風のセットでやっています。映画仕立てのオペラに感じる違和感に近いものを感じました。ストーリーはよく分かりますが、踊りの魅力は殆どありません。画質はこれもかなり悪いです。この盤では冒頭に「蝶々夫人」が入っていましたが、これまた画質が非常に悪かった。(05.06.12) |
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ストラヴィンスキー/「春の祭典」、「火の鳥」、バルトーク/「中国の不思議な役人」DVD 20世紀の著名バレエ3作品が2つずつになりましたが、何れもこのお得セットに収まった舞台収録分が断然優ります。画質はこれもかなり悪く、「春祭」が最低で順に少しずつましになります。その悪さというのが、動きの激しいところでのブロックノイズなので、mpeg変換ソフトがとってもレトロだったのかしら?とか思ってしまいます。その割に音声はマシですが、舞台と合わない音場なので、上演の際に使った録音を踊りに合わせて入れているのでしょう。その演奏が誰なのかも分からず、著作権とかどうなっているのだろうと心配してしまいます。 しかし、そういうのを全部ふっ飛ばしてしまう、圧倒的な踊りの魅力です。肉体の美です。「春祭」でいけにえの乙女を救おうとする若者のリフトには重力が働いていないがごとく。偶々店頭で見かけて買ったのですが、注文できるのでしょうか。ケース表には、MOSCOW CLASSIKAL BALLET OF N.KASATKINA AND V.VASILYOV とあり、裏面は全部独語表記なのですが、amazonでは見つけられない・・。(05.06.12) |
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