3.カワイ名古屋ショップ試弾記

カワイのサイトで調べて、2002年5月26日に行ってみました。名古屋・栄のこの店に入るといきなりグランドが20台近く目に入ります。ざっと見渡して、ボストンピアノも一台(GP−178)ありましたが、静音ピアノらしきものは見当たりません。カウンターにいる女性店員に「静音ピアノについて知りたいのですけれど」と聞いたのですが、「え?エニタイム(カワイの消音ピアノの商標名)ですか? PM?ピアノマスク?」と埒があきません。カウンターに居た他の女性店員も知らず、結局「ピアノ担当のものに替わります」となりましたが、しかし直営店の店員で、それも楽譜とピアノのフロアに居るんだから、それくらい勉強しておけよ〜。

さて、ショップのサイトで顔写真の出ていた前川副店長がやってきて話が通じるようになります。ピアノマスクなら2階のレッスン室にある、ということで早速ついていきました。置いてあったのはRX−1Aのピアノマスクつきです。
 
ピアノマスクというのは、
1) 響板の下に大きな蓋、これが鍵盤下左のレバーで開閉できます。
2) 譜面台の下、チューニングピンの上のところは常時蓋、調律のときは譜面台を下ろせば外せるそうですが、見た目は黒い幕でもかかってるみたいです。
3) そして、大屋根の折り返しと前述のチューニングピン部の蓋との隙間を開閉できるよう、大屋根から数cmの小さな可動蓋がついています。
というものでした・・・写真でも載せるべき所ですが、入手するまでの・お・あ・づ・け・。

3)の蓋の開閉が自分への聞こえ方を大きく変える、外へ漏れる音では1)の蓋が効く、という話なので試しに弾いてみました。3)の蓋が結構効きます。閉めたままだとちょっと欲求不満になるかな、という感じで、1)の蓋の影響は殆ど分からなかったのですが、隣に座っていた妻は、1)の蓋の開閉で全然違う、3)は分からない、といいます。場所を変えてみると確かにそのようです。防音工事をした3畳ほどのレッスン室という特殊な部屋ですので、普通の住宅ではまた違うかと思いますし、前川副店長の言う「20dBくらいの効果があるのと違いますか?」というのもちょっと大げさかと思いますが、かなりの効果があることは間違い無さそうです。カワイの1,2,3サイズに9万円アップで工場オプションで付くのですが、その気になれば後付も十分出来そうです。ボストンには付きません。

ちなみに、1サイズのピアノでしたが、私の方は良くも悪くもアクションにさしたる違和感も無く弾けてしまいました。一方、HE−10で現在練習中の妻は、タッチの重さにあせった、といいます。音の方は調律も怪しくて評価不能です。

音の評価はレギュラーシリーズの3サイズで、というわけでショールームに戻ってきました。まず勧められたのが、RX−3CLEというイタリア製響板を使った10万円アップの限定仕様です。響板が違うだけですからピアノマスクをつけることも出来ます。これがなかなか結構でした。カワイの美点である「やさしい音」のまま、「冴えない、締まらない音」が除かれている感じです。隣のRX−3Aとは大差がついてしまいました。

ボストンも弾いてみました。スタインウェイ社にカワイがOEM供給しているピアノです。金属的で硬質な音で、カワイのレギュラー品よりはスタインウェイかヤマハに近い、と言ってしまえばそうかもしれませんが、ヤマハに感じる強靭さはありません。ぽきっと折れてしまいそうな種類の硬さを感じます。ヤマハより透明感はあります。到底これ以上言葉には出来ませんが、かなり特徴ある音です。嫌いではないですが、買うピアノの候補にはしていません。

買う候補には全然入れていませんが、せっかく行ったのだから高級タイプの「SK」シリーズも弾かしてもらったらよかったな、と少し後悔していました・・・が、2週間後に弾かしてもらいました。試弾記その2に続きます・・・

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