7.カワイ試弾記その3

家のRX−3CLE(PM)は、最初の調律から半年が経って、高音の狂いが再び徐々に分かるようになってきたという以外はすこぶる快調で、勿論買いなおす気などさらさら無いのですが、カワイのサイトに創立75周年記念モデル発売と、春のグランドピアノフェアの案内が出ていたので、カワイ名古屋ショップの前川さんにお願いして、新製品を試弾させてもらいました。

RX−3EU
創立75周年記念モデルです。昨年の限定モデル、RX−3CLEの後継とも言えます。イタリア・チレーサ社製の響板の採用はCLEと同じで、EUではそれに加えて、レスロー社製の弦とロイヤル・ジョージハンマーというのが売りになっていますが、出来上がりはCLEよりも特徴を抑えたピアノになっているように思いました。RX−3AとSK−3とを結ぶ線上という感じの品がよい音で、お値段はRX−3Aの方に近いのですからお値打ちだとは思いますが、個人的には特徴をはっきり出したCLEの方が好みです。響板だけでなくハンマーと弦も変えたEUよりも、響板だけ変えたCLEの方がむしろ個性的、というのは、パーツの組み合わせは音作りの一部分に過ぎないことを教えてくれているように思えました(まるで勘違いかもそれませんが)。

RX−3A
同じサイズの標準モデルです。私が3CLEの購入を決めた時に置いてあった個体は調律が狂っていたこともあり、CLEの引き立て役になっていましたが、今回は別の個体で、調律が合っているだけでなく状態が遥かに良いように思われました。この楽器がCLEの横に並んでいたら、CLEに決める際にもう少し迷っただろうと思うくらいです。ピアノという楽器の性格上当たり外れがあることを改めて認識しました。自宅に販売店でのイメージ通りのCLEが届けられたのは運(あるいは日頃の行ない)が良かったのでしょう。本当は工場に行って個体を選ばせてもらった方がいいと思います。

RX−1A vs RX−2A
以前の2回の試弾の後ずっと気になっていたのを確かめました。3サイズでの低音のタッチと比べると2サイズのタッチには違和感を感じていた一方、1サイズに関しては特に気にしていなかったが、実際のところどうなのか?。一番低い C のオクターブをポンポン弾く程度でも分かりました。あくまでも私の好みですが、1サイズの方が2サイズよりも自然に感じられます。低音の響きは楽器サイズなりですが、個人的には1と2とで選ぶのなら1サイズを取ります。限定モデルも SKシリーズも2サイズ以上にしか設定がないなど窮屈ですが、RX−1A というのは中々いい楽器だと思います。アップライトから乗り換える意味がある楽器だと思います。

ついでですが、今回弾かなかったミニチュアグランド GM−10 というのは、電子ピアノからアップライトに乗り換えようかという時に候補に加えるべきピアノだと思ってます。アップライトを既に持っていて、そこから買い換えるなら、RX−1A までは行っていただいた方がいいと思っています。

クリスタルピアノ
側板や大屋根が透明樹脂(アクリルかな?)で出来ているピアノです。グランドピアノフェア本番でミニコンサートをやっていたらしいです。アクションが見えるのは面白い。ほぼ3サイズと同じということですが、私には2サイズのアクションのように感じられました。どうも細部の設計は古いもののままらしく、音も大したものではありません。定価640万円也は勿論実用品としての価値に対応するものではありません。

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