共鳴管のインピーダンス

コエフさんの掲示板をお騒がせした共鳴管のインピーダンス、素人でできる限りの単純な共鳴管で測定してみました。・・・色々安易な考えを持っていたのですが、一筋縄では行かないことを痛感しました。共鳴管の物理学のページにシミュレーション結果を載せています。

やったこと

15mmラワンにφ95の穴をあけて、FE103が磁気回路を外に向けて付くようにしました。板の反対側に塩ビパイプ100×2mというのを水中ボンドで直付けしました。後で後悔しました。その後で同じく2mの呼びが50というのと75というのをテストするのに100のパイプに突っ込むのが大変です。徒歩1分にホームセンターがあるので買ってくるのは何の問題も無かったのですが、家の中では2mでも長い!。ところで、塩ビパイプの呼び径は何を意味するのでしょうか?。呼び50が内径約φ56、呼び75がφ83、100がφ108、でした。

インピーダンス計測方法はインピーダンス計測例でご紹介した通り。測っているのはものの10秒、FFTのスキャンが3分、読み取りに30分?というペースです。

やった順番にご紹介しましょう。まず裸のFE103、上向きで棚(鉄板)
に置きましたから、棚からの反射と磁気回路変動の影響は0では
ありません。

f0=95.63Hz(読み取り周波数)で42Ω、公称インピーダンスは7.8Ω、こんなものでしょう。なお波形読み取り結果は、
imp_data2.xls の波形8以降にあります。

 

さて本番、呼び100=φ108、すなわち振動板面積の1.8倍の管が
厚み15mm、φ95の合板部分を介して、振動板の正面側に付いている
状態です

注目すべきは、電気インピーダンスの谷の周波数で、一番低い41Hz(2m+αの管の基本周波数として計算どおり)から5つ目まで丁寧に見ましたが、ほぼ完璧に1:3:5:7:9になっています。4つ目までは誤差0.5%もありません。CoolEditの表示上の分解能(FFTそのものはもっと高い分解能でもマウスカーソルに対しては分解能を制限している)の範囲で奇数倍で揃っています。読み取り上の谷周波数を並べると、40.73、122.6、205.4、287.9、362.8(Hz)です。最後のが369.3なら本当に完璧でした。

山の方は、87.5Hzが2倍を超えているほかは偶数倍より遥かに小さく、というより谷のすぐ上で、山=「偶数倍」になるに違いない、という私の当初の安易な考えとは全然合いませんでした。

スイープ中の音は、CoolEditのレベル表示がピクっと動くたびにディップを感じました。

 

次に、どうも私の安易な考えが捨てきれなくて細い管をやってみること
にしました。そこで、呼び50の管を上記工作物に突っ込んで、合板の
中まで入りますから、隙間にウレタンをつめた状態として測定しました。
等価半径4cmの振動板がφ56の管と、およびその外側ではウレタン
と対面している状態です。

谷周波数は40.73、122.6、191.3、268.2、ですから、1:3:5:7より高い周波数では下にずれています。それより山周波数の方が秀逸で、85.96、160.1、236.8、までは殆ど2:4:6です。その次は山の形がつぶれていて、一番高いのは298.4ですが、314.7でもう一度ピークを作っていて、これを採用すれば、2:4:6:8にかなり近くなります。スイープ中の音のレベル変動は殆ど感じませんでした。

 

最後に呼び75に東急ハンズの梱包用クッションを巻いて押し込んだ
ものでやってみました。ほぼ等価振動板半径に等しい管です。吸音は
余り効いていないのではないかと思います。

足して2で割ったような、と言ってしまえばそれまでです。谷の並びは、先頭が40.01と40.73が同着で、以下、120.5、201.8、277.9、ですから、ほぼ1:3:5:7と見ていいです。山は87.5、149.1、224.5、298.4、ですから、2:4:6:8とも言えませんが、谷のすぐそばに山、というほどのものでもありません。

・・・しかし、安易な考えはやはり単に安易な考えに過ぎなかったのでした・・・

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