入園準備 |
---|
入園式 |
入園後1ヶ月 |
母親参観日 |
お母さんがいいの! |
春の遠足 |
父親参観日 |
ほのほの風邪にやられる |
ほのほのは幼稚園の中ではとっても元気 |
ほのほのはプールも好き |
夏季保育は弁当持参 |
夏季保育終了 |
2学期が始まる |
魔法のおにぎり |
運動会の練習 |
運動会 |
またまた甘えん坊に |
ほのほのの一番の理解者になろう |
入園準備で制服とか買うために幼稚園に行った。すでに緊張したためかわたしの体調は極めて悪く、 午後からの集まりということで、午前中は布団で横になっていた。ほのほのは、氷枕をもってきてくれた り、頭をなでなでしてくれたり、献身的に看病してくれた。そのおかげで何とか復活!
まずは、親子別々の部屋で話をきくことになり、ほのほのは別室へ。途中お母さんを求めて、多数の子 供が母親の部屋へ入室してきたのでほのほのもそのうち来るだろうと思っていたが、最後まで別室で頑張っ た。迎えに行ったときには目にいっぱいの涙を貯めていた。思わず「頑張ったね。偉かったね!」といって ほのほのを抱きしめた。
入園準備のとき最後まで頑張れたので、入園式も余裕かなと思っていたら、その考えはもろくも崩れ去った。 入園式は親子同じ部屋で行われたのだが、子供は前の席、大人は後ろの席になって親子別々に座ることになって いた。ほのほのは、わたしが後ろの席へいこうとすると、泣き出してどうしようもない。結局わたしは、ほのほ のの隣にずっといる羽目になった。それは、式終了後、教室に移っても同じであった。他の子のお母さんは教室の 後ろに立っていたのだが、ほのほのはそれを許さず、わたしはほのほのの横に小さくなって座っていた。 家に帰り、「何で今日はお母さんにべったりだったのか?」と尋ねたら、「お母さんがいなければ、一人で頑張れ るけど、お母さんがいるときは一緒がいいの!」といわれた。うーん。納得できないことも無い。けど疲れた・・・。
入園式が終わり、幼稚園生活スタート!ずーっと幼稚園に行きたがっていただけあって、ほのほのは実に立派な 幼稚園児生活をスタートさせた。
朝起きると幼稚園の準備を自分で済ませ、食事をとる。その後歯磨き、着替え全てこちらが口をはさむことも無く 自主的に行う。幼稚園の門に着くと、先生に挨拶をし元気に部屋へ入っていく。
「お母さんと離れたくない!」とかいって泣いて困るのではないか?という心配していたのだが、ほのほののあまり にも完璧な幼稚園児ぶりに頑張りすぎて、体を壊すのではないかと心配になる。わたしは、よくても悪くても心配する 母親であるようだ。完璧園児ほのほのの幼稚園生活を見るチャンスが訪れた。母の日にちなんだ母親参観日である。幼稚園ではどんな 生活をしているのか興味津々だったわたしは、いそいそと出かけていった。まず外遊びの見学。まるでサルのごとくに 元気に跳ね回るほのほの。年長さんのお姉さんであろうが、お兄さんであろうが邪魔なときは「じゃま!どいて!」と いい。何かするたびに「おかあさん!見て!見て!」と得意げなほのほのにたくましさを感じ、目を細めるわたしであ った。その後教室に入って、授業(というのかな?)を見学。そこでも大きな声で歌をうたい、先生が喋っているとき は、先生のほうをちゃんとみてお話を聞き、実によく出来た娘だと感心することしきりであった。そして、帰りの時間。 後片付けも、トイレも、帰りの用意もきちんとこなし、我が子ながら言う事なし!であった。本当にわたしの子だろう か?と思ったが、この日を境にほのほのは変わっていった。
母親参観日後の初登園日、ついにほのほのが壊れた。幼稚園の門まではいつも通りだったのだが、幼稚園の門の ところでいつものように「いってらっしゃい。」と言って帰ろうとしたら、ひしっとわたしにしがみつき「おかあさ んがいいの。幼稚園なんて大嫌い!」と泣き喚きだしてしまった。今まで頑張ってきた糸がぷつんと切れてしまった のか・・・。どうやら、母親参観でお母さんが幼稚園に入ってきたのでこれからも幼稚園にはお母さんと一緒に入れ ると勝手な判断をしてしまったらしい。いままで我慢していた分、ほのほのの泣き喚き方は半端じゃなく、先生が3 人がかりでようやくわたしからほのほのをベリベリとはがし、園舎に引きずっていった。わたしといえば、あまりに もほのほのが完璧すぎたので、頑張りすぎて壊れてしまうのでは・・・と心配していた矢先だったので、自分から壊 れてくれてちょっとほっとしたのであった。しかしこの後、毎朝門で「おかあさんがいいの!」攻撃は9月の中頃ま で続くことになる。
ほのほのの幼稚園では、春の遠足は親子で電車に乗って遊園地に行く。電車の中はクラスごとになっている。 わたしは人見知りが激しく、初対面の人とはほとんど話が出来ないが、遠足の間にクラスのお母さんと一人は話 そうと思っていた。しかし、どう話を切り出せばよいのか全く分からず、クラスのお母さんとは一人も会話でき ずに遠足は終了した。わたしは、未だにほのほののクラスのお母さんたちと挨拶以外の言葉を交わしていない。 この性格なんとかしなければ・・・と思う今日この頃である。(きっと、誰とも喋れないうちに1年が過ぎてし まうと思う。)
6月の第3日曜日に父親参観があった。しかし、ほのほのは朝家を出るときから「お母さんがいいの!」と泣 き喚き、近所の人も何事かと外に出てくる始末。お父さんは、そんなほのほのを自転車に縛りつけ、幼稚園に出 かけていった。話によると、ほのほのは幼稚園でも泣き続け、泣き止んだとたんにお父さんのもとを離れ、どこかに 行ってしまったそうだ。家に帰ってきたときは、二人とも実に不機嫌な顔をしていた。「お疲れ様!」という言葉 しか出なかった。
幼稚園で疲れるのか、ひいた風邪がなかなか治らすついに熱がでてしまった。熱は40度を越して、もはや幼稚 園などどうでもいい!という感じで、1週間休む。どうやら、集団生活に入ると、いろんな菌が体内に入ってきて、 一時的に風邪をひきやすくなる時期があるらしい。治ってはひき、治ってはひきで丈夫になっていくという話であ った。なんとか完治してよかった。よかった。鼻水が出始めると、必ず熱を出して医者通いになっていたほのほのが この後、鼻水を出しても、自力で風邪を治してしまうくらいに丈夫になった。
「おかあさんがいいの!」「幼稚園なんか大嫌い!」攻撃が日々エスカレートするので、幼稚園の中で友達の 輪に入り込めず、寂しい幼稚園生活を送っているのではないか?と不安になり、気が狂いそうになったので、先生 に手紙を書いて探りを入れてみることにした。先生の返事によると、ほのほのは実に幼稚園生活をエンジョイして いるらしい。園生活の中では気の合う仲間たちと園の中を走り回り、先生のお手伝いもし、いつもニコニコ笑顔の 子なんだそうだ。ほのほのが泣いているのは、私が園に送り届ける一瞬の間だけなのらしい。とにかく、「お友達 の輪に入り込めずに孤立していることは絶対にありません。」という先生の言葉に、心配性のわたしも一安心。
夏になり、幼稚園では水遊びが始まった。わたしが幼稚園のころは、水遊びといえばパンツ一丁が定番であっ たが、現在は3歳児も紺のスクール水着に水泳帽で水遊びをするのである。時代は変わった。
ほのほのは水遊びが大好きらしい。相変わらず幼稚園の門では「おかあさんがいいの!」「幼稚園なんか大嫌 い!」攻撃で困らせるほのほのであるが、プールに入っているときは、キャーキャーと絶好調なのだと先生が教え てくれた。確かに小さい頃から水遊びの好きな子ではあったが、先生の言葉によると、半端じゃない喜び方だという。 なんで、幼稚園でそんなに楽しんでいるのに、毎朝「幼稚園なんか大嫌い!」って泣くんだろう?先生も不思議がっ ている。「謎めいた園児ほのほの」なんてね。(でも、毎朝大泣きされて最近母親のわたしはチョッとへこみ気味で ある。)
ほのほのの幼稚園は夏休みが小中学校と同じ期間あるのだが、その中に6日間夏季保育がある。通常は給食なの だが、この6日間は弁当持参となる。このとき、給食なしの幼稚園に通っている子のお母さんは素晴らしい!と思っ た。そのくらい、弁当作りは大変だった。いつもより30分早く起きて、ちっちゃなお弁当箱に、彩りよくおかずや おにぎりをつめていくのは、結構な手間であった。でもほのほのは、わたしが作ったお弁当をうっとりと見つめてう れしそうに持っていって、「おいしかったよ!全部食べたよ!」と持って帰ってきてくれるので頑張れた。先生からの コメントにも「お弁当がとてもうれしいようで、お友達とおいしそうに食べてました。」とあったので、ほのほのは よほどお弁当好きらしい。なんとも作りがいのある娘である。
夏季保育の終了した日(実質的な夏休み開始日)。毎朝ずっと泣き続けたほのほのは、先生に「明日から幼稚園に 来なくいいんだよ。よかったね。」と言われ、飛び切りの笑顔を見せていた。(おいおい)幼稚園では、楽しく過ごし ているみたいなのに、そんなに行きたくないのだろうか?まあとりあえず、明日から毎朝泣かれることはないから、 まあいいか。
夏休みが終わり、2学期が始まる。ほのほのは、夏休みで甘えん坊になったらしく、今まで以上に幼稚園に行くのを 嫌がる。嫌がり方が半端じゃない。服も着替えさせないと着ないし、靴にいたっては、はかせようとすると部屋の奥に 逃げ込んでしまう。力ずくでは絶対に幼稚園に連れて行くことは不可能な状態。仕方が無いので、言葉で説得にあたる。 「とりあえず、幼稚園に行った子は頑張ったからお母さんいっぱい抱っこしてあげる。幼稚園に行って、どうしても おうちに帰りたかったら、先生におうちに帰りたいって言えばいいから。お母さん先生から電話をもらったらすぐほの ほのを迎えに行ってあげる。だからとりあえず、一度幼稚園に行ってみよう!」こんな説得を繰り返し、ようやく靴を はかせ、自転車に乗せて幼稚園へ。もちろん門でまた泣き喚くほのほのを先生がわたしからベリベリ離し、園舎に引き ずっていく。ほのほのは、この先どうなってしまうのだろう?
朝、ほのほのは「おにぎりを食べたい。」と半べそをかいた。仕方が無いので御飯を炊いて、急いでおにぎりを作っ た。そのとき、なんとなく「今日のおにぎりには、泣かずに幼稚園に行ける魔法を振りかけておいたから。」といった。 すると、その日ほのほのは、自分から靴を履いて、幼稚園にいくといい。門でも泣かずにお友達と園舎に入っていった。 信じられないくらい、魔法のおにぎりがきいたらしい。その日以来、ほのほのは毎朝、泣かずに幼稚園に行ける魔法の かけてあるおにぎりや、サンドイッチを食べて幼稚園に元気に通っている。いつまでこの魔法の威力は続くのであろう。 わたしは、とりあえず一安心である。
2学期に入り、ほのほのの幼稚園では毎日運動会の練習らしい。まだまだ暑くて大変だけど、ほのほのは頑張って練習 しているらしく、ダンスなどは家でも披露してくれる。わがままな甘えん坊のほのほのが暑い中(ほのほのは暑いのが大嫌 い。どのくらい嫌いかというと、暑いということだけで大泣きできるくらい嫌いである。)、先生のいうことを聞いて 頑張って練習していると思うと、胸が熱くなる。運動会が楽しみである。
ほのほのの幼稚園の運動会は秋晴れの土曜日に開催された。系列幼稚園3園合同ということで、1000人を超える人々 が集まる盛大なものとなった。ほのほのは、開会式から泣かずにはりきっていた。得意のダンスはとても上手で、思わ ず拍手喝采!このままこんな調子で行くと思われた。しかしかけっこの直前、突然ほのほのが「お母さんがいいよー!」 と泣き始めた。周囲のお友達も、開会式のときは泣いている子がちょくちょくいたが、このころには慣れて誰も泣いて いない中、ほのほのひとり大泣きである。 ほのほのはかけっこも一番になるってはりきっていたのに、親としては(・。・)どうしたの?なにがあったの?先生も困っ てしまった。結局、入場から退場まで泣きつづけ、結果はもちろんビリ。その後もずっと半べそ状態でほろ苦い思いが 残る運動会となった。
運動会を境にほのほのはまた幼稚園の門で大泣きするようになってしまった。魔法のおにぎりの威力もここまでだっ た。もう、何をしても効かない。ただ泣き喚くほのほのに私も限界!ついに言ってしまった。「ほのほのは赤ちゃんだ から泣かずに幼稚園に行けないんだわ!赤ちゃんだから仕方が無いね。お友達と一緒に行って、お友達だけ元気に幼稚 園に入っていくのを見るのはつらいから、明日からお母さんと二人で行こうね。泣くのはほのほのが赤ちゃんだから仕 方が無いよ。」ほのほのは、火がついたように怒った。「赤ちゃんじゃないもん!泣かずにいけるもん!○○ちゃんと 行くんだもん!」そして暴れ始めた。追い討ちをかけるように「だったらなんで毎日泣くの。できるんだったら泣かな きゃいいじゃん!」と責めたら、大声で「そんだけおかあしゃんと離れたくないってことだわ!」と怒鳴られた。私は これ以上何もいえなかった。無意識のうちにほのほのを抱きしめていた。これからどうすればいいんだろう。ほのほの とどう接していけばいいんだろう。闇の中で手探りで出口を探して、あせっている自分がいた。
闇の中をさまよって気分はどんどんブルーになる中、私はインターネットで子育てサイトに片っ端からアクセスして いた。その中で、ほのほのと同じようなことで悩んでいるお母さんの記事があった。そして、アドバイスが書かれてい た。読んでいて涙があふれてきた。次から次へとあふれてきて止まらなくなった。泣くだけ泣いたらなんか気分が晴れ 晴れしてきた。周囲の人と同じ目でほのほのを見ていた自分に気がついた。わたしはほのほのの母親なんだからそれじ ゃいけないと気がついた。幼稚園に泣かずにいけない子を見て、「頑張って行こうね!」とは誰でも言える。そんなこ とは母親の役割じゃない。幼稚園に泣かずに行けない我が子を見て、「幼稚園楽しいけど、お母さんと離れるのは不安 だよね。いままで困ったことがあると助けてくれたお母さんがいない中で、何かあったらどうしようって思うと心配で 心配で胸が張り裂けそうになっちゃうよね。お母さんその気持ちすっごくよく分かるよ。だから、不安だったら泣いて もいいよ。」って自分が思うありったけの感情で、同意してあげるのが母親の役割じゃないかなって思った。だって、 ほのほのを一番理解してあげられるのは母親である私なんだから。誰にでもできることは私はしなくてもいい。先生や ほかのお母さんがやってくれるから。私は母親だからできることをほのほのにやってあげたい。そう思って接し始めた ら、ほのほのが泣かずにお友達と手をつないで幼稚園に入っていくようになった。幼稚園に行くまでは「おかあさんが いいよー」って言ってるけど、お友達が「一緒に行こう」って手を出してくれると、その手を取って「いってきます。」 って。そのときのほのほののちょっぴり大人っぽい得意げな顔。母親やっててよかったって思う。