愛知県碧南市 大浜中区稲荷神社の夜は幻想的 踊る「絡繰り人形」を愉しむ

碧南の祭へ行こう!

大浜中区の稲荷神社

かがり火に浮かび上がる狐のシルエット 幻想的な神楽殿の舞いに親心

かがり火に浮かび上がる社殿

<オレンジ色に照らし出される2体の狐像が作り出すシルエット。たき火番の男性が火中に薪を放る度に、炎は色々な形に変化していく。時には狐の形になったりしてとっても不思議な光景を目にした> 普段に夜の神社を訪れる機会など無いもの。ひとり暗闇の神社に取り残されるのを想像しただけでも、遠慮したいものである。 しかし、今日は年に一度の秋に行われる大祭。お稲荷さんのために焚かれた灯火は優しさを持って参拝者を迎え、赤鳥居から狐像、そして拝殿へと導いてくれる。 「私は今、神様の元へ行く。」という演出効果に気分も高揚していく。最後の階段を上り、開かれた扉の向こうに手を合わせる。神様の姿は見えないけれど、その存在を感じるのは決して錯覚ではないだろう。

神楽殿で踊る子供

<神楽殿で舞う子供達。舞台の下では、子供たちの晴れ舞台を見守る親の顔。初めてのことで不安げに踊る子供達の緊張感が見ている方にも伝わってくる。何度も親の方を振り向き、不安というゼスチャーを見せる子に「大丈夫!」という親の目> 神楽殿で行われる「夜の舞い」というのは、昼間とは随分異なる雰囲気を醸し出している。 煌々と照らす提灯と灯光されるライトの明かりに照らし出される踊り子達。みんなの目が集中して「見られている」という自意識が大きくなり、踊り子である子供達もどこか不安げ。 神楽の舞台下では、「ガンバレ!」と声には出さないが、拳をギュッと握りしめる親の姿。 何とか子供達は踊りきり安心した表情。満面の笑顔で我が子の健闘を称えるが、周りの目を気にしてか、無音の拍手をする親。 ”幸せとは何か?” 大金を得る事でもなく、権力を手にする事でもなく、日々成長していく子供がいるだけで十分幸せだと、私は思う。

ヘボト自画像ヘボトの「踊躍歓喜(ゆやくかんき)」

青白いスポット光を放つからくり人形

「夜のからくり人形を見る」

青空広がる昼に見る絡繰り人形も面白いが、夜にはまた違った雰囲気を魅せる絡繰り人形を見てみたい。 巧みな演出で青白く照らされた背景に、カラカラと一人踊る一体の人形は一身に観衆の目を誘う。 奥で人形を操る男達の苦労を全く感じさせることもなく、まるで自らの意思で動いているような人形達に観衆は拍手喝采。 見守る観衆の息づかいは、みな同じタイミングという光景がなんとも面白い。会場内が演者、観衆とすべて一体となる心地よさに酔う。 感動の共有が作り出す高揚感に祭は盛り上がりをみせていく。祭はやっぱり夜に訪れるのが楽しめる。(記事内容・2003年10月11日)

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