愛知県・碧南市 助け合う心を胸に語りたい 「二ツ橋」のイルミネーション

碧南イルミネーション

大浜・前浜に架かる二ツ橋

静寂に飛び跳ねる魚の音 イルミネーションに先人の助け合い精神を想う

二ツ橋のイルミネーション

<橋に秘められた絆と助け合う心。自分を必要としている人がいるから生きられる。どんな橋にも必ず人の歴史あり。大浜と前浜を結ぶ「二ツ橋」にも話が? 水面へと静かに映し出されるイルミネーションに先人達の心を想う。「つまらない…」とふて腐れる君に、とっておきの話をしよう> 大浜と前浜を結ぶ橋、「二ツ橋」。支柱に施されるは、電飾線を垂らし三角形にした簡素なイルミネーション。 「なんだ、つまらない…。」と足早に立ち去る恋人達。期待はずれの景観にガッカリ顔。みんなこの話を知らないのですね。 二ツ橋にはある歴史がある。開拓地であった前浜に心の拠り所となるお寺の建設を望む声が挙がる。 しかし、貧困であるが故、お寺を作る経済力や建設技術は足りなかった。 そこで大浜・棚尾・旭など他の各村々の人々が協力を申し出る。 みんな自分達を必要としている前浜の人々のために、喜んでこの橋を渡ったという。それまで仲の良くなかった大浜・棚尾・旭の人々が協力し合い、前浜を助けたのである。 当時の人々の感動は、後に碧南市誕生の礎となったのかもしれない。現在は往来を「前浜大橋」に譲り、ひっそりと佇む二ツ橋。 夜になれば真っ暗な闇が広がり、心落ち着ける場所となる。イルミネーションの明かりだけが静かに灯る世界。 先人達の心温まる物語に思いを馳せ、イルミネーションを楽しむのもいかがか。

ヘボト自画像ヘボトの「電飾紀行(でんしょくきこう)」

「夕暮れから二ツ橋を楽しむ」

イルミネーションの季節でなくとも二ツ橋は訪れるに値する場所。 風もない凪の日などは水面が鏡のようになり、黄昏時と重なれば、それは美しい世界となる。 元来、この二ツ橋架かる「蜆川」は海であって、海岸線は大浜の伊勢町あたりと伝わる。ちなみに伊勢町の「伊勢」は開拓し堤防を築いた人物の名からという。 白砂青松の海岸で、砂丘がいくつも存在した。沈んだ小舟が砂に埋まり、ドンドンと音を立てる「ドンドン山」の民話もここである。 二ツ橋は、川下の「一ツ橋」と共に中州の数により名付けられた。 また二ツ橋の左岸は前浜の名産となった甘藷の集荷地であった歴史を持ち、明治期にはここから船で名古屋や遠くは北海道まで出荷していた。 今は何もかもが過去の話となり、静かに風景を楽しむ場所となる。

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