愛知県・碧南市 もう一度あの頃のように 「新川銀座商店街」のイルミネーション

碧南イルミネーション

情緒的な 新川銀座商店街

軒先に光のオブジェを飾る試み 地域の商店と住民が協力した光の饗宴

壁に設えられた光オブジェ

<店のシャッターも降り、薄暗くなった商店街の通りに仄かな灯り。往昔の賑わいを懐古するだけでは始まらない。手作りの光は新川を憂い、立ち上がった人々の未来への希望。優しげに灯される愛しき新川。「銀座」と冠される通りは、ロマンティストの心を誘い出すだろう> 空っ風の吹く寂しい夜の「新川銀座商店街」。 夜には足早に通り過ぎたい場所なのに、なぜか私の足は止まる。不思議な事に今宵の新川銀座商店街は明るいのだ。 その原因は何だろうか? 店の軒先にある物体が仄かな光を放っている。 高さ40センチ程の円柱には大小無数の穴が開けられており、そこから暖かな光が漏れる。 手の込んだ雪洞とも灯籠とも取れる、この円柱は植木鉢などで使われる素焼きの素材で出来ている。 明るくしている原因は他にもある。 空店舗の壁や塀を利用して見せる光のオブジェ。オレンジを基調とする高さ60センチ程の蒲鉾型が何ともお洒落。 薄暗く不安な通りだった新川銀座商店街に、どこか芸術的な空気をもたらす。 聞けばこの光のオブジェは、みんなで協力して作ったものだそうだ。 どこかセンスを感じさせる光オブジェの集合は、さすが抒情詩を好む詩人の故郷であるといえよう。さあ、ロマンティスト諸君、新川銀座商店街に集い給え。

ヘボト自画像ヘボトの「電飾紀行(でんしょくきこう)」

教会デザインのイルミネーション

「全愛知県赤煉瓦工業協同組合のイルミネーション」

名鉄「新川町」駅前の通りを西へ行く。懐古な趣を持つ『石原薬店』を確認したら手前を右折、するとお洒落なデザインの赤煉瓦建物が見えてくる。 この建物は『全愛知県赤煉瓦工業協同組合』のもの。教会を模した図案のイルミネーションが赤煉瓦の壁に飾られ人目を惹いていた。 赤煉瓦というどこか西洋的な雰囲気が教会の清楚なイメージとマッチし、洗練された新川の風土を物語るようでもある。 碧南市で赤煉瓦といえば、まず大浜漁港の赤煉瓦冷凍冷蔵庫が浮かぶ。 そして新川に架かる名鉄の鉄橋の橋脚、マニアックな所では「西光寺」の赤煉瓦参道か。 『全愛知県赤煉瓦工業協同組合』に属し、碧南市に本社を置く赤煉瓦製造業者は2社。 共に100年前後の歴史を持つ企業であり、碧南市発展の礎を築いてきたともいえる。 古い街並みが見直される昨今、赤煉瓦をもう一度見直してみたい。

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