愛知県碧南市 毎月3日に行われる縁日の賑わい 棚尾の毘沙門さんを詣でる

棚尾の町へようこそ!

棚尾の毘沙門さん

「繁栄の鐘」を鳴らすのは”あなた” 毘沙門さんのいる「多聞山・妙福寺」

繁栄の鐘がある鐘楼

<毘沙門さんを安置する多聞山・妙福寺。明治初期に壊される運命にあった刈谷城・辰巳櫓を移築し、妙福寺の楼門とする。現在は「繁栄の鐘」の楼門として誰でも平等に鐘を鳴らす事が出来る> 源氏橋を南へ、棚尾の本通りを歩けば見えてくる「志貴毘沙門天王奉安地」の石柱。 簡素な山門を潜り、幟立つ参道を行けば楼門が出迎えてくれる。 この鐘楼はもともと刈谷城の辰巳櫓で、壊されるところを楼門として当地へ移築したもの。 現在は誰でも鐘を鳴らす事の出来る「繁栄の鐘」として親しまれている。 妙福寺の本堂には通称「踏み出し地蔵」と呼ばれる木造地蔵菩薩半跏像(碧南市指定文化財)と巨大な閻魔大王が安置されている。

煙漂う香炉

<毎月3日は毘沙門さんの縁日。平日・休日いとわず露店が並び、多くの参拝客で賑わう。碧南市の民話にも登場する「おみくじ」も御利益があり人気> 棚尾の本通りに人がぞろぞろと歩いていく。商店街の店先はいつもより少しだけ派手な装飾をし、繁盛を見せる。毎月3日は毘沙門さんの縁日である。 毘沙門さんを安置する妙福寺の境内には、多くの露店が立ち並び、客と店主との会話も賑やか。 よくある祭とは違い、露店は植木屋・下着屋・乾物屋・履き物屋等、まるで市場の様だ。 露店巡りも楽しいが、毘沙門さんの縁日に行く目的は、おみくじ。昔、うわばみ(巨大蛇)から身を守る法力を発揮した御利益あるおみくじ。 他に毘沙門携帯ストラップや毘沙門Tシャツなんてものもあるから、毘沙門さんの御利益を授かりたい方はどうぞ。

二宮金次郎さんの陰歴史に関するミニ知識

妙福寺(みょうふくじ) 元は天台宗「多聞山吉祥院妙福寺」であったが、天正18年(1590)に生田新左衛門忠兼と弟の新九郎が請願し、月翁清白上人を住職として迎え、浄土宗に改宗する。 御本尊の阿弥陀如来像は備後国福山城主・水野日向守の家中、浅沼作兵衛が安置した。木造地蔵菩薩半

ヘボト自画像ヘボトの「如是我聞(にょぜがもん)」

真っ白なお顔に赤い涎掛けのお地蔵さん

「お化粧をしたお地蔵さん」

妙福寺の弘法堂北壁に、白くお化粧をしたお地蔵さんがいる。 高さ73センチのお地蔵さんは、袈裟部分が朱色とピンクで着色され、さらに金糸を使った煌びやかな帽子と涎掛けをまとい、口紅は真っ赤。 錫杖や宝珠を持っているのかと、涎掛けをめくると上下に見える手の形、これは…。帽子の縁から黒いチリチリ頭、螺髪(らほつ)ではないか。 「日影のお地蔵さんといっているけれど、これ阿弥陀さんだよね」と墓参りに訪れた人が話し掛ける。 日影とは妙福寺の森に面し、影になる事から付けられた旧字名・日影であり、今の「辰巳だんご」近辺の地を示す。 阿弥陀さんがいつの間にか、白くお化粧してお地蔵さんになってしまった訳は一体何か?そもそもこの石仏の由緒は…と好奇心が沸き起こってくる。

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