愛知県碧南市 本当にこのまま思い出に? 衣浦温泉の懐かしき情景は今にも

思い出半ズボン

衣浦温泉の看板門

賑わいを見せた衣浦温泉街 いつしか看板の門からも名が消えてしまい

変更前のゲートには衣浦温泉の文字がある

<3ヶ所ある衣浦温泉街のゲートから衣浦温泉の文字が消えた。いつの日かこの場所に衣浦温泉街があったという事実も薄れ、ただ歴史の中の存在となっていくのだろうか> 全国で発生した温泉詐称疑惑からの影響であるかわからない。単なる広告上の都合かも知れない。 新川・衣浦温泉街にある3ヶ所のゲートから「衣浦温泉」という文字が消えた。 かつて碧南一の歓楽街にして県内外からも風光明媚な温泉として名を馳せた衣浦温泉。 海が消え、あれだけ多くあった旅館・料亭も僅かとなり、存在を示すゲートからも名が消え、訪れる人も…。 こうやって事実は歴史へと変わり、人々の記憶からも薄れていくのか。

いつの時代や知れずコインランドリー

<賑わいを知らない世代の僕ら。だからこそ、この衣浦温泉街は面白い。今や全国でも稀少な昭和時代・温泉街の名残。旅館と旅館の間には猥雑な猥雑な路地が続き、昭和時代の大人世界を垣間見る事が出来る> このまま衣浦温泉街の灯火を消してならない。 海が埋め立てられた昭和30年代後半を境に、徐々に客足が遠のいてきた衣浦温泉街。 故に大規模な投資が行われることなく、幸に当時の姿が多く残された。 内の見えない妖しい格子窓、桃色・朱色の壁、小粋なデザインの出窓など興味をそそるものたくさん。 まだまだ人が今よりずっと人間臭かった良き時代は、人間味の希薄となった現代人が求めているものではなかろうか。 古さを逆に利用する。新しき時代に媚びる事なく往年の雰囲気を取り戻す。まずは衣浦温泉街へ行こう! 衣浦温泉街の素晴らしき価値を広めよう。

ヘボト自画像ヘボトの「胡馬北風(こばほくふう)」

衣浦温泉街の雪洞

「衣浦温泉・雪洞は決して消えず」

衣浦温泉街を象徴する赤い雪洞(ぼんぼり)、日が暮れて辺りが暗くなっても一向に明かりの灯る気配はない。 よく見ると、電気を供給すべき電線が切断されている。だが、温泉街の通り、『翠扇』さんと『すず本』さんへと通じる道の入口にある5つの雪洞は煌々と灯されていた。 衣浦温泉街から海が臨めた時代、桟橋・旅館・飲食店へ導くように灯っていた雪洞は、 温泉街を演出する旅情溢れる存在であった。今でも頑張っている『翠扇』さんと『すず本』さんには、本当に敬意を表したい。 懐かしき昭和の温泉風情が残る衣浦温泉街は、規格的な今日の観光地では味わえない魅力がある。ぜひ訪れてみて欲しい。

< text • photo by heboto >


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