2005/11 「広報にしお みんなのひろば 楽しい仲間」インタビューより
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西尾タートルズFCの紹介
− 子供達の輝く瞳とこぼれる笑顔に出会いたい −
1.発足と活動概要
94年、西尾市の東部丘陵地帯にある新興住宅地つくしが丘の公園で、一人のサッカー好きの青年(現 本村監督)が、その片隅で遊んでいる子供達に声を掛けてボール蹴りを始めたのがきっかけ。その年末には、当時のその地域を取り巻く厳しい環境を反映して、サッカーを通じて子供の健全な成長と暖かい人の輪が出来ることを願って、後に指導者となることになるサッカー少年の父親達が中心となり「西尾タートルズFC規約」を制定、翌95年1月にはタートルズ会員誌「タートルズ」の創刊号を発行してクラブ運営するための基礎を築いた。同4月には、日本サッカー協会に加盟し、公式試合に参戦するなど本格的に活動を開始した。
93年にスタートしたJリーグは、日本代表のW杯への出場や女子代表の活躍などもあって、サッカー後進地域と呼ばれたこの周辺の子供達にも大きな影響を与え、発足当時から多数の子供達が参加することになった。ただし、つくしが丘のこども人口は、その住民構成の特殊性から急激に減少、現在は三和小や室場小校区といった西尾東部地域を中心に西尾中心部や岡崎など広範な周辺地域から、女子や外国人も含め多彩な子供達が自由に集うことができるクラブとして仲良く活発に活動している。対象として、最近のサッカー協会のキッズ(U−6)育成の流れも汲んで、従来からの小学生に加え園児も加えることとした。
具体的な活動内容は2つに大別できる。指導者が進めるサッカーの試合と練習、それと父母の会が企画し実施する各種イベントである。試合には、サッカー協会が主催する公式試合、市や町が主催する試合そしてタートルズFCや各地のクラブが主催する友好試合や練習試合がある。練習には、クラブの全員が参加する毎土曜日と日曜日の週2回(いずれも午前または午後の半日)の通常練習と更なるレベルアップを目指して隔週金曜日に行う自主練習(夜間練習)がある。
間断のない11年余の活動を支えているのは、サッカーゲームの目先の勝利に固執したり一喜一憂するのではなく、ピッチの内と外を問わずサッカーボールを介して週末を楽しく
過ごし、「子供達の輝く瞳とこぼれる笑顔に出会いたい。」という指導者や父母の熱い思い
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である。この考え方は、その時々の指導者や親子に脈々と受け継がれ、毎年ほとんどの子
供が途中で退部することなく達成感を味わいながら卒業していく姿を見ることが出来る。
つい先日は、クラブ発足当初に、つくしが丘の公園でボール蹴りから始め、高校も強豪チームのレギュラーとして活躍し、今も社会人としてサッカーを楽しんでいるM君の姿が、練習場の三和小グランドにあった。羨望と好奇の目で見つめる総勢60名のクラブ員を前に先輩はスポーツマンらしく大きな声ではきはきと言った。「タートルズで学んだことが今に活きている。練習環境はすごく良くなっている。頑張ってください。」と。万感の思いであった。
近年はクラブとして培った財産をベースに活動範囲を広げ、県外への遠征試合も行っている。今年の文化の日には、西尾市の友好都市である岐阜県恵那市で、地元チームのFC恵那AVANZAREに呼びかけて、東濃地方のたくさんのチームと交流試合を行った。美しい山々に囲まれた自然に触れ、父母や兄弟の応援を受けてサッカーを楽しみ、対戦チームの子供や指導者の方々に頭を下げ大きな声で挨拶を繰り返すみんなの様子を見ていると、友好の輪を広げることができたように思う。
「タートルズ」は文字通り「亀さんたち」である。発足当初は、その言葉の響きからタートルズという名を恥じる子供もいたようである。しかし、タートルズFCは、地域、小学校関係者、父母らに支えられ、童話にあるその名の所以通り、長きに渡って目指す姿や活動目的の実現に向けて一歩一歩着実に歩を進めてきた。子供の目線の高さで考え行動する手作り活動を共に実践することで、今では多くの関係者がその名の重みを共有し、誇りにさえ思う人たちが増えてきたと思われる。M君のように小学生時代をタートルズで週末を過ごし逞しく成長した子供達に会ってみると、その感をまさに強くすることができる。
前述のM君は、学生時代を通じて恵まれたサッカー生活を送ることの出来た数少ない一人である。中学生時代は当時近くに有ったジュニアチームに所属し、高校時代は寮生活をおくることでレギュラー選手としてサッカーを満喫することができた。このようなケースは稀で、現在サッカーを続けたいと希望する子供の多くは、西尾東部地域の中学校にサッカー部が無いなどの理由で隣接する安城や高浜のクラブチームに通い、その後地元の高校に通学しサッカー部所属することになる。中学1年生が、それまでの仲間と離れ遠くのクラブに時間をかけて通うというハンディは、高校サッカー部での活動を含め、その後の生き方に与える影響は決して小さくない。卒業を控えた子供の中には、大好きなサッカーを続けて出来ないことに真剣に悩み、サッカー部のある中学校に行きたいと心の内を打ち明け
る子供もいる。受け皿作りが強く望まれる状況といえる。
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2.タートルズが目指す姿
@
サッカーを通じて、親子で一緒に楽しめる空間(場所、時間)を創り、子供達一人一人の可能性を引き出し伸ばすことに貢献する。また、明るく元気な地域社会の実現に貢献する。
A
サッカーという世界共通のスポーツを通じて、世界に通用する広い視野と知識・能力を持って、世界に羽ばたくことのできる次世代を担う人づくりに貢献する。
3.活動目的
本クラブは、子供のサッカーと父母の会の活動を通じて、
@心身とも健全な子供の育成を図る。
Aルールを守ることの大切さを教える。仲間を大切にする気持ちを育む。
B子供・家族間の情報交換と親睦を図る。
C地域社会への貢献、ボランティア活動を実践する場を提供する。
D子供のサッカーの技量を向上する。
など
※「西尾タートルズFC規約」から抜粋
4.活動の進め方
@
子供達が楽しくサッカーを行うことができる環境を整備し、試合および練習を行う。
A 父母も楽しくサッカーに関わりを持てるしくみを作り運用する。
・全員が、それぞれに見合った適切な役割を担う。
・出来る限り試合で応援する。練習場で練習内容と子供の能力を観る。
B
年間を通してサッカーを行うが、同時に行う他の活動(学習塾、スポーツなど)を妨げない。
C
良好な人間関係を築き、円滑な運営を実現するため、サッカー以外に各種行事を行う。
5.組織
@
監督、代表(サッカー協会窓口)、事務局(計画立案、会員誌の内容決定=編集など)、マネージャー(日程調整、推進補助など)を置く。
※( )内は役割
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A5&6年、4&3年、2&1年、園児の4グループ構成とし、各々にコーチを置く。必要に応じてトップチームを編成することがある。
B
試合の準備・応援、各種行事などを行い子供達を支えるために、父母の会を置く。
父母の会の組織は規約に示す。
6.具体的な活動内容
6−1.試合
@愛知サッカー協会(日本サッカー協会、西三河サッカー協会)主催試合
・6月 全日本少年サッカー大会 兼 愛知県少年サッカー大会
・6月 愛知県 U―10 8人制サッカー大会
・7月 フジパンCUP U−12 サッカー大会
・8月 エンジョイフットボールイベント(キッズ)
・12月 愛知県 U−11サッカー新人大会
・3月 KONDO CUP KIDS SOCCER(3年、2年、1年)
A西尾幡豆サッカー協会主催試合
・5〜11月 西尾幡豆サッカーリーグ(全学年)
・12月 チャレンジカップ IN 豊田スタジアム
兼 タートルズ チャレンジカップ (西尾タートルズが運営)
B
市・町主催試合
・9月 西尾市民体育大会(サッカー種目)
・12月 一色大会
C
ケーブルTV KATCH主催
・ 3月 KATCH杯 少年サッカー(4年以下)
D
合宿&友好試合
・ 3月 全日本少年サッカー直前強化合宿 (トップチーム)
・ 6月 春合宿 (3年以上:With/岐阜県 下羽栗FC)
・ 8月 夏合宿 (3年以上:With/愛知県 ATUMI FC)
・ 11月 友好試合(3年以上:With/岐阜県 FC恵那)
・
E
練習試合( vs 近郊チーム)
・ 11月 岡崎中央総合公園冬期リーグ戦(6,5年:岡崎、知立などのクラブ)
・ 1月 岡崎中央総合公園冬期リーグ戦(6,5年:岡崎、知立などのクラブ)
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・ 随時 刈谷81、モンキーズFC、AOMI LADIES FC など多数
6−2.練習
@
通常練習
・場所:西尾市立三和小学校
・曜日:土、日曜日(毎週)
・時間:奇数月(5,7,9月) 13:30〜17:00
奇数月(12、1、3月)13:00〜16:30
偶数月 9:00〜12:30
A
自主練習
・場所:デンソー西尾グランド 他
・曜日:金曜日(隔週)
・時間:毎回 夜間 17:30〜19:30
6−3.父母の会行事
・ 5月 (父母の会総会)
・ 8月 バーベキュー大会
・ 12月 クリスマス会 親子サッカー
・ 3月 6年生を送る会 父母の会総会
7.課題
@ 指導者の強化(子供達の向上意欲に見合った指導内容のレベルアップ)
A 後継者の発掘(若い父親の参画)
B ジュニア(中学生)の受け皿作り 高校サッカーとの繋がり強化
C サッカー場の確保(芝のサッカー用ピッチでサッカーをやりたい。)