『蝶々夫人』〜Madama Butterfly〜
10月1日(火)〜10月3日(木) PM7:15〜
北京 天橋劇場 
(日中国交正常化30周年記念上演)

はじめに・・・
「オペラ初体験!」です。
以前にもお知らせしたとおり、「蝶々夫人・北京公演」を観てきました。
小澤征爾さん指揮、浅利慶太さん演出。オペラ歌手の方も一流・・・。
あまりに豪華で、こんな小汚い留学生が行っていいものかと心配していましたが(笑)行ってみると、大人から子供までさまざまな年代層が。
もちろん中国人だけではなくて、日本人も沢山いました。
報道もはいっていたので、日本でもニュースになるかも?と思います。どうでしょうか?
さて、感想ですが・・・・なにしろ「初」なもので比較対象となる経験もありません。それだけはご容赦くださいませ。
あらすじ
落ちぶれた武家の娘・蝶々さんは、父親の死後芸者をしていました。
そして、結婚紹介人(というか、仲買人)のゴローの斡旋でアメリカの軍人ピンカートンと結婚することになります。15歳の純真な少女は、真実の愛による結婚、そして芸者を辞めることができると喜びますが、ピンカートンはこの結婚を日本にいる間だけの「期間限定婚」(つまり、お金で蝶々さんを買ったということですね)にするつもりでいたのです・・・。
第一幕
開演前に「黒衣」(濃いグレーの衣装を着た黒子さん)によって舞台上のセットが作られていきます。
骨組みだけの家屋に障子をはめ、庭を整え、拭き掃除・・・。
とっても静かな空間です。
すでに舞台は始まっているんです。
濃いグレーの衣装をまとった「黒衣」さんは、一言も言葉を発することなく、この後も度々登場し、舞台装置の転換など舞台を支えます。
でも「裏方さん」でなくて、立派な出演者という印象です。
彼らの存在って、お芝居をさらにお芝居らしくさせるといか、虚無感UPなんですよね。(しんみり)

そんなこんなで舞台が整い、いよいよ照明が落とされます。
そなるともう、観客はオーケストラピットに釘づけです!
そして、小澤さんが登場しました。会場が割れんんばかりの歓迎の拍手です。さすが、「世界の小澤征爾」。オーラが凄いです。

さて、開演です。
<長崎港を望む、小高い丘に立つ家庭先>
ピンカートン、ゴローが登場。
以外にオジサンなピンカートンに驚きました・・・。
いや、もっと若い遊び人というイメージだったので。
まずはピンカートン・オン・ステージ。
凄いです。聞いていて気持ちのいい高音。さすが一流。イタリア語がわからないのが本当に残念です。
恰幅のよい体つきに白いスーツ、そして金髪。開国間もない日本に来たアメリカ人。和風建築の家を見て、「こんなところに住めるのか?壊れないだろね?」等、全般にわたり明らかに日本文化をバカにした発言・・・。この男なら、蝶々さんとの「期限付きの結婚」も気軽にしてしまうだろうな〜と思わせます。
それにペコペコとへつらうゴロー。
散切り頭で、着物の上に背広を羽織る・・という一種の奇抜な衣装。
衣装だけで、彼がどんな人間かわかるので凄い!
歌手の方は日本の方です。あの腰の低さは日本人でなければ、無理でしょうね〜。
そして、ゴローの歌。役柄的にはどちらかというと汚い役ですが、とても私好みの歌声でした。
音域的にはピンカートンと同じテノールだと思うのですが・・・。
聞き慣れた日本人の声質が心地よかったのでしょうか?
遅れて登場するシャープレス領事。
彼はアメリカ人ですが、ピンカートンとは違って日本を理解している人間として描かれています。
ピンカートンの「期限付き結婚計画」を知る彼は、起こるべき悲劇を予想します。たしなめても、全てを軽く考えているピンカートンには通じませんが・・・。

<蝶々さんの登場>
色とりどりの和傘をさした、付き添いの娘達に囲まれて登場するこのシーン。見る前から、その美しさは聞き知っていましたが、本当に幻想的でした。まず、日本の伝統的な和傘。絶妙な具合の照明。そして、一番の効果は遠くから響いてくる蝶々さんの歌声。
いつのまにか舞台が違う世界に移ってしまったかの様でした。
ついさっきまでのピンカートンとゴローの不世話な世界とあまりに対照的で面白いです(^^)
傘に隠れていた蝶々さんが登場すると、会場からは「ほぉ〜」とため息。繊細な角隠しと、薄いピンク(白?)の打ち掛けがとっても綺麗なんです。セットが簡素なので、その対比がとっても効果的。
「真実の愛」と思い込んで嫁ぐ喜びを表す蝶々さん。
あまりに純真無垢に美しく歌い上げるので(ホントに綺麗な歌声です。繊細って感じかなぁ)先ほどのピンカートンを思い出してムカついたりして・・・。

<結婚式>
沢山の付き添い娘が、その後は結婚式のお客さんに変身。主要人物以外はすべてグレーの衣装です。
舞台の使い方というか、同じ舞台装置でいろんな場面を表現するのが凄いですね。結婚式も、どういう風にやるのかなぁと思っていたら、庭に敷物が敷かれ、赤い傘と屏風でまるでお座敷のような雰囲気です。

ピンカートンの妻になるために、こっそりキリスト教に改宗したという蝶々さん。それを聞きつけた和尚の伯父が怒鳴り込んできます。
ピンカートンは、蝶々さんの可憐さと改宗までする深い愛に打たれ、
「愛する人・・」(のような内容)と歌いますが、見ているほうとしては結末を知っているだけに、ピンカートンの勝手さに腹が立ち、何も知らずに喜ぶ蝶々さんが不憫に思えてなりませんでした。
二人の2重唱、すごい迫力でした。

途中、蝶々さんが嫁入り道具をピンカートンに見せる場面があります。
舞台が遠かったので細かいところまで見れなかったのが残念です。
(オペラグラスは日本でお留守番なのです・涙)
父親の形見の短刀。その場面の音楽は、「死」を連想させる場面でたびたび登場しました。
ほかにも日本の伝統的な音楽がところどころに登場し、日本人としてはとても親しみがもてました。
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