| 第二幕 |
| <蝶々さんの屋敷> 蝶々さんは紫地に蝶模様の鮮やかな着物です。 結婚から3年後・・・。ピンカートンはアメリカに帰国。 身の回りの世話をするスズキは、蝶々さんが信じる「ピンカートンの愛」に疑いを持ち始めます。すでにお金もそこをついてしまっていたのです。それでも蝶々さんは愛する夫の帰国を健気に待ち、再会を夢みて歌い上げます。 そこへ、ピンカートンからの手紙をもって現れるシャープレス。 手紙の内容を告げる前に、夫の帰国を察知し喜ぶ蝶々さんに彼は真実を告げることが出来ません。優しい人間ですよね〜。かろうじて「もし戻ってこなかったら?」と聞きますが、怒った蝶々さんは息子を連れてきて、(シャープレスは知らなかったのでビックリ) 「いまさら芸者に戻れないので、死を選ぶしかない」と悲しみに暮れて歌います。 その後、まだ懲りないゴローが再登場。 「私生児は子供として認められない」と吹聴するゴローをスズキが追廻し、蝶々さんが短刀で脅して追い返します。 ゴローが登場するたびになぜか和むのは私だけ?かなり気に入ってしまったようです(笑)この姑息な男がいちばん現実味があるように感じたんですよねぇ・・・。 二幕幕切れ。 遥か遠くの長崎港から大砲が聞こえます。ピンカートンが長崎に着いたのです。蝶々さんは歓喜の歌を歌い上げ、スズキに手伝わせて庭の花の花びらを撒き散らします。そして、スズキ・息子とともに一晩中ピンカートンを待ち続けるのでした。 ここから3幕まで、場面転換・暗転はなく障子に映る影で間奏が進みます。照明がホントに美しいです。 雪見用の小さな穴から覗く3人の顔は、幻想的を通りこしてちょっと怖かったくらい。間奏メインの日本舞踊(影)がとっても素敵でした。なんだか蝶々さんの心を映しているようなちょっと切ない踊り。 待っても、待っても、一晩中待っても来ないピンカートンを待つ3人。 この間奏は頭を整理して、ラストを迎えるとってもいい「準備タイム」でした。しかも、現実に引き戻されることもない理想的な時間と空間でした。凄い! 正直、オペラは「歌」の要素が強くて「演技」はどうかな〜と思っていました。蝶々さんはこの時18歳になっていますが、失礼ながらそんなに若くは見えません。歌も迫力があるので老けた印象だったんです。 でも二幕の蝶々さんの歌と表情でそんな考え吹き飛びました。 とっても繊細な表情で、字幕すら中国語で頭の中が怪しい私でも胸を打たれたほど。すごいなぁと思いました。 また、蝶々さんのソロとオーケストラ(指揮者?)が息ぴったりでした。感動〜(><) |
| 第三幕 |
| 障子が開くと待ちくたびれ、そして期待が裏切られて途方にくれる蝶々さんとスズキ。3人がずっとそこで待っていた様子が伝わってきて、すごく切なくなります。 息子をつれて蝶々さんが下がったあと、ピンカートンが妻・ケイトを伴って現れます。すでに蝶々さんに同情している私はヤツにムカついてます。そこで、スズキが蝶々さんの痛切な心情を歌い上げ(かっこよかった!)、自分の軽薄さと蝶々さんの深い愛に気づいたピンカートンは激しく後悔し、いたたまれず、愛の時を過ごした丘の家から逃げる様に去ります。 そしてスズキは、ケイトから頼まれるのです。事の成り行きの説明と、子供を引き取らせて欲しいと蝶々さんに伝えるや役目を・・・。 このとき、スズキに近づくケイトは砂が綺麗に敷き詰めてある庭にズカズカと入り込みます。飛び石があっても、それは無視。日本人からしたら、礼儀のなさにびっくりです。私も驚きましたよ。 「え?!」って感じです。私も、やっぱり日本人ですねぇ(笑) それまで、場面転換ごとに黒衣が整えてきた庭なんですよ。 いつも気遣ってあるはずの庭です。そこにわざわざ入って踏み散らかす演出。 このときはびっくりしただけで終わってしまいましたが、パンフレットを読んだら浅利さんの言葉でこんなことが書いてありました。 『シャープレスとピンカートンが二つの傾向を代表しています。前者は日本を理解し、後者はしません。ケイトが庭の白砂に踏み込む場面がありますが、こういう振る舞いに及ぶことなく(二人は)飛び石をとおります。しかしケイトは知らずに過ちを犯しているのですから、彼女に罪はありません・・・』 私は、相反する性質を持つシャープレスとピンカートンが飛び石をちゃんと使っていたこと、あまり意識していませんでした(汗) と、いうことは、ピンカートンはケイトと違って「知らない」のではないんですから、蝶々さんに対する責任、というか罪の重さにスズキの訴えで気づいて、思わず逃げるように立ち去ったのもわかる気がします。 ケイトの姿を見て、すべてを悟った蝶々さんは冷静に、あっさりと死を選びます。白装束で、庭に敷かれた白い布の真ん中に座る蝶々さん。 去ったはずの息子が現れ、その子に向かって最後の歌を歌います。迫力満点です。でも、ちょっとアクシデント! 蝶々さんの帯がハラリと解けてしまいました。観ているほうがドキドキしちゃいましたが、蝶々さんは冷静で、子供を見て思わず慌てた・・・とも取れる感じでなんとか収拾をつけていました(汗) 父の形見の短刀を握り締め、突き刺す蝶々さん。 短刀は実は扇子で出来ていて、開くごとに真っ赤な色が現れます。 すべて開ききった後、しいてある布が引き抜かれ、白→真っ赤に。 シンプルですが、とっても効果があって素敵な演出です。 遠くからひびく「バタフラ〜イ!」というピンカートンの声が、むなしく響いていました。 |