西尾幡豆プライマリケアネットワーク Primary Care Network Nishio-hazu (PCNN)

第2回勉強会報告

プライマリケア医のための小児科外来診療スキルアップセミナー

講師:大澤正彦先生(くまさんこどもクリニック院長)

日時:2008年5月17日(土) 15:00〜18:00

会場:宮崎医院 待合室ラウンジ

参加者:18名(医師・研修医)



<勉強会リポート:PCNN事務局 宮崎 仁>

小児の患者さんとお母さんたちが、様々な健康問題を抱えて、クリニックの外来にやって来たとき、内科の開業医であるわたしたちは、自信を持って診療できているでしょうか? 日頃ドキドキしながら、子どもたちを診ている「内科開業医」が自発的に集まって、小児外来プライマリケアの診療内容をレベルアップするために特訓を受ける(?)塾があったらいいなと思い、この勉強会を企画しました。

内科医がこっそりと小児科の勉強をする会なので、「ない・しょ(内→小)の勉強会」というコード・ネームをつけて、半年以上にわたり密かに準備をすすめ、このたびPCNNの第2回勉強会というかたちでついに実現!

講師としてお招きした大澤正彦先生は、小児プライマリケア一筋に研鑽を積まれてきた気鋭の小児科医で、現在は「くまさんこどもクリニック」という素敵な診療所の院長先生です。


レクチャーを拝聴していて印象に残ったポイントを以下に列記します。

★こどもの活動性に注意せよ。重症度は活動性の低下として表現される。
★小児科外来の8割を占めるのは感染症。それを勉強するだけで診療は格別楽になる。
★季節によって変わる感染症の流行に敏感になろう。
★発熱では、年齢・持続期間・全身状態の組み合わせで重症度を判断すべし。
★嘔気・嘔吐は、まず原因追及、次に対症療法。腹痛は、まず原因追及、対症療法はあまりしない。下痢は、まず脱水の有無、次に原因追及。

小児プライマリケアの現場で長年ご苦労された臨床医だからこそ語れる、「知恵(Clinical pearls)」の数々を惜しげもなく伝授してくださいました。正味3時間以上にわたるセッションでしたが、終わってみると実に短く感じられました。小児科領域における「反省的実践家(reflective practitioner)」である大澤先生に出会えたことは、わたしたちPCNNメンバーにとって大きな喜びであります。

今回の勉強会には、西尾市民病院から4名の研修医のみなさんにご参加いただきました。卒後15〜20年以上のベテラン開業医と、今春ドクターになられたばかりのフ レッシュな研修医の先生が、「ともに学ぶ」、「開業医のオフィスに来て学ぶ」というのは、当地区では初めてのことです。「若いドクター/医学生たちも巻きこむ」という、PCNNの「もうひとつの夢」が実現した、幸せな午後の時間でした。


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