エアロパーツ

両側スライドドア対応が無い
デザイン選択
見積り取得
下地作り
色合わせ
上塗り
取り付け
出来上がり


両側スライドドア対応が無い

かねてから検討していたエアロパーツ。どんなものがいいか悩んでる時は楽しいものだ。僕自身、車を選ぶと同時にエアロパーツも合わせて検討していた。エアロパーツのお気に入りが見つからなければ車種を変更するつもりでさえいた。

実際、車種の変更こそしなかったが、装備は変更した。グランビアでも本当は両側スライドドアにしたかった。この両側スライドドアはメーカオプションで追加する事ができたからだ。運転席側にもスライドドアがある方が便利に決まっている。今まで乗っていたランクルには、当然右側後部にも開きドアがあったわけで、これが無くなるとどんなに不便かは容易に想像できる。まして、未就学児の子供がいるわけだから、家内がいなければわざわざ左側から子供を乗せて、反対側の運転席へ回り、乗りこむ事になる。面倒極まりない。

しかしながら、この両側スライドドアに対応したエアロパーツがこの世に無い。どのメーカを探してもなかった。(探し方が悪かったのだろうか?)。左サイドは共通だが、右サイドステップは、フロントタイヤハウスの後ろから、リアタイヤハウスの前まで一品ものになっている。つまり、右側のスライドドアが開かなくなってしまう。これじゃ、何のために両側スライドドアをオプション追加したのかわかんなくなる。
金に糸目をつけなけりゃ、特注でエアロの加工をしてくれるショップもあるが、ちょっと気が引けた。だって、ローダウンも考えていたんで、エアロパーツなんてすぐに擦って割ってしまうのが関の山だからだ。その度に割高な特注エアロを注文していたのではたまらない。よって踏みとどまった。


デザイン選択

両側スライドドアをあきらめたからには、もう何も気にする事は無い。お気に入りのデザインだけを考えればいい。かと言って、不人気であるはずのグランビアですら、結構いろんなメーカーが出している。Elfordや、F2KEN StyleM'z SPEEDWALD JAPANWALKER JAPANMIRACLESなど。これがまた良いとこもあれば悪いとこもある。KEN Styleのフロントスポイラーはちょっとゴツすぎ。Elfordはオーバーフェンダがエグイ。WALDのオーバーフェンダーの方が趣味にあう。WALKER JAPANはエッジが張りすぎてエレガントさが感じられない。

ひとつに決めるのが至難の技になっていたが、フロントスポイラーはあのメーカー、サイドステップはこのメーカー、リアスポイラーはあっちのメーカーなんてことは絶対に避けたかった。だって、トータルデザインが崩れてしまうからだ。エッジの高さがフロントとサイドでずれてたらいやでしょ。

なんて、個人的主観で勝手な事ばかり考えていた。基本的にどんなのが好みかって言うと、第一に派手さがないこと。特にフロントスポイラーの出っ歯気味のものは趣味ではない。第二にエレガントでなくてはならない。第三に、アメリカンとして通用するもの。

これら条件に一番近かったのがMIRACLESだった。特に、サイドステップのうねった感じが気に入った。欲を言えば、フロントスポイラー(タイプ1)がもう少し低目がいいように思う。若干ロードクリアランスが多めだ。かと言って、タイプ2は出っ歯気味なので気に入らなかった。


見積り取得

何を買うにしてもまずは見積もり取得だ。車屋である親父に見積取得を依頼した。個人で見積取得するより安価な業販価格になるからだ。で、その見積書。

部品

定価

見積

フロントスポイラータイプT \35,000 \26,250
サイドステップ \55,000 \41,250
リアスポイラー \50,000 \37,500
消費税 \7,000 \5,250
合計 \147,000 \110,250

25%OFFだった。別に金額がどうのこうのって事ではなかったし、納期が2週間ぐらいかかるとの事だったのですぐに発注した。でもまだ、車が納車されてないんだよね。(笑)


下地作り

親父から入荷の連絡が入る。(この時にはさすがに納車されてた。)
次の休みにフルノーマルのグランビアで、親父の工場へ足を運ぶ。この時初めて親父にこの車を見せたわけだが、商売柄、見なれた車のようで何ら興味を示してくれなかった。(別に何か言って欲しかったわけでもないが...)

早速、僕は作業着に着替え、まずは、下地作り。素材はFRP。表面はザラザラ。これを200番程度のペーパーヤスリで平らにしていく。大き目のバリなどは100番でざっと落とし、200番で仕上げる。全体的に舐めたら、今度は400番で仕上げる。これで、生のFRPからはかなりツルツルになる。断っておくが、ほとんどをサンダーと言われる道具でやって、細かい部分や、サンダーが届かない部分だけを手仕上げするやり方だ。

次に、実車に合わせてみる。その前に純正のリアバンパー、マッドフラップを取り外す。これらはもう要らなくなる。

FRP自体の寸法違いや、実車の個体差があるから、すんなり位置が決まる事は少ない。リアスポイラーは何の問題もなかった。サイドステップは、フロントドア下部の隙間にいれる部分があるが、これがドアの開閉時に擦ってしまう。このままでは気に入らないので、できるだけ擦らないようにするため、全体的にボディー側へ押し付けるようにしてやると何とかなりそうだ。もちろん手で押さえた訳だから、取り付け固定時にはそのように固定しなければならない。

フロントスポイラーはというと、これが純正のバンパーに被せるタイプなのだが、きつくて被せるのが容易ではなかった。こればかりは親父に手伝ってもらい、勇気を振り絞って力任せに広げながらやると何とか被せることができた。しかし、エアインテークの所が若干純正バンパーとぶつかるのでマジックで印を付け、削ることにした。

実車合わせも終わったところで、下地作りの仕上げだ。FRPの表面に凹んだ部分というか、巣のような部分があるので、ここにパテを付けて、乾燥後に再度ペーパーを当てて平らにする。

次にパーツ全体をきれいに脱脂する。脱脂をしないと、塗料の乗りが悪く、最悪浮いてしまうからだ。さらに、サフェーサーを塗装する。いわゆる下地となる塗料だ。ボディー用のものではなくプラスチックプライマーという樹脂用のものを使った。塗料との密着性を高める働きがある。

サフェーサーを何度か重ね塗りした後、乾いたら、上塗りだ。まずは色合わせ。全くの新車なので、色が変わってる事は無いと思うが、念のため色あわせする。断っておくが、この色合わせ〜上塗りまでの工程はズブの素人である僕には全くできない。よって、親父に頼む。

余談になるが、どういう風に難しいのか話しておこう。


色合わせ

まず、色合わせ。
便利な機械が親父の工場にはある。電話回線につながった計量器だ。電話を関ペ(関西ペイント)に掛ける。ボンネット内に車両型式が刻印されているプレートがあるのを知ってると思うが、ここに色コード(ボディーの塗装色)が書かれている。この色コードと、作りたい塗料の量を計量器に入力すると、何々の塗料をナンボ入れろという意味の表示が出る。指示通りに入れる。入れ終わると、次に入れる塗料の指示が出る。これを指示が無くなるまで繰り返す。すると、最終的には、車両メーカーで塗装している新車時の色の塗料が出来上がる。あ〜ら便利。これなら僕にもできる。

ところが、この後が問題だ。車のボディー色は、雨、太陽などの影響があり経年変化で色が変わっていく。だから、新車時の色がそのままってことはない。だから、ここから先はプロの腕の見せ所になるわけだ。実車と比較して何色をどれだけ入れたら良いかを判断しなくちゃならない。入れる色が一色とは限らない。また、入れすぎたら逆の色(?)を足さなきゃならない。へたくそだと、この繰り返しでいつまでたっても色が合わないことになるばかりか、塗料の量がどんどん増えちゃう。こんな事ばっかりやってたら商売上がったりだ。

ここで、クラウンやセドリックの黒い車を思い浮かべてみよう。重役クラスの運転手付きの車によくあるあの黒だ。どうみてもただの黒にしか思えないでしょ。でも塗料にあの色そのものの黒色はない。確かに黒はあるがまったく違う黒だとプロは言う。僕にはその違いがわからない。その車の色合わせをしている様子を見ていると、紺やら赤やら黄色の塗料の缶を出している。そして、「もうちょっと赤いな。」と言った。そして赤の塗料を足している。念を押しておくが、今作っている色は、あの重役クラスが乗るセドリックの黒色だ。「どこが赤いんじゃ〜。」

こんな話もある。今の車にはスリーコートパールという塗装が採用されていることも少なくない。僕のグランビアも上半分はこれの白だ。簡単に言えば3つの色を透かす用に重ね塗りしたようなものだ。ということは、3つの色を塗って出来上がる色を推測しながら3色それぞれを合わせる必要があるって事。そんなことできるんかと思うがどうにかやってるらしい。ただ、これの泣き所は、太陽光線、つまり光の加減で色彩が変わるとの事だ。塗装したボディーを太陽に向かって見た場合の色と、太陽を背にして見た場合の色と違うらしい。全塗装なら関係ないが、ドアだけ塗装場合などでは、これに泣かされることも時にはあるとのことだ。
したがって、塗装代もソリッド、メタリック、スリーコートパールの順で割高になっていく。

でもパール塗装ってきれいなのよね。メタリックとも違うし。


上塗り

次に上塗り。
なんと言っても上塗りは艶を出すことが一番大事。これが素人にはできない。最後にコンパウンドで仕上げ磨きをすれば、それなりになるんだが...。もうひとつ大事な事がある。垂らさないこと。一度に多くの塗料を吹き付けると垂れてしまう。スプレーガンを左右に移動しながら吹き付けていくわけだが、垂れを防止するために折り返す際にはトリガーを一瞬離す必要がある。ここでなるほどと思われた方はかなり良いセンスしてると思う。理由はこうだ。折り返し時には瞬間的にその位置に留まって吹き付けてる事になるので、多くの量を吹き付けている事になる。これが垂れの原因になる。僕にはこの手を離すタイミングがなかなか合わない。ドラム缶で練習した事もあるが、結局挫折した。

あ〜、余談が長すぎましたね。こんな所まで読んでくれたあなたは我慢強い。それとも単なる車好き?

さて、話を戻そう。ここまで、正味3時間程度。塗装が乾くまではどうしようもないので、今日はここまでとし、通販で購入しておいたスモークフィルムを貼りにかかった。


取り付け

翌日いよいよ取り付けだ。その前に、取り付け部の泥を落とすために洗車した。下地作りの時にあらかじめ実車合わせしていたので、要領は理解しているため、問題はない。

まずは何の問題もなかった、リアスポイラー。固定するネジ位置もバッチリだ。

次に、フロントスポイラー。これについてはやはり親父に手伝ってもらいながら、ちょっと力任せに純正バンパーに被せる。なんとか被せたところで、ネジで固定するが、強度的に心もとない。両サイドのボルト止めだけだし、これがステーの挟み込みでの固定だからだ。手で動かすとグラグラするわけではないが、それに近い。よって、ナンバー裏の位置に一本ボルトを追加する。たったこれだけでかなりしっかりした。

最後にサイドステップ。これについてはフロントドア下部を注意しながら固定する必要がある。ドアの開閉時に擦らないようにするため、ボディーへ押しつけるような感じで位置を決め、ドリルで穴を開け固定する。これについてはうまくできたが、やはり強度的に不安がある。標準的な取扱説明書通りの固定方法だが、フロントバンパー同様グラグラ気味だ。よって、ボルトの本数を増やした。これでかなり違う。

結局なんだ〜かんだ〜で、1時間近くかかってしまった。


出来上がり

出来映えはと言えば、もちろん格好良い。エアロパーツだけで、ノーマルの車高位置からのダウン量は場所によって違うが、30mm〜50mmと言ったところだろうか。たったこれだけだが、見た目はかなり下がってるように感じる。

エアロパーツ代金と、塗料代、手間賃あわせて12万円を親父に支払った。

グランビア左サイドグランビア左サイド