その4
RM氏が歌う。カラオケが始まったなら歌わな損だわな、と思い俺も曲を入れた。
俺の入れた曲の前奏が始まる。マイクに手を伸ばして歌い始めると、ぷーどる嬢が叫ぶ。
「ぱぎさん、ちょっと待って!!!」
そして、バックをまさぐるやいなや。『それ』を俺に向かって放り投げる。
宙を舞う『それ』…おぱんつ…
ここで、実況をちょっと中断することをお許しいただきたい。知っている人はもちろん知っているのだが、疑問に思う人も当然いると思うのだ。
なんで、オフ会にぱんつが出てくるの?こいつら変じゃないの?
事の起こりは、俺がまだHPも持たずに借り物の掲示板だけで三十路関係のHPを徘徊していた頃である。あむ嬢のHPで「あなたはトランクス派?ブリーフ派?」なぞという論争が巻き起こっていたのだ。元から、こういうシモネタ系の論争は嫌いでない俺(ありていに言えば大好きである…)。あれこれカキコしていたら、そのうちにシモネタ・おぱんつ系の話題がどこかで登場すると必ず俺のレスがあるという状況になってしまった。ただ、この状況を作り出すにあたって、そういう話題が出たことをその都度俺の掲示板に報告してくれる人々がいた事も事実である。それが大御所さっちんであり、今回のおぱんつ宴会の首謀者ぷーどる嬢であるのだ。(もちろん、他にもいるけどあんまり多かったんで…)
とはいえ、その手の話題に強かった俺(^^ゞ 有り難いことにもう一つの異名を頂戴することになる。
それが…ぱんつ大魔王…(これもぷーどる嬢の命名じゃなかったっけ?)
俺がHPを作るにあたって、一応自分のHPはまともに作りたかったので、大魔王関係はウラのHPに作る事にした。それが「ぱんつ大魔王の地下宮殿」なのだが、そこでもぷーどる嬢らの要望がついた。
「ぱんつ大魔王なんだから、ぱんつかぶりなさいよ!!!」
しょうがないので、地下宮殿の俺の似顔絵は一部ぱんつをかぶることになった…
さて、俺の似顔絵にぱんつをかぶらせる事に成功したぷーどる嬢。俺の上京が決まると、今度は本物の俺にぱんつをかぶらせたい、それをデジカメに納めたい、という仄暗い情熱を燃やす事になった。この仄暗い情熱に関してはあむ嬢も同様で、当日、昼間に自分が主催した行事があったにも関わらず、「おぱんつぱぎさん」が見たい一心でわざわざ新品のぱんつを買ってまで来る事になったわけである…。有り難いことだ…。
閑話休題。
宙を舞ったおぱんつ。俺ととなりのへーすけ氏のあたりにぱらぱらと落ちてきた。それを拾いあげ、すかさず俺にかぶせようとしたのは、みみき嬢であったかあむ嬢であったか…
すでに、俺は開き直っていた。
数十秒後、ぱんつをかぶり、ぱんつを振り回しながら歌う俺の姿があったのだった。
さて、一度たがが外れるとずるずる行くのがこういう宴会の常である。もともと身も蓋もない状態にアニソン・おぱんつとくれば、もう何でもありとしか言いようがない。
みみき嬢は、あむ嬢が買ってきたおぱんつをじっくりと見て、
「これ、ワコールじゃない。なんでこんな良いの買ってきたのぉ?」
そりゃ、そうだ。かぶらせるためにいいもんである必要はないわな。
ぷーどる嬢は自慢げに言う。
「あたしが買ってきたのいくらだと思う?80円よ、80円!!でもかわいいでしょ?」
家の近くに安い店があるそうだ。東○条の自慢が続く…
そんな会話を聞きながら、俺がふと横を見ると…おいおい…
そこには、にこにこしながらぷーどる嬢の持ってきたおぱんつで一人あやとりをしているへーすけ氏がいた…
へーすけ氏は大量のおぱんつを見て、あきらかに舞い上がっていた。喜んでかぶり、もてあそびいじくりまわし、そしてノリノリで歌う。
おぱんつに対し最初は若干構えていたたく丸氏も、へーすけ氏の姿やかぶりを無理強いする女性陣の迫力に耐えかねたのか、ついにかぶり、デジカメにポーズを取っていく。
RM氏はアニソンに嘉門達夫、マニアックでコアな世界を見事に表現していく。
あむ嬢・ぷーどる嬢は聖子・百恵・ユーミンあたりを熱唱。
みみき嬢は「あたし下手だから、あんまり歌いたくないのよ〜」とか言いながら結構うまいし。
そして、リラックスしてきたイドウ氏は佐野元春をパワフルに聴かせるのであった。
そんなこんなで盛り上がる宴会だが、2時間もすぎそろそろ交互にトイレに立つ人が出てくる。
俺も…と思い席を立ったのだが、その時歌っていたぷーどる嬢が俺を引っ張り一言。
「まさか、あたしの歌の最中にいなくなるんじゃないでしょうね?」
小心者で根が優しい俺がきちんとぷーどる嬢の歌を拝聴したことは言うまでもない…
まだ続く…