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7MHzSSBトランシーバーキットの製作

 



 
WEBサイトから$59でインド製7MHzSSBトランシバキット(MITX40)が販売されていることを知りました。
しかしインド製SSBトランシバ ?  聞いたことがないし大丈夫かなと思いましたが、逆に$59ならばダメでも惜しくないし、インド製珍しく面白そうなので購入製作したのちTSSへ申請後認証を得ました。

トランシーバキットの概要
このトランシーバキットはインド HF SIGNAL社 のBITX40 7MHzSSB QRP 無線機のキットです。
同社のホームページを見るとBITX40のほか $160でμBITX V6という HF(3.5〜30MHz)10WSSB/CW トランシーバキットも販売しています。
購入は同社のホームページから直接注文しました、インドから間違いなく送られてくるか心配でしたが2週間ほどで到着し、早速開梱してみたら透明のプラスチック製の箱の中に(写真 1)上部にある部品が入っていました。

(梱包を開いた状況が下写真です)

BITX40部品
                   (写真 1)


メイン基板は組み立て済であとはケースにボリュム、スイッチ等を組み込むだけという簡単キットでした。
BITX40の回路図はココにリンクを貼っておきます、ブロックダイアグラムは下記です。

BITX40ブロックダイアグラム
                       (図 1)

キットはVFO部を除けばクリスタルフィルタを使った基本的な回路構成のSSB機です。
出力についてはホームページに具体的な値の表記がありませんが5Wくらいと推定します。
ファイナルに25Vを掛けると10Wの出力が得られると表記されていますが、このキットはQRP用として使いますのでオリジナルで使用しました。


組み込み配線
早速組み込み、と進めたいところでしたが諸般の都合で数カ月以上も放置してしまいました。
組み込み用ケースは手持ちのものを探しましたが適当なものがなく、結局 Amazonで「タカチ CU-3N (W:200 H:60 D:170)」を購入しました。
このキット取説が同梱しておらず、すべてホームページの記事を参考に組み込み配線をした結果、下写真(写真 2)のように組み込みが完了しました。
中央の緑色メイン基板の右下茶色の基板が 追加したS/RFパワーメータ回路、左基板は同じく追加したLPFでアンテナ端子の直前に入れています。
キットに含まれていないメータ等小物部品はすべて手持ちのものを使用し、またアンテナとマイク端子はオリジナルを変更しました。


BITX40内部構成
                (写真 2)


オリジナルではS/RFパワーメータがありません、これでは実際のQSOでは不便であるため同メータを追加取り付けました。

スプリアス対策として
@ アンテナ直前にLPFを取り付けました。(写真 2)
A WEB情報から第2高調波対策として指定の箇所へ100pFのコンデサを裏付けをしました。 (写真 3)
B手持ちのアンテナカップラ(TOKYO HI-POWER
HC-100) を外付けBPFとして使用しました。

                              
MITX40 スプリアスコンデンサ

調整
調整といってもメイン基板は完成済みなので微調整のみです。
ファイナルのバイアス電流と出力の調整をそれぞれ半固定抵抗でおこないます、テスタ1個で済みます。
しかしこの機種の最低ステップ周波数が100Hzということもあり、キャリブレーションに結構手こずり、この調整が一番面倒でした。

後述TSS保障認定で必要なオフバンド対策としてプログラムの書き換えを行い、オリジナル送信数 7,000KHz〜7,300KHzから日本のバンドプラン7,000KHz〜7,200KHzになるようしました。
プログラムの書き換えとリグへのインストールは全く経験がなく、WEB情報を頼りになんとか終えました。

送受信の確認
送信はアンテナ端子にダミーロードとパワー計をつなぎ、マイクからの口笛で最大出力が3W(PEP表示)くらいで、SSBの出力は5Wくらいと推定しました。
受信機でモニタをしたところ少々硬めの音質ですが、問題ない状態でした。

受信は7MHz逆V型アンテナをつなぎ、ワッチをしました感度は問題ないですが、サイドの被りが気になります、しかし実用上は問題ないレベルと思います。
音質は高音が高く出るようで長時間のワッチは疲れます、追々簡単な高音カット回路を追加したいと考えています。
他では、最低ステップ周波数が100Hzであるため、チューニングがクリチカルで微妙な調整が必要で使いにくいです。

TSSへ保証依頼
組み立てたキットは自作扱いになるので、ON AIRするには保障認定が必要になります。
今回保障認定はTSSへ依頼しました、WEB情報では依頼から完了まで一カ月くらい 必要とありましたが、今回約2週間で総務省から免許状が届きました。
最近早くなたのでしょうかラッキーでした。

必要書類は従来の方法と全く変わらず「アマチュア局の無線の設備の変更の保証願書」「アマュア局変更申請書」「無線局事項書及び工事設計書」「送信機系統図」の提出でした。
ただWEB情報などからオフバンド対策をどのような方法で行っているか明記する必要があるようで、前述の対策を送信機系統図に明記し提出しました。
また最近取り入れられたスプリアス規制に対し世間では様々な情報が飛び交っていますが、今回の保障認定でスプリアスについてのデータ等は求められませんでした(2020年6月4日TSS申請)

BItx40組み立て済外観
(写真 4)(完成した外観 右上つまみ:TUNIG、右下:電源SW/VOL、中下:STANDBY、中上:ON AIR LED、背面に アンテナ、電源、マイク、スピーカ の各端子がある)

ON AIRした感想
QRPということでCQで呼び出ださず、Sの強い局を探して呼ぶスタイルで QSOをし
て数局からレポートをもらいました。
ノイズ、サイドの広がり、スプリアス等の電波の質について悪いというレポートはあり
ませんでしたが、キャリア漏れが気になるとのレポートもあり調整が必要かと思います。

その他気になったことは
@AGCがないため強い局を受信した際、急いでボリュームを絞らないと耳が痛くなる。
A最小ステップが100Hzのため微妙なチューニングが必要になる。
B AについてWEB情報によれば10Hzステップに改造可能なようで、機をみて改造してみたいと思っています。

以上問題点も多々ありますが、総合的に$59ということを考慮すればコストパフォーマンスに優れたキットと感じました。  

追記 
Google等検索サイトで「BITX40」と検索すると、英文が多いですが様々な情報を掲載したサイトがみつかります。
改造例、組み立てた製作例の画像やYouTubeの動画など興味をそそられます。


                       
 
 
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