61.ファインバブル安定化の謎を電気学会 論文誌Aで解説

 

 「54.ファインバブル安定化の謎を解明」で説明したように、2025年4月に気づいたアイデアの計算を始め7月には査読論文をまとめました。これが2026年5月号の電気学会 論文誌A(基礎・材料・共通部門誌)、第146巻、第5号、pp.193-200に掲載されました。タイトルは「水中で直径100 nm付近の気泡が安定する機構の考察」です。

 内容を簡単に説明します。ファインバブルは-30mV~-45mVに帯電していて、お互いにこの負電荷で反発し付着することなく安定していることが観測されています。-30mVや-45mVに対応した電荷は小さく、この電荷に対応した膨張力は、水の表面張力よりも圧倒的に小さいため、泡は圧縮されて約30気圧で安定するということが通説でした。しかし、泡が消滅する際の衝撃波が発生して汚れを落とすと言われていますが、泡の圧力が30気圧のような高圧力では急激な消滅が起こることは困難です。真空であれば消滅する際にキャビテーションによる衝撃波を出すには泡が真空である必要がありました。他にいろいろな仮説があり検討しましたが無理があると思われます。

 これを解決する仮説として、泡の表面には表面張力と同じくらいの膨張力を示すだけの大きな負電荷が存在するが、泡の直ぐ近くに正電荷があると見かけの泡の電位は小さくなる上に真空の泡ができることが計算上明らかになりました。一方、高気圧の泡もできます。

 高気圧の泡は短時間で溶けて無くなってしまいます。一方、真空の泡は直径100nmより大きな泡は上昇して無くなり、直径100nmより小さな泡は100kV/mmより高い電界により電荷の安定性が崩れて消滅することになり、結局直径100nmの泡が残り長期間安定することになります。

2026年05月02日