66.感電の人体反応(電流戦争で副産物?)
エジソンは直流の普及を推進するために、交流が人体に対して非常に悪い影響があると広報する一環で人体に電流を流して人間か感電させて死刑を執行する方法を提案し実際におこなわれています。死刑を執行するためにはどれくらいの電圧・電流が必要か分からないため試行錯誤が行われたはずです。人体に流れて感電する電流と時間の影響を規格IEC 60479-1において図で「商用周波数の交流に対する人体反応曲線」として説明しています。(参照:日本電気技術者協会:「感電と人体」https://jeea.or.jp/course/contents/10102/)
人体に流れる電流が0.5 mA以下ではどれだけ長く流れても人間には感じないし影響も出ません。電流が大きくなると共に時間が長くなるに従い影響が大きくなり、100 mAでは8秒で心室細動が50%の確率で発生するという非常に細かく規定された図になっています。これはある程度は人間の神経の長さと太さを仮定すれば計算できますが、この図のようにデータが無ければ確率では出せません。
このデータは交流電圧で死刑を執行した際の非常に多くのデータが残されており、これをまとめたのではないかと推察します。放射線の人体に対する影響も広島、長崎でのデータが使用されています。
人間の抵抗は、手のひらと足の裏は乾いた状態でそれぞれ1 kΩ、人体の手先から足までの抵抗は500~700 Ωと言われています。人体の抵抗を500Ωとすると合計2500 Ωです。
この状態で100 Vを素手、はだしの状態で触ると100 (V)÷2500 (Ω)=0.04 Aが体に流れます。この状態で0.5秒続くと器質性の損傷はないが、電流が2秒以上維持すると、「痙攣性の筋収縮や呼吸困難の可能性があり、心房細動無しの一時的な心停止や心房細動を含んだ回復可能な心臓障害を生じる恐れがでてくる」と記載があります。
しかし、もし手足が水で濡れた状態で100Vを素手、はだしの状態で触ると皮膚の抵抗が無くなるため100 (V)÷500 (Ω)=0.2Aが体に流れ1秒以上続くと心停止、呼吸停止、重度のやけどといった病生理学上の死亡に至る危険な状態になります。
高電圧の講義で、「死に(42)ボルト」と言いますが42 Vでも手足が濡れていれば人体に流れる電流は0.084 Aになるので運が悪ければ人は死亡します。