67.標準雷インパルス電圧試験で最も効果的な検証


 標準雷インパルス電圧の試験で最も効果的なのは、SF6ガスで絶縁しているガス絶縁開閉装置(GIS)です。正常なGISでは試験電圧では絶縁破壊することはありませんが、針状の金属製の異物があると絶縁破壊することがあります。

 タンクの表面に針状の金属製の異物が存在する状態で、高電圧導体に雷のような高い電圧が加わると、針状の金属異物には高電圧導体に加わった電圧と反対極性の電圧が誘起されます。針状の金属異物の先端には高電界が発生して高電圧導体側に引き寄せられる力が加わります。この力が強く、針状の金属異物に働く重力より大きい場合には針状の金属異物が空間を飛びあがります。

 針状の金属異物が高電圧導体に接触すると絶縁破壊を生じます。このため針状金属異物で最も比重が軽いアルミニウムが最も影響を及ぼしやすいことになります。

 この針状の金属異物が存在する場合で最も破壊電圧が低いのは立ち上がり時間が1.0~1.5µsの場合であり、これよりも立ち上がり時間が短くても長くても絶縁破壊電圧が高くなります。このため、これらの機器の絶縁の検証をする際に針状の金属異物の検証をするには最も感度が良いことになります。

 標準雷インパルス電圧の波形が決まる時にはGISの絶縁破壊に金属異物が大きく影響していることはまだはっきり分かっていないはずです。偶然にしては驚きです。

2026年06月15日