23.岩古谷山・鞍掛山2( いわこややま・くらかけやま)(2015.05.09)   参考サイトはこちら他多数

 

東海自然歩道・愛知コース歩きの6回目になります。テント泊4回目です。

 

1.計画

日の長いハイキング適期を迎えましたが、日程が取れず春休みからGWまでテント泊は出来ませんでした。GW以降となると土日の2日しか使えません。金曜日に子供の稽古事を入れているので、土曜の朝早く出発して日曜日の夜遅くにしか帰れないとしたら、子供が宿題をやる時間も無くなってしまいます。アクセスが特に悪く時間がかかることが予想される、香嵐渓→寧比曽岳→田口のコースはとりあえず後回しにして、田口→岩古谷山→鞍掛山→宇連山→三河槇原のコースを先に歩くことにしました。参考サイトの「鉄人さん」が1日で踏破したコースを、同じ5月に1泊2日でなぞるという、当初コンセプトそのままのプランになります。まだ五十肩に不安がありますが、東海自然歩道の三大難所に数えられるコース上にハシゴはあっても鎖場はないらしいことを確かめたうえでの決定です。

実は、このコースの主要部分は、4月12日に催された「パワートレイル奥三河」というトレールランニング大会コースに含まれます。この大会は茶臼山から湯谷温泉駅まで63kmを12時間以内に走れ、というもので、そのごく一部である棚山→鳳来寺山の縦走部分だけ思い出しても、私には完走できる人が居ることすら信じられないような代物です。昨年末にこの大会の存在を知った時には、4月11日12日で田口→岩古谷山→鞍掛山→宇連山→三河槇原を歩けば、途中で先頭ランナーに追いつかれたりして面白いかも、とか思っていたのですが、この日程には合わせられず、その1か月後となりました。

周回コースではありませんが、全部公共交通機関を使うと時間がかかりすぎるので、自家用車も併用します。前回この地域に来た際には出発地の愛知県民の森に車を置いていて、結果的に最後に車まで辿り着くのに少々苦労しました。今回は最終目的地になる愛知県民の森あるいは三河槇原駅に車を置くことにしました。但し高速の渋滞などにより、三河槇原駅から出発地の田口まで移動するための電車に間に合わない可能性もありますから、そういう場合のリカバリ案まで色々考えて時刻表をメモするなど準備しました。

水場は、池葉守護神社の下と、四谷千枚田の上にあります。四谷千枚田には2年前に行っていて、ダムが干上がりかけるような渇水期でも当てにしてよさそうな絶対的水場であることが分かっています。池葉守護神社の方も、ネット上で見る限り涸れていたという記載は見つかりませんでしたし、奥三河地方では5月4日にまとまった雨が降っているので、心配なさそうです。

このことも踏まえて、鞍掛山山頂と四谷千枚田のどちらで幕営するか、考えました。鞍掛山山頂なら、東屋でも張れそうですし、その周りにも平らな地面があったような記憶があります。他の人への気兼ねはまず必要ありませんが、その代わり動物さんの訪問を受ける可能性もあります。四谷千枚田の上だと、駐車場など平らなところはありますが、全部舗装されていてペグは多分効きません。駐車場から100mばかり下りたところに平らな地面がありますが、この季節にテントが張れる状態かどうかまでは分かりません。動物さんは来ないだろうと思いますが、人の住んでいる地域になるので、地元の方々への気兼ねは感じます。その代わりに、水は汲めるし、きれいな水洗トイレまであります。結局、池葉守護神社で最低でも夕飯をまかなえるだけの水は汲んでおき、どこにテントを張るかはその場で決める、ということにしました。

 

2.長いアプローチ

三遠南信自動車道を使うのは4回目になります。過去の所要時間の実績を振り返って、8時56分三河槇原駅発の飯田線に間に合わせるのに、7:15自宅発を希望していました。私は犬の散歩と自動給餌器のセット、家内は最初の弁当の準備、と手分けして、実際には7:20に発車できました。東名の岡崎IC付近は渋滞発生前に抜けることができ、周りの車の流れから逸脱しない範囲で頑張って走って、三河槇原駅には8:37に到着しました。電車の出る時刻の30分前に着けたのなら、愛知県民の森に車を停めるつもりでした。20分前でもまず大丈夫だっただろうとは思うのですが、靴の履き替え等で歩き出しまで結構時間がかかるし、何よりこの電車を逃すと後の予定が目茶目茶になってしまうのですから、安全を見て三河槇原駅前に車を停めました(下左)。この駅にも以前来たことがあり、広い駅前の隅の方に停めれば誰の迷惑にもならないはずとは分かっていたのですが、念のため予め用意していた「10日夕方まで車を停めさせてください」と書いた紙をダッシュボードの上に乗せておきました。

飯田線のワンマン快速で3駅先の本長篠駅に着きました(上右)。電車は普段見慣れているJR東海の313系ですが、ワンマン運転用の運賃箱が運転台後ろに付いていました。

本長篠駅から国道の方に少し歩いたところにバスターミナルがあります。色々な路線が集まっている中で豊鉄バスの乗り場だけ簡易の屋根が付いているのですが、その屋根の下にツバメが巣を作っていました。

この勢いだと、やってきたバスとか写しそうなものですが、どうもバスが見えた瞬間に違うスイッチが入ってしまい、その気にはならなかったようです。バスが動き出すと子供は二人ともさっさと寝ていました。このバスは入ってきた時点で乗客ゼロ、本長篠からは私達一家の他は登山姿の年配女性を乗せて9:32に発車しましたが、この女性は鳳来寺バス停で下車しました。そのまま貸切状態か、と思ったら、田口の少し手前から男性が一人乗ってきました。平日9往復/休日6往復だけのバスですが、これ以上減らされないよう願うしかありません。田口は設楽町の町役場がある中心的集落ですが、ここから鉄道駅に直接出られるのはこの路線しかありませんし、日曜日に運休にならないバス路線も今やこの路線しかないのです。

 

3.出発

田口バス停の向かいにある休憩所に寄って用を足して、車庫に納まった乗ってきたバスをデジカメに収めてから、10:20に出発です。
 

国道を300m程北に進んだところが、東海自然歩道との接点になります。下左は寧比曽岳から来る道、下右は福田寺(ふくでんじ)への参道でその先の岩古谷山方面に向かう道になります。子供達は特に感慨もなく、さっさと階段を登り始めました。
 

階段を上がった先が福田寺です。武田信玄の墓と伝えられる墓があることは承知していましたが、そういう余分な関心は一切持たずに先の道を探します。階段を上がった左に東海自然歩道の案内看板があったのでそちらに進み、多分そのまた奥に進むべき なのだろう、と当たりをつけて進んでみると道標が見つかったので、そのまま進みました。ここで10:30です。
 

この田口から和市登山口までの道は、地図からは、岩古谷山→鞍掛山の「三大難所」の手前の前座、としか見えない、のですが、その割にはアップダウンがあって意外なダメージを受けかねない、というのは参考サイト他から 承知していました。で、しっかり疲れました。

福田寺からすぐ、丸太で階段状に整備した山道に入りますが、その後しばらく上りと下り、舗装道路と山道、がそれぞれ交錯していたように思います。棚山高原を歩いた時と同様に、こちらの頁から池葉守護神社までの区間分をプリントアウトして、地図と一緒に持参しましたが、今回も完璧なナビゲーションで助かりました。

11:03に差し掛かった小さいな橋が通行止めで驚きました。鉄製の橋ですが、床板が左側で完全に錆びて穴が開いています(下左)。右側なら通れるかも、と一番重い私がそうっと渡ってみると、右側にも小さな穴がありましたが、とにかく渡れたので、一人ずつそうっと渡りました。
 

この橋を超えて、国道に近づいていき、もうすぐ「小松口」なのかな、と思っていた11:13に、また前途が通行止めになっているように見えます。よく見ると、ロープとフェンスの間に隙間があって、その隙間から梯子で下りられるようになっていました。高架橋の橋脚工事の余波で、元の道より大分高低差が増えていたようです。
 

本来の川底みたいなところまで下りてから対岸に上がって、しばらくは山道が続き、竹の子を眺めたりしてから、11:20に小松口の看板です。愛知県のマップのコースタイムでは「田口」(ほぼ自然歩道と国道との接点)から45分の地点になります。我々はこの区間を56分で歩いたことになります。私の体感ではそんなに遅いつもりはなかったので、内心少々あせりましたが、この時点ではまだ黙っていました。

国道から離れるところでも道路工事をしていて、道がよくわからなくなっていたのですが、その場に居た警備員の方に東海自然歩道の方角を教えてもらいました。ここから茶畑の道をかなりの傾斜で登っていきます(下左)。その途中の小さな原っぱに着いた11時半頃、家内が「ここで休むったら休む!」と言うので、おにぎりと唐揚げ中心の手作り弁当をいただきました。11:50には出発です(下右)。
 

さらに登り続け、少し大きな通りを横切るところに「現在地:大通寺」とした東海自然歩道の看板があり、そこから上は山道です。11:54に通過したこの地点から、1ヶ月前に行われた「パワートレイル奥三河」のコースが合流します。鹿島山の中腹を回る林道まで登ったのが12:24、ここでようやく傾斜が緩やかになります。アスファルト舗装の林道からはすぐ分かれて、簡易舗装の道で池葉守護神社まで緩やかに上ります。看板のあったところの一段上に神社があったのは見えたのですが、無視して水場のある休憩所に直行しました。
 
水場の水は豊富で、冷たくて美味でした。ただし、樋(とい)の先がささくれていて、水が何筋にも分かれて落ちてくるので、水筒に入れようとすると、水筒の外側がびしょ濡れになるのは避けられませんでした。ここで子供達は携帯ボトル600mlを一杯にし直しました。リュックの中には500mlペットボトルのお茶が別途入っています。家内も同じ携帯ボトルを一杯にした上で、450mlの折りたたみ容器2つを一杯にしました。リュックの中には500mlペットボトルの水が別途入っています。私は1.5Lの折りたたみ容器に精一杯詰めました。家で2Lぎりぎりまで詰めたハイドレーションシステムの方には追加していません。この休憩所に 12:44から12:56まで居たようです。

休憩所を出てからも、勿体無いことに、どんどん下っていきます。下って下って、和市です。麓に下りてきて、右折すればすぐ国道ですが、道標は左折(下左)、それに従って和市の登山者駐車場の奥の方に回り・・・どうもここで、お弁当を広げていたご家族に目が行っている間に道標を見落としたようで、そのまま駐車場を通って大回りで国道まで出ました。出たところに自然歩道看板(下右)もあったので、その時点では疑問を感 じていませんでした。時刻は既に13:22、ここまでが前座でここから本番?という感じで、暫くへたり込んでしまいました。
 

ここから上がろうとすると「東海自然歩道40m」の看板があり、???と思っているうちに、多分駐車場の奥あたりから上がってきた道と合流して、東海自然歩道に復帰です。ここから堤石峠に向かって徐々に標高を上げていくのですが、ここで遅れていた家内が「歩こうとすると足がつる!」と言ってきました。一大事です。家内の荷物から、折り畳み水筒2つはそれぞれ子供に、500mlペットボトルの水は私に移しました。最初は「足がつるだけで荷物が重いとは思わない」と言っていた家内も、「軽くしてもらってから歩き始めて、重さが足に響いていたのが分かった」そうです。

13:57に「十三曲り」の看板が出てきました(下左)。曲がり角ごとに幾つ目かを表記した柱が立っていたので、本当に13回曲がるか数えようとしていたのに拍子抜け、勿論ちゃんと13回曲がりました。
 
堤石峠に14:15到着(上右)、道標を見て「岩古谷山まであと30分だよ!」と喜んでいる子供達に「鞍掛山までは岩古谷山からコースタイムで3時間半だよ」と告げたら、子供達と家内にちょっとした衝撃が走ったようでした。

休憩もそこそこに堤石峠を出発してまもなく、岩壁が見えてきました(下左)。ネットの映像で見慣れていたはずですが、実物はやはり凄い迫力です。このあたりから霧雨模様でした。まず鞍部に急階段で下りていくのですが、その一番下が崩れかかっていたので、長男が「ママを助けなきゃ」と、介助しようとしていました(下右)。
 

鞍部からは、上りの階段?ハシゴ?(下左)、手すり付きの木階段(下中)、両側にロープを張った岩稜(下右)、と見た目は怖いですが実際歩いてみると整備がしっかりしていて安心して歩けます。何より歩幅を小さくしても歩けるのが楽でした。

北東〜東〜南〜南西方向に開けたニセ頂上に14:50に到着(下手なパノラマ、クリックで拡大)。

左のトンガリが平山明神山(北東)、中央で霞んだフタコブが三ツ瀬明神山(南東)です。
宇連山(南)はその右で一番霞んだピークで、右端の鞍掛山(南西)まで稜線が続いています。
御殿岩(鞍掛山の左手前)まで至る東海自然歩道も、その手前に見えています。

標識がある頂上には14:52に到着。それにしても人に会いません。里では地元の方とか警備員の方とか見かけましたが、それ以外は和市登山口でお弁当を広げていたご家族のみ、ザックを背負った方となると、バスでお見かけした女性がこの日の最初で最後でした。和市登山口には車が5台停まっていましたが、大鈴山の方に行かれたのか、岩古谷山でも入れ違いになったのでしょうか。

さて、鞍掛山までの残りコースタイムは3:30、この通りに歩ければ日の長い季節ですから日没前には着けるはずです。但し、この日はここまでコースタイム通りには歩けていません。田口から岩古谷山までのコースタイム3:05ですから、田口を10時半に出たとして、昼食その他で1時間休憩したとしても、岩古谷山に14:30には着いていないといけないはずです・・・というちゃんとした計算は帰宅後のもので、その場ではもっと歩けていないような気になっていました。

とにかく、鞍掛山目指して行くしかありません。頂上出発直後の15時丁度に、頂上から下りる階段の裏側に昔使われていた急傾斜のハシゴが見えました(下左)。
 
頂上から暫くは下りが続いて、鞍掛山まで2:50の道標(上右)、この時15:19ですから、頂上から19分歩いてコースタイム40分の距離を歩いたことになっているようです。この時点で「ちゃんと歩ければ18:10鞍掛山」というのが目標になりましたが、ここからが凄かった。

とにかく「自然歩道」のイメージからは、かけ離れた険路です。1ヶ月前にトレランさんが何百人も走った気配など何も残っていない、人気(ひとけ)のない尾根道です。ここに来るまでの間でも「ここトレランさんが走ったの?」「そうだよ」という会話を繰り返していたのですが、いよいよ「ここを本当に走ったの?」という感じになってきました。2万5千分の1の地図を見ても、地図読みの初心者は等高線の間を滑らかに結んだような地形をどうしても想像してしまうのですが、この稜線はそういう想像の何倍もの凹凸がありました。鞍部で10mかそこら前進したら、もうよじ登るような急斜面、ヒーヒー言ってピークまで登ったら即急降下、を延々と繰り返していたような気がします。岩古谷山は小さな歩幅で歩けるので比較的楽だったのですが、この稜線は急傾斜である上に脚を大きく上げないと登れないのです。疲れてきて脚が上がらなくなると、一歩進んで一歩戻る、が頻発するようになってしまいました。

15:32に休憩したベンチでは、ムカデの交尾が見えました。15:40には崩壊した木の階段、「ここもトレランさん走ったの?」
 

15:41に、鞍掛山まで2:30の道標、22分かけて残り時間を20分減らした、ということは少し負けてますが、まずまずです。15:47に高圧鉄塔横のベンチで休憩、16:07に荒尾集落分岐の道標、鞍掛山まで2:00、ということは今度は少し勝ち越しです。

しかし、精神的にはここから先が一番厳しかった・・・自然歩道の標識は絶えず出てくるのですが、鞍掛山までの距離と時間を表示した道標が出てこないのです。実際に現れるピークの数が地図で読み取れるピークの数とは桁違いなので、地図を見ても現在地点の見当がつきません。行く手には、再び岩稜が現れたり(16:14、下左)、再び三ツ瀬明神山が大きく見えるまで高度を上げてきたり(16:22、下右)、してから、「ベンチ番号 No.7 設楽町」の表記のあったピークのベンチでへたり込んだのですが、このピークもどれだかよく分かりません。この場所で16:28から16:40まで、12分間も休んでしまいました。
 

再び歩き始めて、16:53には樹間からミニ岩古谷山みたいな岩壁が見えてきました。「御殿岩」です。標高822mで岩古谷山より高いものの、鞍部との高度差では負けているので「ミニ」なのですが、それでも十分巨大なこの岩壁の、殆ど一番上まで登らねばなりません。17:03に看板地点に到着、本当のピークは更に上ですが、寄り道する気力は、当然ながら、ありませんでした。
 

さらに進んで、別の大きなピークを登らずに左側から巻いたな、と思ったら、巻いたピークが「障子岩」だったようで、着いた先が「びわくぼ峠」でした。ここでようやく、鞍掛山まで0:40の表示を見ることができました。時刻は17:40、また少し負けてしまいましたが、全然許容範囲内です。ここまで来て、ようやくアップダウンの繰り返しは終わり、後は登るだけでよくなりました。

そして、18:10=2時間50分前に立てた目標通りの時刻=に鞍掛山山頂に到着です。前来た時には山名標の上に乗っかっていた熊さんが今回はテーブルの上でした。

岩古谷山からは3:10、この区間トータルでは愛知県コースタイムに勝ってしまいました・・・本当にヨレヨレで歩いていたつもりだったのですが。。。こちらのサイトでは同じ区間で3:05、このサイトのコースタイムには毎回負けていたところ、今回はテント泊装備でほぼ同着ということは、私達としては大健闘だったようです。このサイトは帰ってから見たのですが、予め見ておいてチェックポイントを手持ちの地図に転記しておけば、精神的に楽だったかも、とは後知恵です。

ちなみに、参考サイトの「鉄人さん」は同じ区間を1:38、小松(大通寺の看板)から四谷千枚田を4:07で踏破されています(我が家は翌日分と合わせ7:16)。既に想像を絶する速さなのですが、「パワートレイル奥三河」での小松(大通寺看板の位置かどうかまでは分かりません)−四谷千枚田の最速ラップが1:44。。。何と申しましょうか。。。

 

4.幕営

さて、岩古谷山を出発した時点で既に「四谷千枚田での幕営」はほぼ問題外だったのですが、改めて鞍掛山での幕営に決定しました。地面に張るなら自然歩道の真ん中が一番平らですが、それより東屋の板の上が更に平らです。半年前に見た継鹿尾山の東屋と比べると傷みが目立ちますが、同じく半年前に見た宇連山の東屋と比べると数段マシです。この上に立てることにしました。

家内が夕飯の支度をしているのと反対の隅で男3人で設営です。ポール伸ばしとポール通しは子供に一本ずつやらせましたが、最後に穴に挿すところは私がやりました。屋根はあるので、フライシートは省いてもいいのかな、とも思ったのですが、家内が「動物につつかれたりしたら裸の本体だとすぐ破けそうな気がする」というのでフライシートも被せました(下右、翌朝撮影)。
 

前の日に見ていた予想天気図で、風は吹かない、と勝手に思い込んでいたので、風対策は最小限でいいことにして、張綱は全く引っ張らず、念のため2本だけ東屋の柱にゆるゆるに結ぶだけとしました。結露は嫌なので、フライの辺の真ん中はそれぞれ引っ張りたいぞ、と見てみると、板張りに程よい隙間があちこちに開いているので、ペグを差し込むことができました。前室部は、コードを巻きつけたペグを板張りに開いた縦長の穴に沈めてから横に向けることで強固に固定でき、十分な大きさの前室とすることができました。
 

歩くのを止めて日も傾くと、さすがに寒くなり、全員フリースを着込みました。この日はずっと曇りで一時霧雨、だったのですが、家内が夕飯の支度をしていた北西隅に夕日が射していました。食べ始める頃にはかなり暗くなりましたが、人数分のヘッドランプがあるので暗さに不自由することなく、アルファ米と具沢山の魚介類のシチューを美味しくいただきました。食べ終えたナベもカップもパンでぬぐって奇麗にしました。
 

食べ終わって、「コーヒーも飲みたいよね」というわけで、水の残りを確かめました。私のハイドレーションシステムにいくらか残っていれば、と思ったのですが、これがものの見事な空っぽ、最後の登りで丁度最後まで飲んだことに気が付いていなかった状態です。ペットボトルのお茶は2本とも手付かずでしたが、水となると、今コーヒーを作ると朝の軽食も作れなくなります。「でも今コーヒーが飲みたい!」と即決し、翌朝は荷造りが二度手間になろうとも四谷千枚田まで下りてから食べればいい、ということにして、親はブラックコーヒー、子供はカフェオレ、勿論インスタントですが幸せにいただきました。コーヒーの準備の間に子供に親のシュラフとマットも広げさせたのですが、マットはしっかり膨らんでましたし、マットの隅の穴にマット用とシュラフ用のスタッフバッグがちゃんと結び付けられていました。

19時半にはすっかり暗くなり、おまけにガスまで出てきました。何かの気の迷いで19時半まで歩いて四谷まで行こうとしたら、登山道から逸れて遭難する危険すらありました。20時過ぎには全員マットで横になり、日頃寝つきの悪い私も、フリースを着たままで下半身だけシュラフに入った状態で、20時半頃には寝付いていたようです。

24.宇連山2につづきます。。。。。

 

5月9日/10日の全歩行コース(クリックで拡大)
赤:東海自然歩道区間、緑:その他区間

・東海自然歩道区間の20.7kmを歩きました。

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