24.宇連山2( うれやま)(2015.05.10)   参考サイトはこちら他多数

 

岩古谷山・鞍掛山2の続きになります。

 

1.撤収まで

20時半頃に寝入って、その次に気が付いたのが0時半でした。あれだけ疲れていたのに、連続4時間しか寝られないとは、これも老化かな、とガックリしましたが、まだ4時間以上ゴロゴロできるのだ、と前向き思考することにしました。それよりも、外の風の音が凄いです。目が覚めた0時半頃でも、風速10m近いような音でしたが、ピークの2時頃だと10mは超えているように思われました。月明かりに照らされてテントに映る木々の影が揺れ動きます。家内と長男も途中で目を覚まして、風の音が怖い、と言うのですが、その割にはテントが揺れたりはしません。家内が一度外に出たのですが、「凄い風で木が揺れているのだけど、木に遮られてテント周りでは殆ど吹いていない」とのこと。眺望も夜空も全く期待できない木々に囲まれた鞍掛山ですが、風対策限りなくゼロで立てたテントがその木々に救われました。

それでもテントの中まで空気の動きが感じられます。私が、右端=一番北=に寝ていて、風は北風ですから、右半身だけ冷えてきました。左端の家内も左半身が冷えていたようです。テント泊4回目にして初めてシュラフに頭まで入りました。うつらうつらしているうち、3時過ぎにはもう一度寝たようです。

その次に目を覚ましたら、外が明るくなっていました。時刻は5時前。5時になるのを待ってから一人で活動開始しました。シュラフとマットをまず畳んだのですが、マットをどけると、テントの床が北風でふわりと持ち上がります。ザックをマットがあった場所に動かしました。昨夜ちゃんと片づけていなかった、コンロ・ナベ類は、四谷千枚田まで下りてから使うのですから、ザックにつめるべく収納しなおしました。夜通し風が吹いていたせいで、フライシートには全く結露がありません。フライシートの4辺中央だけひっぱっていたペグを先に回収し、でも中で寝ているのにフライシートを外すのはやり過ぎかな、と思っているうちに他の3人が起きだしました。「えーっ、まだ5時台だよ!」「パパのマットがもう片付いてる!」とか騒いでいましたが、そのうちに全員動き出して、6:13には荷造りも完了しました。

 

2.出発

私と次男はフリースを羽織っただけでしたが、家内と長男は雨具の上下を着込んでの出発です。北向き斜面の一番上の頂上では相変わらず強い北風でしたが、道なりに西向き斜面を南の方に下るにつれ、風は収まってきました。下り一方で、呼吸は楽なままでも、それなりに体は温まります。途中まで下りて、家内と長男も雨具は脱いでいました。

この道は、頂上近くの分岐から「かしあげ峠」までは一本道です。「かしあげ峠」も道標はしっかりしていますが、千枚田に近づいたところの道標が不明確です。前回下りた時も間違いかけたのを足元の小さな道標で確認して正しい道を選べた、という記憶があるのですが、今回はその足元の小さな道標も見当たりません。大きな道標で左に曲がるのは分かるのですが、左に下り気味の広い道の更に左に、上り気味に進む狭い道があるのです。広い道の方だと、千枚田の下から見て左側面に行ってしまいます。千枚田上部の水場に行く東海自然歩道は、軽く上る狭い道の方ですので、ご注意ください。

前回の記憶から、こちらで間違いないから付いて来なさい、とて前進すると、沢になっている水場が見えてきて、本当に間違いなかったことが確認できました。汲むのはミニ水力発電所でいいよね、というわけで、ここでは汲まずに進みました。見覚えある「民家の庭の下」を通ったら、7:13には千枚田が見えてきました。

ちょっとだけ近道して、東屋・ミニ水力発電所の方に直行しました。トイレの前で朝食も何だし、ミニ水力発電所の前だと千枚田が見えないので、一番西の東屋で荷ほどきして、朝食を作り始めました。ミニ水力発電所の水は水道蛇口全開以上にジャバジャバ流れていて、すぐ汲めますし、起きてから十分運動もしてきたので、大人はフリーズドライのカレー×2+アルファ米、子供はレトルトの牛丼+アルファ米、の、夕飯に迫る豪華版を朝食に回しました。

家内がレトルトをナベに入れて湯を沸かし始めたのですが、温まりかけたところで次男がものの見事にひっくり返しました。怪我はなく、時間とガスの無駄だけで済みましたが、もしひっくり返すのが鞍掛山の上だったら、水が足りる足りないの話になりますし、シチューをひっくり返されたら、食いっぱぐれてしまいます。影響の小さいところでひっくり返して、これで反省して以降注意するようになってくれれば、と思います。

湯を沸かし直して、朝食を美味しくいただきました。千枚田を眺めたりして少々のんびりし過ぎたようです。ここに1時間20分も居てしまいました。

気を取り直して、8:42に出発しました。最初は千枚田の横を歩くのですが、一箇所だけ樹林が切れて千枚田側の展望が広がるところがあります。以前車で通った時には見逃していました。

ここまで縮小するとよくわかりませんが、田植えが住んだばかりの面と、水が張ってあるだけの面とが見分けられました。

千枚田の横の道が終わると、県道で仏坂トンネルの手前まで緩やかに登ります。仏坂トンネルは通りませんが、その手前の四谷トンネルは通ります。どこかで、東海自然歩道がくぐるトンネルは2つだけ、という記載を見た記憶があるのですが、これを書いている際には見つけられませんでした。両端の作りは普通に見えますが、途中は素掘りした上に何か吹き付けしただけです。結構子供にはうけていました。

仏坂トンネルのすぐ手前から山道になります。その登り口では新城市の職員らしき人から、「調査しているんですが、何処から来られました?」と尋ねられました。急な山道で仏坂峠まで登ります。途中の昨年末に補修された箇所も見て分かりましたが画像はありません。派手に倒れている倒木(下左)をくぐってまもなく仏坂峠に到着しました(下右)。

四谷千枚田より仏坂峠の方が標高が大分高いのですが、愛知県のコースタイムはどちら向きに歩いても40分、これはあり得ません。私達は仏坂峠には9:36到着ですから、千枚田から54分かかりました。逆向きなら40分で行けそうに思います。

さて、仏坂峠から宇連山までのコースタイムは、愛知県のサイトでは3:00ですが、仏坂トンネル手前の「環境省・愛知県」の看板では4:30、ガイドブック類でもバラツキの大きい区間のようです。海老峠まではアップダウンが厳しいが、それを過ぎると穏やかになるらしい、という予備知識で、前日よりは気持ちにも余裕を持って9:46に歩き出しました。速い方のコースタイムで行ければ、宇連山山頂に13時前ですから、そこで昼に出来るだろう、という算段でした。

海老峠までのアップダウンは、やはり厳しいもので、「ここもトレランさんが走ったの?」と何度も聞かれましたが、それでも、岩古谷山−鞍掛山稜線に比べればまだマシだったように思います。途中の画像があまりなくて、海老峠には10:44に到着。仏坂峠まで1.4km1:20、宇連山山頂まで2.7km3:00、となっている道標を手書きで(宇連山山頂まで)1:30に修正してありました。

確かに、海老峠を過ぎると一段と穏やかになっていたような気がします。この海老峠−宇連山の区間で、仏坂トンネルから宇連山を目指された4人組と、別の単独の方、計5名に抜かれましたが、この5名の方が今回東海自然歩道上で出会った全ての登山者、ということになります。

海老峠以降で宇連山山頂までの距離・所用時間を記した道標は、以下のようになっていました。表中「予想到着時刻」とは、「通過時刻」に「その道標に記された所要時間」を加えたものです。

距離 所要時間 我々の通過時刻 予想到着時刻
1.9km 1:40 11:08 12:48
1.9km 2:20 11:25 13:45
0.9km 1:00 12:01 13:01
0.3km 0:10 12:17 12:27

実際には12:26に登頂しましたから、道標の所要時間は最後のもの以外は全然合いません。特に2番目のものは1番目から17分歩いているのに距離変わらず所用時間は40分増える、という不思議なことになっています。海老峠から1:42ですから、手書き修正案の1:30の方にかなり近くなっています。仏坂峠からは2:50ですので、愛知県のサイトのコースタイム3:00より速く歩けていて、愛知県・環境省の看板4:30とは大差になりました。

表の4番目の道標が、東海自然歩道からの離脱点、すなわち前回ここに来た時には東海自然歩道の歩き始めとなった地点です。子供達は覚えていなかったようで、道標の前に並ばされてキョトンとしていましたが、

これで田口から引地まで奥三河を縦走する34.2kmが繋がりました!
ここで東海自然歩道とも一ヶ月前のトレランさん達とも別れて、

その9分後に宇連山山頂到着です。

前回よりも天気は良く、堂々たる三ツ瀬明神山の、向こうの向こうのそのまた向こう位に富士山がうっすら肉眼では見えたのですが、そしてこの画像も拡大すると心眼では見えるのですが、普通には見えません。残念!

しっかりした食事は朝に回したので、パンとミネストローネの軽食になります。どこで作ろうか、と見渡してみると、半年前にもボロボロだった東屋は、ついに立ち入り禁止でロープが張られています。日の当たっていたベンチは傾いていてコンロを置けません。山名標識の後ろに平らなところを見つけて、食後のコーヒー/カフェオレまで、のんびり過ごしました。頂上には13:12までの46分間居たようです。前回ほどではないとしても、かなりな盛況でした。但し子供はウチの子たちだけでした。

宇連山からは、前回の登りと全く同じ道を取りました。北尾根分岐を13:43、滝尾根分岐を13:51に通過しました。その先を暫く行ったところで、連続下りで足の裏が痛くなってきたから休憩したい、と次男が言ったのですが、家内が、「亀石の滝」のトイレに早く着きたいからこのまま行く、と譲りません。「迷うようなところは無かったよね? それだったら私一人で行く」と、すっ飛んで行きました。

男3人は、防火水槽前で「ここで昼食を食べたの覚えてる?」とか、滝尾根展望台で「ここで食べた塩昆布が美味しかったよ」など、話しながら下りました。登りに使った時には「急登とまでは言わないまでも」という感想になった尾根も、下りで使うと部分的には急なところもあり、後ろ向きで下りたところもありました。「ママ、走っていったけど大丈夫かな」と、どんどん下りて、尾根から外れて暗い北向き斜面に入ってしばらく行ったところで「亀石の滝」の前で座っている家内が眼下に見えて、ほっとしました。

男3人の亀石の滝到着が14:44ですが、家内は15分以上前に着いたとのこと。「自分でもトレランさん並だと思った、怖いところもあったけど前向きのまま走った」というのですが、怪我せずに済んで良かったです。

水遊びしたそうな子供を無視して、すぐ歩き出しました。ここまで来ると散策に来たジジババの集団など、更に人が増えます。林道をひたすら進みました。「モリトピア」の建物の前に自販機があったはずだから、そこで何か買おう、と話していて、その建物が見えたあたりで、私のハイドレーションシステムの水が尽きました。二日続けて丸1日で丁度2Lを飲み切ったことになります。

飲み物の自販機をイメージしていたのですが、隣にセブンティーンアイスの自販機も並んでいました。全員そちらを選んで、ゆっくりいただきました。さらに10分先の三河槇原駅を目指して歩き出し、駅の手前で曲がるべき角を直進して大回りしましたが、大したことではありません。16:00少し前に到着、16:00丁度に発車できました。

子供が宿題をする時間を確保すべく、熟睡の3人を乗せて登山帰りの運転としては頑張って走りました。車高の高いシエンタは横風で結構飛びましたので、この時間帯でも風はかなり強かったようです。渋滞が発生しかけるギリギリで岡崎を抜け、17:20には帰宅できました。

初日の早い段階で家内の足がつったのには焦りましたが、即座に家内の荷物を減らす決断ができたのは良かったと思っています。「ママが大変だから頑張らなくちゃ」と子供も思ったようで、教育的見地からも素晴らしい経験をさせることができたように思います。
岩古谷山から先は、「自然歩道」の語感から隔絶した険路が続くので、全く一般ファミリー向きではありません。一方で、和市登山口から岩古谷山を登る部分は、眺望・高度感が素晴らしい割に、時間はかからないので、普通に元気な小学生なら楽しく登れると思います。すれ違いになる時には十分な注意が必要と思いますが、私達はここの登りで誰にも会わなかったのでした。
それにしても他の登山者に会いませんでした。東海自然歩道上では2日で5人のみ、子供となると和市登山口で食事中のご家族の子供の他は「モリトピア」の建物のすぐそばに来るまで見かけませんでした。岩古谷山−鞍掛山には日帰りの人なら下山しているような時刻に突っ込んだ、というのはありますが、丁度良い季節で奥三河でも人気ある山のはずなのに、どうしたのでしょうか。
板張りの上のテントは快適でした。地面に比べて、平らである上に木の温もりが感じられました。程よく傷んでいたからペグを使えた、という面はあります。その他、木々に風から守られていたのも助かりました。
特に2日目に道標の所要時間表示に注目しましたが、余り参考にならないことを再確認しました。それにしてもトレランさん恐るべし、です。
コースタイムが当てにならないのはともかくとして、アプローチの悪さも鑑み、香嵐渓→寧比曽岳→田口を1泊で歩くのは諦めることにしました。歩行時間は少し短くなりますが、香嵐渓→寧比曽岳→伊勢神、伊勢神→寧比曽岳→田口、をそれぞれ山中一泊にします。それぞれ、参考サイトの「鉄人さん」が1日で踏破したコースを1泊2日でなぞるという当初コンセプト通りのプランになります。そう割り切れば、秋でも歩けますが、晩秋の紅葉の季節には足助周辺の交通事情が目茶目茶になるので、出来る範囲で夏までに行きたいと考えています。
ガスは新品缶を持参しました。シチューの煮込みも含んで3回の食事でコンロを使い、コーヒーも2回飲み、湯を一度ひっくり返しもした結果、ガス消費は二日間合計でこれまで最大の106gでした。(新品缶:376g→270g)

5月9日/10日の全歩行コース(クリックで拡大)
赤:東海自然歩道区間、緑:その他区間

・東海自然歩道区間の20.7kmを歩きました。

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