27.伊勢神峠(いせがみとうげ)(2015.05.24)   参考サイトはこちら他多数

 

寧比曽岳の続きになります。

 

1.撤収まで

夜景をしっかり見てから・・・記憶薄弱なのですが、一度寝てから風が強いのに気がついたような気がします・・・寝入る前に風が強くなったのかな?・・・。鞍掛山山頂ほどの風ではなかったと思いますが、あちらより風通しのよい東屋なので、テントに当たる風としては却って強かったかもしれません。木が揺れる音に加えて、なんだかミシミシいいます。動物さんのお出ましかな、としばらく考えたのですが、どうやらフライシートにつないだ机がフライシートに引っ張られてガタガタしていた音だったようです。結構大きく、かつ、寝ようとする時には気になる音で、起きていた時間が長くなったような気がします。風の音に混じって雨の音もしているようでした。しかしフライシートに雨が当たる音はしません。

思い切り早く床に就いているので、色々な音を気にしていても睡眠不足にはならなかったように思います。明るくなって目を覚ましたら5時少し前、風は止んでました。明るいのもさることながら、ウグイスの「ホーホ、ホケキョ、ケキョケキョ」が、大概の枕元の目覚まし時計など相手にしないような大音量で響いていました。他の鳥の声も色々聞こえたのですが、とにかくウグイスが凄かった。テントに止まって鳴いていたのでしょうか。

今回も5時になるのを待って活動開始したのですが、前回と違って全員同時に起きだしたのは、ウグイスの声のせいだったのでしょう。外に出てみると、机はしっかりフライシートを引っ張っています。ガタガタ言っていてもズレることはなかったようです。雨の形跡は・・ないとも言い切れない、というところでしょうか。東屋の下ですから当然のことながら、少なくともフライシート外側に雨が当たった様子はありません。フライシート内側はほんのり結露していましたが、これまでで2番目にマシなレベルだったのは、風のお蔭でしょう。テントを畳んだ後、机と椅子は来た時に近い状態に固めて並べました。

朝食はロングライフのパンとフリーズドライのスープの軽食です。食後のコーヒーの前に水の残量を確認しました。家内の1.5Lリザーバーは完全に空、次男のも残りわずかです。長男は半分以上残していて、私のだけが2Lなのですが、これも半分以上残っています。次男と家内に私の分から回して、非常用ペットボトルは開封せず、食事用の水は全部コーヒー/ココアに回すことにしました。

荷造りの際に、次男が「ポールとペグを僕が持つ」と言ってきました。水がないので私も全然重くないのですが、ありがたく持ってもらうことにしました。

前回は朝食は食べずにテントを畳むだけで出発が6:13だったのですが、今回は朝食に加えて食後のコーヒーまでいただいて6:20には準備完了しましたから、中々優秀だったと思います。この時刻で出発できるなら、コースタイム+αで歩いても田口13:25発のバスに余裕で間に合うではないの、と頭をよぎりましたが、元々2日目をうんと楽にする約束をしていたこと、子供達がテント野宿を1回でも多く楽しみたいと思っているらしいこと、などを思い出して、雑念は封印することにしました。

 

 

2.出発

出発前にもう一度記念撮影(右、6:20)しましたが、この際に「電池残量がありません」と出ました。以降はカメラをポケットで温めながら節約して撮影したので、画像の数が少なくなっています。家内のスマホも同じ状況でした。

伊勢神峠へ向かう東海自然歩道・恵那コースは、最初から傾斜が急で、筈ヶ岳からの道のような「自然林のプロムナード」の趣はありません。左下の画像で6:34ですから、出発から10分余りで既に完全に植林帯に入っていたようです。右下画像で6:42、どんどん下ります。

7:02に看板が見えたので足元を見たら「亀の甲石」。寧比曽岳側からは、このヒビは余り良く見えません。大多賀峠側から記念撮影しました(下)。

それからまもなく、7:08に大多賀峠に着きました。左折して県道を少しだけ下りて、すぐ山道へ右折します。もう少し先の三叉路から伊勢神方面に向かう車道とほぼ並走する山道です。

広い山道なのですが、7:17に崩落地点(下)に出くわしました。愛知県はこのレベルの崩落でもばっちり補修していく、のでしょうか? それとも、通行止めにして車道を迂回路に設定するのでしょうか?

この先で、壮大な無駄公共事業の廃墟、「いこいの村愛知」の裏を通るのですが、東海自然歩道から外れずに歩く限りでは、柵が長く続くのが目に入るだけで、廃墟鑑賞にはなりませんでした。途中ぬかるんだ道を見て、やはり昨夜に少しは降ったのかな、と思ったりしながら歩いていましたが、帰宅後確認すると周囲のアメダスに降水記録はなく、降ったとしてもわずかだったのでしょう。

「いこいの村」が終わってからは、むしろ登りの方が少し多いくらいだったように思います。伊勢神宮遥拝所に着きましたが、伊勢方面は完全に霞んでいたので、撮影はパス。家内も私も関西出身なので、伊勢は東にあるものというイメージが強いのですが、ここからは西を向いて伊勢湾越しに拝む、というのに現地に着いてから気づきました。この伊勢神宮遥拝所から一段下りたところが、今回の東海自然歩道恵那コースからの離脱点でした。(下、7:51)

伊勢神峠は、このまま東海自然歩道恵那コースを50mほど進んだ地点になるようですが、恵那コースの愛知県内の残り区間はそのうち歩くかもしれないので、峠を見に行くのは省略しました。

伊勢神宮遥拝所からは細い舗装道路だったように記憶しています。車が上れる程度の傾斜のヘアピンカーブの連続を下りて行ったら、ひょっこり交差点に出ました。左右と正面、それぞれ片側一車線が確保されているしっかりした道です。道標看板らしきものもありますが、完全に色あせていて全く読めません。

  「あれ、どっちなんだろ」
  「地図持ってるんでしょ」
  「いや、実は落とした」

この期におよんで、地図を無くした顛末を初めて家族に白状しました。家内は「いつも地図見てるのに今回は見ないんだな〜とは思っていた」そうです。

さて、道の先を見てみると、左の道は伊勢神旧トンネルに繋がっているのが見えるので、これが伊勢神バス停方面ではないことは明らかです。懸命に地図を思い出して、ここで繋がるのは伊勢神バス停からの道と、もう一つ大多賀峠からの道であることを思い出しました。この2本なら、伊勢神バス停への道が右に見えるはずで、実際に右の道だけがはっきり下り基調なので間違いない、と判断しました。地図が無いことで多少とも焦ったのは2日間でここだけ、でした。

それはともかく、心霊スポットとされて有名になったという旧トンネルの入り口までは行ってみました(下、8:00)。トンネル工事で死者が出たという記録もなく(新トンネルの方は工事期間中に伊勢湾台風が襲来して、工事の方からも犠牲者が出たらしいです)、何も出るはずがない、らしいのですが、何か出そうな雰囲気でいうと、これ以上「雰囲気のある」場所はそうそうないでしょう。

ここからは、更に広くて更に緩い傾斜の道を下って行きました。伊勢神バス停=ドライブイン伊勢神には8:20、目標にしていた9:15のバスに大幅な余裕をもっての到着となりました。出発から丁度2時間、歩くのはこれで打ち止めです。

右の画像(8:28)は、それぞれ自販機の飲み物を持ち、階段に座って、まったりしていたところ、です。だんだん寒くなってきて、この後で全員日なたに移動しました。ここまで「テント泊の2日目モード」で体は思い切り動いていたのですが、緊張が緩むにつれ、どんどん疲れが表に出てきました。

バスが来るまで時間があるので、子供たちは次にどんな車が来るか、の当てっこをやっていました。ほぼ定刻にやってきた足助病院行きのバスは、中央通路に補助椅子の設備もある普通のマイクロバスで、伊勢神バス停から足助バスターミナルまで完全に貸切状態でした。少なからぬ乗車時間で、1日+αの歩行距離を実感できました。


確実に座れることを優先して、手前の足助バスターミナルで乗り換えましたが、猿投方面行きのバスも、足助病院バス停を出発する際でも他の乗客はお一人のみでした。猿投駅まで乗客全員が座れていたように思います。

猿投駅に知立行きの電車が入線してきた(右)のが10:23でした。

11:40頃に帰宅できましたが、その頃には、子供はともかく、私はヨレヨレでした。普段なら翌日に干すテント・シュラフを当日中に物干しに掛けて、軽い昼食の後、すぐに昼寝に移行しました。

 

親が老化する以上の速さで子供が成長していて、頼もしい限りです。食事用の水1.5Lの途中追加が親二人にとっての鬼門なのですが、これを担いでくれたので大いに助かりました。体力面もさることながら、テント泊を通じて精神面でも大いに成長しているような気がします(←親バカ、なのでしょうけれど)。
寧比曽岳は、香嵐渓からだと余りにも遠く、全く一般ファミリー向きではありません。普通は大多賀峠から、せいぜい伊勢神峠か金蔵連峠から登る山なのでしょう。大多賀峠からだと、植林帯をせっせと登ってすぐ頂上に着いてしまい、頂上からの風景以外には趣に乏しいので、時間と体力の許す範囲で、筈ヶ岳方向の「自然林のプロムナード」を散策されることをお勧めします。
今回も他の登山者に会いませんでした。ナイトハイクの方々の声は聞こえましたが、歩いている登山者姿を見たのは金蔵連峠から上がったところですれ違ったお二人が最初で最後でした。普通に寧比曽岳に登る人とは時間帯がずれていたとは思います。
この次は、伊勢神→寧比曽岳→田口、を歩くつもりですが、恵那コースも今回少し歩いてしまった行きがかり上、愛知県内の恵那コースの残り区間もそのうちに歩くと思います。テント泊をする限り、東海自然歩道歩きは子供達にも歓迎されているようなのです。
4月26日から、30日間で山行5回、うち2回はテント泊だから、30日中7日は山の中、という「小学生2人がいる4人家族としては怒涛の山行ペース」の最終回でした。最後のヨレヨレは一か月間に溜まった疲れが出たのかもしれません。
東海自然歩道でも特に迷いどころの少ないコースだから助かったものの、地図を落としていてはいけません。国土地理院の2万5千分の1相当のをA4サイズに出力したものを必要枚数ビニール袋に入れて、それを丸めてザックのサイドに突っ込んでいたのですが、次からは紐をつけるなり落下対策をします。
プラスチック臭の水はともかく、ハイドレーションシステムそのものには子供達は大喜びでした。新しく導入される際には、使う前にリザーバーに水を詰めて暫く置いておくのを強くお勧めします。帰宅後に、水を一杯に入れて一日放置、を2回繰り返しましたが、新品組からは2回目の水からも微かにプラスチック臭がしました。前から使っていた私のからは、臭いが抜け切ったようです。
ガス消費は46gでした(253g→207g : 新品缶376g)。猿投山4で最初の缶を使い切って2缶目から17g使い、今回はその2缶目を使ったのですが、この次にテント泊するには微妙な残量になってきました。

 

5月23日/24日の全歩行コース(クリックで拡大)
赤:東海自然歩道(本コース)区間、紫:東海自然歩道(恵那コース)区間、緑:その他区間

・東海自然歩道区間の「本コース」20.3km、「恵那コース」4.8kmを歩きました。

 

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