28.寧比曽岳2(ねびそだけ)(2015.06.13)   参考サイトはこちら他多数

 

東海自然歩道・愛知コース歩きの8回目になります。テント泊6回目です。

 

 

1.計画

前回で、香嵐渓→寧比曽岳→伊勢神バス停を歩いたので、伊勢神バス停→寧比曽岳→田口を歩けば、犬山市のライン大橋から、新城市の三河大野駅近くの引地まで、つながることになります。今回も参考サイトの「鉄人さん」が1日で踏破したコースそのままになります。

このコースでは自家用車の併用がいよいよ不可能になります。平日なら田口から稲武を経由して伊勢神に戻るバス便が使えないこともないですが、日曜日には田口・稲武間のバスが運休になります。従って、豊田側から伊勢神に入り、田口から本長篠に出て飯田線で豊橋に出てから帰るしかありません。

段戸裏谷にテントを張れば、2日間に割と均等な配分にもなり、田口13:25発のバスにも無理なく乗れそう、と最初は考えていました。しかし、前回のようにウグイスの鳴き声で5時前に叩き起こされでもしたら、田口13:25発では時間が余ってしまいそうです。2日目の朝に頑張って早立ちして田口11:09のバスを捕まえられれば、本長篠駅から特急「伊那路2号」に乗れて、大分早く家に帰れます。家内も早く帰れるのは有難い、というので、ここは現地で柔軟に考えることにしました。

水場は富士見峠から下りてしばらく行った木橋の下にある、というのは複数のネット情報で確認しました。梅雨入り後で雨は多いので、涸れている心配はなさそうですし、いざとなれば段戸裏谷の宿泊施設「きららの里」の自販機もつかえそうです。

子供二人が「荷物を持つ」と張り切っているので、ポール+ペグ600g強と、グラウンドシート+予備ガス缶800g強を二人に持ってもらうことにしました。ジャンケンに勝った次男が重い方を持つことになったようです。

 

 

2.今回も長いアプローチ

初日は、起床・朝食から犬の散歩まで、普段どおりに過ごして、犬の自動給餌器をセットしてから8時過ぎに出発しました。前回は名鉄の猿投駅からバスに乗車して座れなかったので、刈谷駅・知立駅に加えて豊田市駅でも乗り換えて、名鉄の浄水駅に向かい、そこからバス停一つ分、と言っても目の前に見えていますが、の豊田厚生病院まで歩いて、始発バスの発車を待ちました。

9:25に豊田厚生病院から乗ったのは私達だけ、浄水バス停でもお一人だけ、なので、結果的にはバス停一つ歩く必要はありませんでした。9:43に猿投駅に来ると、高校生が一山待っています。これは浄水駅まで回った甲斐があったというものだな、と思っていたのですが、その高校生の一団は次のバス停で、それもここで降りて良いのか自信無さげなまま、降りてしまいました。うーん、待っている間にバス停一つ分は歩けたとオジサンは思うのだがね、諸君。

その先は満席になることなく、通算6度目の立ち寄りになる広瀬を経て、定刻通りに足助病院バス停に到着、ここが始発の稲武方面行きのバスは4分の接続でやってきました。次のバス停を示す表示板もついていない車両だったこともあり、乗車してすぐに運転手に「伊勢神までお願いします」と言っておいたのですが、他にお二人乗っていたにもかかわらず、運転手は次のバス停名を放送せず、伊勢神バス停の手前で「ご乗車ありがとうございます、まもなく伊勢神です」と言うまで無言でした。

伊勢神バス停には定刻の10:50に到着、目の前にある「ドライブイン伊勢神」は、国道に近い側のピンクの建物は閉鎖中ですが、上側の白い建物で営業中です。ここで早めの昼食として、親二人は五平餅セット、子供二人は丼物にそれぞれ満足し、さらに「自家製草餅」に家内が引き寄せられた結果、4個入りを夕食後のコーヒーの友にすべく購入して私のザックに詰め込みました。

 

 

3.二度目の寧比曽岳へ

食堂のおばさんに「寧比曽岳までゆっくり行って往復5時間だから頑張ってね」と送り出されたのが11:39、そこからは20日前に歩いたコースを反対向きにそのまま歩きました。朝の電車からは、ごく薄い薄曇りに見えていたのですが、登り始める頃にはかなり濃い薄曇りになってしまいました。

時間があると思っていますから、全くあせることなく、伊勢神旧トンネル手前の交差点を11:57、東海自然歩道恵那コースへの合流点を12:08(下左)に通過し、伊勢神宮遥拝所でゆっくり休憩して出発が12:19、大多賀峠に13:10です。途中、大多賀峠手前の崩落箇所とか「亀の甲石」とか写しましたが、20日前に反対向きに下った時と代わり映えしないので紹介するのは割愛して・・・崩落箇所は少し成長していたかもしれませんが・・・寧比曽岳山頂には14:37に到着しました(下右)。
 
9時間近く歩いて到着した前回と比べると子供達の顔にも感動がありませんが、20日前に下った道をそのまま、それも3時間足らずで登ってきて、それも当日のゴールではなく通過点に過ぎない、となれば、やむを得ないところでしょう。

頂上には他に3組いらっしゃいました。3週間前よりまともな時刻に登っただけのことはあります。そのうちの一組が、8歳6歳3歳の3兄弟のいるご家族だったのですが、その子供達もモンベルで固めていて、3歳児のTシャツと靴とが、型だけでなく色までウチの次男と全く同じものでした。3歳の子供にまでちゃんと靴を用意して、寧比曽岳まで歩かせるお母さんに、家内は「日本もまだ捨てたものではない」風にちょっと感動していました。その一方で、後から到着したご家族のお母さんには「5人兄弟じゃなかったんですか!」と驚かれていました。

3児のお母さんが子供達を連れて「すぐ追いつかれると思いますけどお先に」と大多賀峠に向かって下りて行かれたので、荷物の片付けで出発が遅れたお父さんの方に、「こちらはテントを担いで田口の方に下りるので追いつきませんのでよろしく」と、さりげなく自慢しておきました。

 

 

4.段戸湖畔へ

15:05までのんびりしてから東に向かって出発、ここからが初めて歩く道になります。幕営予定地の段戸湖畔までのコースタイムは2:00です。富士見峠に向かう稜線上で、長男が「明日の飯田線が楽しみ、特急伊那路が見えたらいいな」と言うので、「田口11:09のバスに間に合ったら伊那路2号に乗れるんだよ」と、ここで初めて子供達に教えたところ、二人とも「伊那路に乗りたい、明日は早起きする!」と大喜びになってしまいました。

大きなガマガエルを写してから(下左)、15:17に富士見峠です。「かつては遠く富士山まで眺めることが・・」と看板にありますが、その東の方角はうっそうとした茂みで隙間を探す気にもなりません。トイレがあるだけで何の見所も無い地点でした(下右、看板の向こうが富士山の方角・・・)。
 

富士見峠は頂上と殆ど同じ標高で、それから南に向きを変えて下っていくのですが、ここから両側の笹が猛然と被さってきました。下の画像はどちらも富士見峠から3分程下りたところのものです。「これでは探検隊みたいだね」などと言いながら下りていきました。

植物の生育の良い季節に、これ以上放置されたら道が埋もれてしまいそうです。東海自然歩道の整備状態では定評ある愛知県の面子にかけて、十分な道幅の確保をしてもらいたいところです。

出来山への稜線から東海自然歩道が左に逸れていくところのベンチで休憩していると、山頂に居たご夫妻が下りてきました。

「あれ、こちらから登られたのですか」
「いえ、伊勢神から登ったのですが、段戸裏谷でテント張って、明日は田口まで歩きます」
「うわーっ、それは楽しそうですね」

・・・と、また自慢しておきました。

このベンチを過ぎると、ほぼ等高線に沿った左下がり斜面のトラバースになります。次の関心事は水場なのですが、雨が多かったので、沢には水が流れています。 水場らしくなっていない沢の水は汲まないことにして、木橋の下にある、という水場を求めて、木橋が出てくる度に注目していました。

探していた水場は、「寧比曽岳まで0:45」の看板と「寧比曽岳まで1:00」の看板の間の、木橋が3つ続いている真ん中の下にありました。 コップが置いてあるのと、水が樋から出てくるのとで、探していれば目に入ると思います。冷たくて美味しい水でした。

4人のザックからハイドレーションのリザーバーを取り出して、持参の水を捨ててから一杯にまで入れて、さらに料理用の水を1.5L×2、ですから合計9.5L汲んだことになります。子供用のリザーバーをザックに詰め直すところは親が手を出してしまいました。

水場手前の「寧比曽岳まで0:45」の看板のあたりでは、コースタイムに対し若干の遅れだったはずなのに、右の画像が16:15=寧比曽岳出発から1:10後=ですから、水場にはかなり長居したようです。

左下がりだった斜面がいつの間にか右下がりになり、しかし相変わらずアップダウンの少ない樹間の道を進みました。どうせ日没まで十分余裕ある時刻に着くはずだから、と余裕の構えで、記録のために道標を写すこともしなかったのですが、そういう日に限って、道標が出てくる度にコースタイムからの遅れが拡大しました。

裏谷に直接つながる林道に出たのが17:15、コースタイムからの遅れは55分に達しました。遅れが拡大していること自体が気になってきて、それなりに真面目に歩いたつもりであるにもかかわらず、です。

そのまま林道を行けば近いのですが、五六橋を渡ったところの東海自然歩道の看板の緑矢印は山の中を差しています。最後に来ての登りは結構こたえました。周囲は段戸原生林、見る人によっては違う受け取り方にもなるのでしょうが、紅葉も黄葉もしていない緑の木々があるだけでは、我々には「ただの山道」でした。

再び林道に出て、すぐ東屋が見えてきました。時刻は17:55、寧比曽岳から2:50かかっています。寧比曽岳からのコースタイム2:00の「段戸裏谷」はもう少し先の地点でしたから、50分以上遅かったことになります。

 



5.設営

トイレ併設でコンクリート造りの東屋は、ネット上の複数の先輩方が幕営している場所でもあり、元々ここに張る予定にしていました。しかしそのトイレは故障で立入禁止、それなのに臭いはしています。家内は「床の仕上げが粗いので寝心地が心配だし、机が無いのも嫌」と言います。私にはそれ以上に、風向きによってはトイレの臭いが漂ってくるのが気になりました。それでは、と東屋の前の平らな地面に下りてみると、ジュクジュクしています。湿地帯が草原になりつつあるところ、なのでしょう。

ここもダメ、となると、そこから一段高いベンチ周辺なら机と椅子が使えますが、どうも地面の平面性がよくありません。ベンチの周りを色々見比べて、中高なのは承知の上で、ベンチから見て東屋に近い側に立てることにしました(右、18:10)。

湿地の横だからでしょう、小さい虫が無数に飛んでいて、設営中に次々と目の中に飛び込んでくるに至っては我慢できず、防虫スプレーを使用しました。効果てきめんでした。

久しぶりに土の上のテントなので、ペグ打ちも久しぶりになります。今回は本体を立ち上げるだけでなく、ペグ打ちまで子供が張り切りました。最後は私がチェックしましたが、一から一人で打つより大幅に時間短縮できたように思います。

それでも家内一人で手際よく用意したカレーの完成が更に早く、マットを膨らませるのは後回しになりました。

下の画像は食事中(19:03)です。左奥が東屋、その右側が湿地気味の草原です。テントは東海自然歩道のど真ん中に立てた形になっていたと思います。テントからベンチにかけての両側共が湿地ないし池でした。

食後にドライブイン伊勢神で買った「自家製草餅」と一緒に、コーヒー/ココアを幸せにいただきました。

テントに入ってマットを膨らませて試しに横になってみると・・・・・どちらを向いても多少とはいえ海老反りになります。寝る向きをそれぞれに検討して、私一人が頭と足を反対にすることにしました。フリースだけでも着て、と思ったのですが暑くて着られません。足元にシュラフを置いたまま手にフリースを持って、8時過ぎには横になりましたが・・・

前回前々回と比べて疲れ方が足りていない、蒸し暑い、中高の地面が気になる、いろいろな種類のカエルの声がうるさい、池に注ぐ水の音がジョボジョボいうのも気にし出すと気になる、で、日付が変わってもまだ寝付けません。但し、私以外の三人はそれなりに寝入っていました。

 

29.段戸湖につづきます。。。。。

 

6月13日/14日の全歩行コース(クリックで拡大)
赤:東海自然歩道(本コース)区間、紫:東海自然歩道(恵那コース)区間、緑:その他区間

・東海自然歩道区間の「本コース」20.6km、「恵那コース」4.8kmを歩きました。

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