愛知県碧南市 コミカルな表情を見せる棚尾「毘沙門」さん香炉下の「物の怪」

碧南で悟る 空即是色

はたらく物の怪

参拝者は誰も気づかない 香炉下の「物の怪」3名が一所懸命に働く姿

香炉を担ぐ物の怪

<毘沙門さんで働く物の怪 毘沙門さんに懲らしめられ 3名で香炉を支える まじめに働く者 ズルする者 とかくこの世もあの世も変わらない> 春と秋の大祭には多くの人で賑わう棚尾の毘沙門さん。訪れた参拝客は、御堂前にある香炉からでる煙を頭にかぶり、無病息災を願う。 その香炉の下で健気に働く物の怪達、計3名に目をとめる参拝客はいない。毘沙門さんに懲らしめられ、毘沙門さんの家来になった、この物の怪達。 3名で重たい香炉を持ち上げてるには、さぞ、重労働なんだろう。しかしどこの世にも要領の良い者がいるのである。 1名は両腕でしっかりと支えているのに、後の2名はひざ抱えたり、後ろ手に休んだりしている。 表情も耐えているといった顔には「ズルしてるもんね」といった顔。真面目に支える物は、後ろの2人に気づいていない。物の怪の世界でも、要領の良さは必要な事なのかも知れない。

ヘボト自画像ヘボトの「有相無相(うそうむそう)」

口を開け、目をむく老婆

「清浄院の山門には奪衣婆?」

大浜・清浄院の山門、表は波に乗った玉が到来といった造形があり、その姿は見事。その波乗り玉に目を奪われ、山門をくぐる。 参拝した帰り際、山門を再びくぐる事になるのだが、屋根の上におぞましい形相の老婆がいる事に気づく。 大きく口を開け、目をむいて何か叫んでいる。手には得体の知れない物を持ち、視線の先は庫裏の方角へ。 仏教上の登場人物でこのような姿を思い浮かべるのは、奪衣婆しかない。三途の川で亡者を身ぐるみ剥がず人。 山門を通って境内の外に出れば、冥土が待っているという事か。たしかに我々の住む現世こそが冥土とも言えるかも…。

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