中国故事街

  1. 中国故事街トップ
  2. 故事成語のお話一覧

助長(じょちょう)

意味:助け育てること。また、ある傾向をより著しくさせること。
成長を早めるつもりで、無理に力をくわえ、かえって害すること。

公孫丑(こうそんちゅう)が言った。

「浩然の気とはどのようなものでしょうか」

孟子が答えた。

「言葉で説明するのは難しい。それは気としては、この上なく大きく、この上なく強い。 あるがままに育てて損なわないようにしていけば、天地の間に充満するほどになる。 この気は、義と道に伴うものである。この二つがなければ、浩然の気はしぼんでしまう。 義を積み重ねることで生まれてくるのであり、たまたま正義を行ったからといって得られるものではない。 心に恥じるようなことをすれば、すぐに気はしぼんでしまう。
だから私が以前『告子(こくし)はまだ義を理解していない』 と言ったのは、彼は義を外にあるものと考えているからである。
浩然の気はいつも義と道とに添うものであるから、気だけを目的として養ってはいけないが、養うことを忘れてしまってもいけない。 また、むりに成長を助けようとしてもいけない。この宋人のようなことをしてはいけない。

宋の国に自分が植えた苗がなかなか成長しないのを心配して、苗を引っ張った人がいた。 くたくたに疲れて帰ると、家の者に向かって言った。

『今日は疲れたよ、苗を引っ張って早く育つように助けてやったんだ。』

その息子が驚いて畑へ走って行って見ると、もう苗はすっかり枯れてしまっていた。

世の中には、このようにして苗の成長を助けようとする者が少なくない。 浩然の気を養うなど無駄なことだとして、あきらめてしまうのは苗のための草取りをしないのと同じである。 また、むりに助け育てようとするのは、苗を引っ張るようなものだ。無益なばかりでなく、かえって害になる。

【孟子・公孫丑・上】


Copyright ©中国故事街