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本日のテーマ「アサリ」

春真っ盛り。ポカポカ陽気の訪れと共に、アサリの美味しい季節になってきた。定番のアサリご飯を初めとして、アサリの天ぷら、アサリの味噌汁など、どれも格別な味ばかり。

でも、このアサリ、実はもっと美味しい食べ方があるって知っていました?

そこで、その秘密を探るため、日本一のアサリの名産地に潜入

アサリの聖地で、潮干狩りの達人が美味しいアサリの見分け方を伝授。アサリを美味しく食べるには、下準備が大切。でもアサリの生態を知っていれば問題なし。美味しさの秘密も実はそこに隠されていたのだ。アサリをもっと知って、美味しく食べちゃおう!














春になり、各地で潮干狩りが解禁。週末家族連れで楽しむ方も多いのではないでしょうか?

そこで、今回は日本一の漁獲量を誇る、アサリの名産地、愛知県・三河湾、衣崎海岸を訪れた。栄養豊富で、アサリの生息に適した、全国でも有数の広い干潟があるので、アサリがたくさん獲れるのだ。

早速地元の人に、美味しいアサリ料理を紹介してもらった。
みりん・砂糖・醤油・生姜で煮込んだ、アサリの佃煮。日もちするので、潮干狩りなどでたくさん獲ったときに作っておくと便利。そして、地元料理ならではのアサリの天麩羅。外はサクサク、中はジュワーっとした天麩羅は、魅惑の味。さらに、風味豊か、アサリの旨味が凝縮された串焼きや、アサリご飯など、バラエティー豊かなアサリメニューが食膳を飾る。アサリって意外とたくさんの味が楽しめるのだ。まさにアサリは幸せの味。

美味しいアサリをたくさん獲りたい。早速、砂浜で潮干狩りにチャレンジ。そこでアサリのことなら何でもおまかせあれ、アサリ獲りの名人に教えていただいた。

「2,3ミリの穴が二つ並んでいるのを見つけ掘っていけば、アサリが獲れます」(名人)

アサリは砂の中で生活していて、二つの管を伸ばして呼吸をしているのだ。つまり、直径2,3ミリの穴が二つ並んでいるところがアサリのいる証拠。さあ、ここを掘ってみると、アサリ発見!

「今の時期だとアサリはあまり深くいないから、広く浅く掘っていけばいい」(名人)

以上のポイントをしっかり守ると、ご覧のように大漁が約束される。

次に地元の漁師たちでにぎわう朝市で、美味しいアサリの見分け方を教えてもらった。

*色で見分ける
白…砂地で育った
黒…泥地で育ち、泥臭い味がする

二つのアサリ、実は白いほうが美味しいのだ。白い方は、海がきれいでプランクトンの豊富な砂地で育った。黒いほうは、泥地で育ったのだ。

*模様で見分ける
鮮明…栄養の多い場所で育った
ぼんやり…栄養の少ない場所で育った
模様がしっかりとしたアサリのほうが美味しい。ぼんやりした模様のものは、栄養が少ない場所で育ったものなのだ。

*形で見分ける
平たい…栄養豊富な場所で殻より身の成長が早い
丸い…栄養の少ない場所でゆっくり殻だけが成長

平たいものは、中身にしっかり栄養がいっているので、美味しい。丸いものは、殻だけに栄養が集中して、中身は少なめ。

試しに平たいアサリを割ってみると、ご覧の通り。見た目にも一目瞭然。丸い殻のアサリは身が少ない。でも、平たいアサリの中身は、美味しいそうな身がたっぷり詰まっている。
これらのポイントをよく知って美味しいアサリを見分けよう。

美味しいアサリの見分け方のまとめ
POINT(1)黒よりも白いアサリが美味しい
POINT(2)模様がハッキリしている方が美味しい
POINT(3)平たい方が中身が詰まっている










アサリを美味しく食べるのに大切なのは、下準備。特に砂を取り除かないと、ジャリっと砂を噛んでしまう。そこで、

得テレ恒例街頭実験 砂抜きできるかな?(東京・戸越)
街行く人に、アサリの砂抜きにチャレンジしてもらった。皆さんちゃんとできるかな?
「分からないんだけど…砂抜きってどうやるの?」

まずこちら最初の女性は、まず、ボウルに水を入れた。そこにアサリを入れて、これで砂抜き完了?
「貝とかってよく水にとりあえず浸けておくイメージ」

真水だと貝が呼吸できなくなってしまう。砂は抜けない。
続いて、このお二方。揺らすと殻を閉じてしまって、砂は抜けない。
お次は、こちらの子供達。水をはったボウルに水を入れ、次に入れたものは、なんと、みりん。味付けでもしているつもりなのか?これではアサリは、砂なんて、吐かない。

最後に挑戦した女子高生。悩んだ末に、入れたのは、お塩。
「海の中と同じ状況になるかな〜と思って塩水にしました」

見事正解!塩水に浸けるのだ
アサリは、入水管と出水管という二つの管があり、入水管で、水中の酸素を吸って生きているのだ。が、そのとき同時に砂も体内に入ってしまうのだ。そして、海水から上げると、殻を閉じ、砂が中に入ったままになってしまう。そこで、海水と同じ濃度の塩水にアサリを浸けるとアサリは呼吸を始め、体内に残っている砂を、今度は出水管から外に出すのだ。

*下準備〜砂抜き〜
では、砂抜きのポイント
(1)海水と同じ濃さになるように塩を入れる
海水の濃度は約3パーセント(水1リットルにつき塩30g)
(2)ザルに乗せたアサリを塩水の中に入れる
吐き出した砂を再び吸い込むことを防止するため、ザルに乗せる。
塩水の量は頭がかぶるくらい。酸欠で少し苦しいくらいが砂をたくさん吐き出す。
(3)新聞紙をかぶせあさりの生息地の暗さに近づける
そして、6時間後、ちゃんと砂を吐き出したかな?
これで砂抜き完了。こういったポイントを守って、きちんと砂を吐かせてあげよう。












○パック詰めアサリをもっと美味しくする方法

市場などでは、塩水に浸かった捕れたてのアサリが売っている。やはり、捕れたてだけあって、美味しさも抜群。でも、普段私達がよく手にするのは、スーパーで売っているパック詰めのアサリ。味の方はというと、捕れたてに比べるとちょっと落ちる。しかし、実はパック詰めのアサリを捕れたてのアサリに近づける方法があるのだ。

まず、パック詰めのアサリと捕れたてのアサリ、一体何が違うのか成分を比べてみた。
すると、アサリが持つ色々な成分の中で、コハク酸の量に違いがでた(パック詰めは98mg、捕れたては63mg、100g中)。でも、コハク酸って一体何?

東京水産大学 白井隆明助教授
「アサリだけは特別にコハク酸という物質があるんです。アサリらしい旨味をだすのは、このコハク酸というもので、でき上がっています」

コハク酸とはアサリ独特の旨味成分のこと。しかし、このコハク酸、アサリの置かれているちょっとした状況で変化するのだ。アサリは海水では酸素を吸って生きているが、海からあがると、今度は体内のグリコーゲンを分解し、コハク酸という物質を作って生き続ける。時間がたつほどコハク酸がどんどん増えていくというわけ。だから、捕れたてのアサリはコハク酸が100g中63mgなのに対して、パック詰めは98mgと増えているのだ。コハク酸が増えていくと、アサリはどうなるのか?

「苦味が強い、アサリの味が特に強調された食品になってしまうので、美味しさが崩れてしまう」(白井教授)

コハク酸は増え過ぎると、苦くなってしまう。
でも実はとっておきの方法があったのだ。

*下準備〜コハク酸の量を減らす〜
(1)砂抜きの時よりたっぷり容器いっぱいの塩水に浸ける
(2)暗い場所に置き生息地に近い状況を作る

すると、アサリは呼吸を開始、コハク酸を分解する。塩水の量が多いほど、水中の酸素も多いから、呼吸もしやすく、コハク酸も減りやすいのだ。
こうして、1日塩水に浸したアサリのコハク酸量を測定してみると、75mg(100g中)、約20mgの減少。パック詰めのアサリが、捕れたてのアサリの美味しさに近づいた。







旬のアサリで絶品のアサリ料理が食べたい。今回、美味しいアサリ料理を作ってくださるのが、割烹「久田」(東京・南麻布)の久田雅隆さん。まずは、久田さんお薦めのアサリ料理をご紹介。

*あさりのビール蒸し

材料(4人分)
アサリ 1.5kg
わけぎ 1束
ビール 1/2カップ
みりん 大さじ1
醤油・ゴマ油 大さじ2

作り方

(1)フライパンにゴマ油を熱しアサリを炒め、ビールを加えて蒸す
(2)蒸しあがったら、醤油・みりん・わけぎを加える

ビールのおつまみとしてぴったりのこの一品。酒蒸しとは一味違った味が楽しめる。










*あさりの時雨煮ご飯

材料(4人分)
むき身 200g
生姜  30g
米 3合
ダシ・酒 1/2カップ
砂糖 大さじ4

作り方
(1)むき身をダシ・酒・生姜で煮詰める。
(2)砂糖・みりん・醤油で味付けした後、炊き上がったご飯に煮汁ごと混ぜる











*あさりの味噌汁

アサリといえば、やっぱりこれが一番。アサリの味噌汁。
「普段、皆様がいただいているアサリの味噌汁よりも、より一層、美味しいものを作れるようなポイントをお教えしましょう。」(久田さん)

材料 (4人分)
アサリ 500g
昆布
こぶ茶
味噌 40g
長ネギ 1/2本

作り方
(1)アサリと昆布を水から煮てダシを取る
まず、ダシの取り方。アサリだけでダシを取る人が多いが、昆布を一緒に使う。
(2)アサリが開いたところで昆布を取り出す

POINT(1)動物性のダシ「アサリ」と植物性のダシ「昆布」は相性が良い
反対に、動物性のダシ同士(アサリとかつお節)はあまり相性が良くない
「貝が開きましたら、一度降ろしてあげます」(久田さん)

(3)貝が開いたところで鍋を火からおろし、約10分、人肌程度まで、冷ます

POINT(2)浸透圧で貝の旨味が汁に溶け出し、昆布の旨味が貝の中に染み込む
そして、達人ならではの隠し味、こぶ茶を入れて、味を仕上げる。

POINT(3)こぶ茶を入れると、アサリと昆布の旨味が引き立ち、味に深みが出る

こぶ茶に含まれるグルタミン酸がアサリに含まれるコハク酸をさらに引き立たせ、味に深みを出すのだ。
味噌を溶くときは、手早く行うこと。時間がかかり過ぎると、味噌の塩分で脱水作用が起こり、貝の水分が抜けて、固くなるので、注意。
最後にネギをのせれば完成。ネギのシャキシャキっとした食感が、アサリのプリプリ感を引きたて、さらに貝特有の匂いを消すことができる。
これぞ達人が伝授する、「浅蜊のお味噌汁」。アサリの旨味が溶け出し、まさにアサリの美味しさを食べ尽くすことができる一品。


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