その2

さて、別のホームから快速が発車していくのを見送った俺とぷーどる嬢は、しょうがないので5時28分発の普通電車に乗り込んだ。これでも約30分で大宮に着くので集合時間の6時半には余裕である。やることもないので、当然雑談に花が咲く。
(この後の会話は、事情を知らない人が見ると目が点になるだろう。事情はおいおい説明していく)
 
「今日、ぱぎさんのお望みのモンが足りないのよ〜」
「へ?」
「ぱんつ買ってきたんだけど、ぱぎさんの好きなTバックやヒモパンが売ってなくてさぁ」
「マジで新品買ってきたんかい!」
「でさ、大宮に早く着いたらTバックとか一緒に探してもいいんだけど」
「さすがの俺も下着売場はなぁ…嫌いじゃないけど場違いだからな」
「でも、ちゃんとかぶるでしょ?」
「しょうがないな…『皆さーん、ここの人が俺にぱんつかぶらせようとするんですよ〜!!!』って叫んでもいい?」
「そ、それだけはやめて〜」
 
後でどう考えても、たくさん人が乗っている電車の中でする会話ではなかった。この時点ですでに後に巻き起こる狂乱の芽は芽吹いていたのかもしれない…。
 
大宮に電車が着いた。時刻は午後6時、現地集合組は6時25分待ち合わせなのでまだまだ早い。
先に会場に行ってもしょうがないので、現地組を待ち伏せる事にする。先だって駅のハンバーガーショップBに入っていくぷーどる嬢、お茶をするのが目的というより、駅が禁煙なのでたばこを吸える場所を探していたのかもしれない…
席に落ち着いて程なく、ぷーどる嬢が声を上げる。
「あ、たく丸さんだ!!」手を振る。「わかるかな…」なぜかすぐ気づくたく丸氏。店に入ってきた。
「よくこっちに気づいたね〜」と言うと、
「駅が禁煙だもんで、この店ん中でたばこ吸えるかと思って覗いてたんよ」
たく丸氏、ぷーどる嬢と同レベルであった…
 
俺とたく丸氏は初対面。さっそくごあいさつである。
「ぱぎさん、似顔絵と似てるわぁ。」
このセリフはその後も何回も繰り返される事になる…。あくう殿の似顔絵、悲しいがよく似ている。
「ぱぎさんとたく丸さんも体格がよく似てるね」
そうか、今の俺の体型はこれぐらいなのか…、鏡ではよくわからない自分の全身像について、たく丸氏を見ながら俺はそう思っていたのであった。
 
本来、大宮組の待ち合わせ場所は駅のコンコース内である。しかし、ハンバーガーショップからその場所が見えるので来る人来る人を店に引き込む戦略が採られた。
みみき嬢、そしてあむあむ嬢。続々とメンバーが店に入ってくる。やはり、お会いしてみるとイメージと実像はなかなか合わないもんだ。それがオフ会のおもしろい点でもある。
そして、店で飲み物を買ったのはよく考えると最初の3人だけだった…。
へーすけ氏は若干遅れるという連絡が入り、前日に××ったというイドウ氏は連絡がつかない。
待ち伏せ戦略はRM氏が到着した時点で終了した。我々はオフ会場のカラオケ「シャングリラ」へと向かったのだった。
 
RM氏が先を歩き、女性陣3人が続く。俺はたく丸氏と話しながらついていった。駅の構内を出ようかというあたりで、たく丸氏が叫ぶ。
「あれ?RMさんがいない!!」
慌てて女性陣を止め、周りを見回す。すると、30mほど横でキョロキョロと辺りを探すRM氏を発見。
RM氏、集合からわずか2分で迷子になったのであった…
 

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