ラテン車の宿命?

 さすがウワサの(?)ラテン車ですから、数々のトラブルはありました。ドライブシャフトブーツの不調に始まって、オーバーヒートもしたし、スピードメーターの突然死(故障としてはなんてことないんだけど、運転中はドキドキものです)なんてのもありました。パンダは新車で買い、もともとマニュアルの単純な造りでしたから、致命的なトラブルはなく、比較的簡単な修理で済むことがほとんどでした。が、サンクはそうはいきませんでした。一度入院したらなかなか帰って来なくて、けっこう大きな手術をしてもらったこともあります。先にも書いたように、キャブレター式で時代遅れになりつつあったこと、そしてネックはATであること。メカ的な事はよくわかりませんが、玉数の少ないATは色々と複雑で、日本では部品も稀少 だったと思います。おまけにただでさえ電気系統が弱いのに、パワーウインドー、オートロック、エアコン(これは日本では重要ですが)、細かいところではグローブボックス内の点灯、エンジン停止後のヘッドライトつけっぱなしの警告音等が装備されていました。パンダのシンプルな装備に慣れていた私たちにとっては、エアコン以外の装備は二の次だったのです。でも聞くところによると、その時は欧州でATといえば、お年寄りか身体の不自由な人が乗るものだという認識が濃かった時代だそうでしたから、それも致し方ないことでしょうね。

 
 そんなわけで、 パンダの修理は長くて一週間か二週間に対し、サンクの時は短くて一週間か二週間という具合でした。最近ではそうばかりではないようですが、輸入車ディーラーの多くは、国産車のそれとは違い、故障があっても、あまり危険なく動かせる場合は自分で持ち込むのが通常となっています。ウチのサンクの場合、承知の上だったものの、時間をかけて遠い道のりを往復するのがちょっと面倒なときもありました。代車が間に合わない時は、休日を使って2台の車で行きます。そして修理完了すればまた取りに行って、2台で帰ってくるのです。まあ、いいドライブになったことも確かです。普段、ついでがなければ行かないようなお店に立ち寄ったりもできましたから。それよりも、ちょうどドライブに良い季節の時に修理中だったりすると、やはり寂しさが余計つのりますね。動かすのはちょっと危ないかなあと思われる故障も二度ほどありました。そこでディーラーの方に取りに来ていただいたのですが、積車に積まれた愛車を見送る時の切なさといったら・・・。あるいは、修理そのものよりも、部品調達のために2カ月近くかかり、サンクの帰りを首を長〜くして待っていたこともありました。それにしても助かったのは、サンクの不調とパンダの不調が不思議と重ならなかったということ。2台とも同時に故障では不便もさることながら、情けなさすぎですものね。さて修理代の方は・・・あまり考えないようにしてます。ご主人様、ゴメンナサイ。

 
 そういえば、夫の車でお世話になっているディーラーさんであり、この界隈ではイタリア車の老舗といえるそのお店の方が、冗談混じりにこんなことをおっしゃいました。「1番 イギリス車、2番 フランス車、3番 イタリア車だからね・・・(笑)。」これ何のことだかわかります?そう、壊れやすい順番!でもこれ、みんな似たりよったりじゃないかと私は思います。イギリス車に乗っていらっしゃる方も知り合いに2,3人いますが。イギリス車、フランス車のお店できくと、それぞれ順番変わってたりしてね。それはさておき、結局私たちにも”故障自慢”というラテン車オーナー特有の症状(?)はご多聞にもれず、表れてしまった次第です。また、車から発生する”音”に対して少し敏感になりましたね。ラテン車の多くは国産車ほど緻密に造られたボディではない(らしい)ので、結構いろんな音が聞こえてきますが、ほかっておいても問題なしの音と、要注意の音との区別がなんとなくつくようになった気がします。こんな事ばかり書いていたら、初めてラテン車を買おうとしている人がいたら躊躇しちゃうかな?でもご安心を。いまの新車ならほとんど壊れません(多分・・・いまひとつ自信ないけど)。

 
 あっそうそう、サンクを買ってからしばらくの間、面倒を見ていただいた営業のTさん。どこ行っちゃったのかと思っていたら、なんと夫のほうのディーラーさんにいらっしゃるではないですか!イタリア車が好き(彼は走り屋さん)で、かねてから老舗であるこのお店で働きたかったとのこと。念願がかなってスタッフの一員となれたのだそうです。思わぬ再会に私たちもすっかり嬉しくなって、それ以来、今度は夫の車の面倒を見てもらっています。