愛知県・碧南市 歴史が創りあげた夜を訪ねて 「碧南駅」のイルミネーション

碧南イルミネーション

碧南駅 (へきなんえき)

枯れた雰囲気のある駅に相応しい電飾 どこか欧州に通ずる哀愁の街

イルミネーションの間から碧南駅

<この空気感に魅力あり。改札口を抜け、駅舎から一歩踏み出せば、そこは欧州の片田舎にも似た街の雰囲気。幾度の時代を経ても変わらぬものがここにはある。華やかな世界に憧れを抱くも、どこか孤独を追い求める自分に気付く。寒空に輝く光の粒が滲んで見えるのはなぜだろう> 大浜を知らない旅人が、このイルミネーションの季節に碧南駅に降り立ったのなら何を感じるのだろう。 ここには駅前4本の木とロータリー中央に少しばかりのイルミネーションが施されているだけである。 なのに胸中からこみあげてくるこの温かな気持ちは何だろう。 駅前売店の看板にある「た・ば・こ」の文字がノスタルジックな雰囲気を伝え、駅へと降り立つ訪問者を優しく出迎えてくれる。 商店街のゲート先にある店からは、柔らかな明かりがボンヤリと零れている。おばちゃん達の発する言葉は厳しいが同時に人情味に溢れている。 都会の猥雑なネオンに毒気を当てられた心は、傷つき、癒しの光明を求めて彷徨う。 冬の終着駅はどこか傷ついた心を癒す雰囲気を持っている。

ヘボト自画像ヘボトの「電飾紀行(でんしょくきこう)」

案内看板

「大浜地区・歩いて暮らせる街づくりの案内看板」

平成12年(2000)に国が推進する「歩いて暮らせる街づくり事業」のモデル地区に碧南市の大浜が選定された。 それを受けて碧南市は積極的に事業を展開し、該当地区となった大浜も歩行者優遇の街へと変わりつつある。 計画の一つに散策路の整備があり、各所に大浜絵地図の案内板が設置されている。 それぞれ当地の計画を損ねることなくデザインされ、たとえば大浜漁港の赤煉瓦倉庫の案内板は同じように赤煉瓦の素材で作られている。 碧南駅前のロータリにも案内板があり、ここから散策するに困らない。 夜7時ともなれば、人通りもまばらになり、静かな街となる大浜。 寺院などは門を閉めてしまうことは残念だが、道端のお地蔵さんいる御堂などは裸電球が灯り、風情ある雰囲気。 夜の堀川界隈も趣があり、月夜の下で散策を楽しんでみるのも面白い。夜の静かな大浜は、どこか往時の面影を漂わせる感がある。

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