愛知県碧南市 「あの騒動も?」 歴史が証明”神の存在” 奇跡の「天満社」

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天満社 (てんまんしゃ)

天へと続く階段を上れば煌びやかな社殿 「嘘をつく」不思議な鳥が待つ?

夜の天満社拝殿

<小高い山の頂にある天満社。「亀穴」から「神有」に変わったのは、この天満社の神様のチカラ。境内には可愛らしい石像「鷽塚」がある。嘘を告白し天神様の誠を取り替える「鷽かえ」で楽になろう> 多くのご老人で賑わう「高齢者元気ッス館」近くにある神有「天満社」。入口前には、苗木・花を売る個人商売の店があり、客と店の駆け引きが面白い。 鯉のいる池に架かる石橋を渡ると、ご老人には無理と思われる急な石段が現れる。 補助する手すりに掴まるが、高所恐怖を感じる身にとっては辛い。見えてくる拝殿はまだ白木の風合い残る新しいもの。 境内には「鷽(うそ)かえ」という鷽塚がある。フクロウに似た可愛らしい風体の石像が立ち、「一年中の『嘘』を『うそ鳥』にたくし、天神様の誠と取り替え…」とある。 今の時代、嘘をつかねば生きていけぬ。心に負い目のある人、この神有・天神様で楽になろう。

<「神の存在を信じる」代官・鳥山牛之助の判断は間違いではなかった。木々の重なる暗闇を抜ければ、山里の雰囲気残る日本の原風景。自然に対する敬意を失ってしまった現代人に、自らの存在意義とは「何か」を覚醒させる。神有・天満社に隠される次世代へのメッセージ> 神有・天満社の参道右の脇道、脇を流れるせせらぎに耳を澄ませ、緑のなかを行く。早朝にも似た「濃密な空気」が呼吸を随分、楽にしてくれる。 木々の重なりが作り出す暗闇を抜けると、山里に来てしまった。奇妙な風景を眼前に「現実なのか?」と戸惑う自分がいた。 谷間の森と森の間に畑が広がり、「忘れ去られた日本の風景」といった言葉が浮かぶ。 戦後、私たちはそれまで何百年と培ってきた風習・文化などの価値観をあっさり捨てた。 神有・天満社裏に残されているこの奇妙な世界。神有にはやはり「神」がいる。 延宝8年(1680)に代官・鳥山牛之助に存在を感じさせた神は、私たちに「何か」を問いかけている。

ヘボト自画像ヘボトの「如是我聞(にょぜがもん)」

参道に架かる石橋

「命を救った石橋」

明治4年(1871)3月9日に起きた鷲塚騒動。その数2000と言われた暴徒の真っ只中に残された大浜陣屋の役人13人。 2000対13という圧倒的に不利な情勢は、1993年にソマリアで実際に起きた事実を元にした米映画「ブラックホークダウン」を彷彿させる。 竹槍が襲うなか、救援要請する為に一人で大浜陣屋へ向かった杉浦晋が、追撃してくる暴徒から身を潜めたのが、神有・天満社の石橋だという。 伏見の市古家に保護された杉浦晋は、早急に大浜に向かい、要請を受けた大浜陣屋側は直ちに鉄砲隊を派遣、赤禿(今の鷲塚郵便局辺り)で暴徒と交戦、ゲリラ的な戦法をとる暴徒に悩まされたが、なんとか暴動を鎮圧した。 現在の天満社では、どの石橋が杉浦晋の隠れたものか不明。ただ、杉浦晋が大浜陣屋に辿り着けなければ、暴動は棚尾・大浜地区へも及び、多数の死傷者を出しただろう。 誠に神有である。

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