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「選択肢と結果による形式分類」           <使用目的>

マスターの問題に対する選択肢の作り方と、マスターにとって結果が決定済みかどうかの組み合せ)


タイプ分け A :
正解固定タイプ
B :
結果固定タイプ
C :
正解自由タイプ
D :
完全自由タイプ
組合せ 正解選択型
×
結果固定型
自由選択型
×
結果固定型
正解選択型
×
結果自由型
自由選択型
×
結果自由型
比喩的表現 入り口が狭く、出口も限られる 入り口は広いが、出口は一つ 入り口は幾つも在り、
それに対応した道が在る
入り口などはなく自由に移動、
それに合わせてマスターが道を作る
説明1 プレイヤーが選択すべき正解の選択が有り、
それによって善し悪しがきまる。
(プレイヤーが動かないと進まない)
プレイヤーは自由に対応出来るが、一つの結果に誘導される。 プレイヤーが選択出来る選択肢が有り、それによって起こる出来事/結果が変わる。 プレイヤーが自由に対応して、それに合わせた結果をマスターが作る。
説明2 マスターの仮定した一つの正解の結果を得る為に正解の選択をする。 マスターの結果/結末に対しての思い入れが強い為、どんな選択をしても結果/結末は一つになる。 プレイヤーの選択した行動によって、マスターの用意した結果/結末が変ってくる。
各案に長所短所が有る。
マスターとプレイヤーの発想の掛け合いにより想像の産物が出来上がる。
良い点 ゲーム性の優れたプレイが出来る。
(入り口を探すのが面白い)

プレイ中の判断の優劣が、そのまま結果に反映される。
達成感が高い。
プレイヤーは問題/選択に対してシビアに対応する必要が無く、安心して自由に動ける。

マスターのシナリオに対して楽しむ事に専念できる。
プレイヤーの選んだ方法によってストーリーは変化し、シナリオの難易度や、結末が変ってくる。
よってプレイヤー側に結末の決定権がある程度在る。
ある程度プレイヤーに対してストーリー的な満足感を与える事が出来る。
発想・センスが良ければ、ダイスやルールも要らず面白いストーリーの制作が出来る。
(参加者の共通認識の一致により、判定不要)

ストーリー/シーンの協同制作
悪い点

マスターが陥り易いパーターン
マスターの仮定した一つの正解が、
プレイヤーの納得できる物で無い場合、
マスターの独り善がりになる。

マスターの情報の出し惜しみや、
プレイヤーが正解を選ばなかった時は、シナリオ進行が止まるか、バットエンデイングになる。
マスターの好みとプレイヤーの好みが違った場合、無理矢理動かされる事になり、面白くない。

マスターの誘導が強引すぎると、プレイヤーが何しても進む、エスカレーターになる。
マスターの発想力には限界が有り、無駄に準備が大変

選択肢の設定方法によっては、プレイヤーの意図しない方向に流れていってしまって困惑される。
(プレイヤーにとってはよく判らない事で分岐、展開変更がされる)
行動の選択に時間が掛かる。
参加者に協調性が無いと、口の上手い奴、ごり押しが強い奴が楽しめるだけになる。
受け身型のプレイヤーには、楽しみにくいかも。

マスターのネタの準備が無いと、セッションの出来不出来はプレイヤーの発想力に左右される。
マスターに要求される事 正解の判断材料となる情報を必ず正確に誤解無く伝える。
使用ゲームシステムのルールの間違いが無い様に。
選択肢の正統性が有るように。
パワーバランスの正確さ。
正解を暗に(ストーリーコントロールによって)伝える。
出来るだけプレイヤーに気づかれない様に誘導出来ると良い。
選択の幅を出す情報と、選択によって結果がどう変わるかを伝える。
マスターの発想の幅より、プレイヤーの方が広いと後で慌てる事になる。
発想を導き出す材料(ネタ)を多く出し、プレイヤー側が何を望んでいるのかを上手く聞き出す。
面白いネタ。
プレイヤーに要求される事 マスターから選られる情報を吟味し、
正解を選択出来るだけの情報収集をする。
状況分析/対応の正確さ。
ルールやワールドの読み込み。
ストーリーライン(特にマスターの話の方向性)に合わせて/外れない様に、話が盛り上がる様にキャラプレイを楽しむ。
ストーリーの先読みが出来ると便利。
キャラクターに合った選択肢の選択が出来る様にする。
選択した後は覚悟を決めること。
出来れば失敗も楽しめる様にする。
参加者の(マスター/プレイヤー含め)求める方向性に合った楽しませるリアクションを返せるようにする。
場の雰囲気を壊さない様に。
マスターが楽しんでいる点 プレイヤーは正解を見付けることが出来るかな? プレイヤーに**(具体的な行動)させたい。 プレイヤーはどの道を選ぶかな?どんな選択をするかな? プレイヤーはどんな反応を返すのかな?
マスターが
「山賊による偽の関所」
という
アイデアを思いついた後の
対応例
マスターは、PC達が「関所が偽物な事を見破り、見破ったことを悟られずに強襲を仕掛け山賊を退治する」のがベストと仮定する。

PC達の行動が駄目だった時は、
大金を巻き上げられたり、
山賊に捕まったりする。
(選択が違っていた場合のリスクが高いのが特徴)
マスターは、PC達に「関所が偽物な事を見破り、見破ったことを悟られずに強襲を仕掛け山賊を退治させたい」と思う。

PC達の行動(及び結果)がそちらの方に行くようなシナリオ的な仕掛けを準備する。(シナリオコントロールの為の要素の準備)
マスターは、
PC達が関所が偽物な事を見破り、見破ったことを悟られずに強襲を仕掛け山賊を退治するのも面白いし、
偽物に気が付かずに通行料の交渉にせいを出すのも面白いし(後で知らせると悔しさ倍増)、
気が付いた後、PC達が逃げ出し、山賊との追いかけっこも面白い。
山賊側のデーターを作り込むことにより選択幅が増えていく。
山賊による偽の関所なんて物を出したらPC達はどんな反応を返すだろう?

山賊側に女好きの奴を入れるのも良いし、いや、美少年好きでも良いのか?
小役人ぽい奴は入れといた方が良いかなー?いや、バレバレの奴でも面白いか?さてさて、どうなるかな
シーン別 謎やキーアイテム、犯人当てなど。 冒険の依頼など、シナリオ中で避けて通れないシーン。 シナリオでの分岐点。その行動によってストーリーが変わるシーン。 町などでの自由行動シーン。
マスターの方向性 ゲーム性重視派が多用する。 ストーリー重視派が多用する。 バランス派が多用する。 キャラクター重視派が多用する。
プレイヤーの方向性の許容性 正解の選択肢が、キャラクター的に合ってない場合困ってしまう。

気楽に面白そうな行動を取るプレイヤーには辛いかな?

話の流れが、キャラクター的に合ってない場合困ってしまう。

ストーリー面はマスターに任せて、
キャラクター性を重視する事は可能か?
一番許容範囲が広いはず?

選択の分岐が、プレイヤーの選択でおこなわれるのか、認識外で起こるのかによって与える印象が変わる。
ゲーム性重視派には辛いかも。
(正解が無い為に、行動指針が掴み難い。)

補足:
AとBの違いはマスターが、シナリオ/ストーリーのコントロールをするかどうかで変る。
CとDの違いはマスターが、シナリオ/ストーリーの予想と準備をするかどうかで変わる。


シナリオに出てくるシーンや場面で、マスターがどのような考えの元に、マスタリングするのかの考察。
普通2,3タイプの組み合わせによってシナリオは作られる。
シナリオのほとんどの要素が、ある特定のタイプで作られると、プレイヤーには偏った/特徴ある印象を与えられるのか?

(組み合せ) 結果固定型 結果自由型
正解選択型 A:正解固定タイプ C:正解自由タイプ
自由選択型 B:結果固定タイプ D:完全自由タイプ
選択: マスターの問題に対する選択肢の作り方
マスターがプレイヤーが取れる行動パターンの設定をして、
その行動の正否/判定方法を前もって決定/用意しておいているか?
又は、ネタは決めてあるが、どうするのかはプレイヤーに合わせるつもりなのか。
結果: マスターにとって結果が決定済みかどうか
プレイヤーが取った行動/選択肢が正解と決定してしまっているかどうか?
言い換えると、マスターの選んだ選択肢以外は間違い/失敗と決めつけてしまっているかどうかです。

「選択肢と結果による形式分類」の目的(私的)

この分類によって、
マスターとしては、 この選択肢に対して何を求めているのかを考え、
プレイヤー側に求めている対応/反応を得る為に、
事前に何を準備し、何を注意してマスタリングをするべきか、
プレイヤー側に何を伝えれば良いのかを検討するのに役立ててます。
余分な情報/表現はプレイヤーを混乱させる事がある。
(まあ、スムーズに進行させるテクニックなのかな?)

プレイヤーとしては、早めにマスターが出した問題のタイプをつかみ、
それに有った対応/対策をすることにより、プレイの円滑化を目指す。
このマスターの下では、何を楽しめば良いのかを判断するのに。

これらのすれ違いにより、プレイ中の時間を無駄にしない為に使ってました。


<すれ違いの悲劇>
マスターとしては正解など作ってないのに、プレイヤー側は正解の選択肢を求めて、マスターに根掘り葉掘り聞き続けるとか。

反対に、マスターとしては気を付けて判断しなければいけない選択を、プレイヤーが気楽にキャラクターに合った面白い行動を取った為に、ストーリー/シナリオが破綻するとか。ものすごく遠回りしなければならなくなったとか。


分類別けによってマスタリングの役に立つのか?

んーー、意見求む。大見 2000/03/29 修正(改訂中)

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