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かぎ万燈の行事は８月１４日の早朝５時頃から始まる。
夏とはいえ、薄暗いうちから長円寺山の山頂に三々五々と集まってくる。
貝吹町内の人々である。
すずみづくりの始まりである。
かぎの形の付近には木々はない。下草を鎌で刈ってすずみに差し込む。
すずみの骨組みは、近くの木々を切ってきて、３本ずつ組み合わせて立てる。
ふたてに分かれて、下の方から上に向かってすずみを作る。
朝涼しいのに１時間もすると汗びっしょりである。
休憩になると頂上に集まり、それぞれお茶を飲み、にぎりめしを食べる。
明け始めた三和の地域が箱庭を見るように美しい。
８時をすぎればすずみづくりは終わる。
その後、頂上まわりの下草を刈って集めて山にする。
「ゆすり」のための材料である。松の太い木も１本切り出してくる。
最後に親火のための木を組んで朝の作業を終える。
１０時を回った頃である。