旧から新へ・・・想定外の買い換え

 

 さて、Ph3同士での換装を決めつつあった頃から、クリオの調子がいよいよ悪くなり、通勤途中で何かあって職場に迷惑がかかってもいけないということで、私はパンダで通勤するようにしていました。6月に入って気温も上昇しつつある時期でしたが、昨年までのように急激に暑くなる感じではなく、クーラーがあまり効かずともまぁなんとか耐えられる状況でした。幸い、梅雨入りといっても私が出勤する日はお天気が良い場合が多くて、窓も開けられず視界が曇って危険を感じるということが無かったのはラッキーでした。また、不思議とこれから出勤という時は気が張っているせいか、意外にもさほど暑さが苦にならず、パンダの小気味良い走りを楽しむことができたのです。パンダは外見がわかりやすくてかわいい雰囲気ですので、職場での女性受けも良く、パンダについて話しかけられたりすることが度々ありました。地味車なクリオにはなかったことです(苦笑)。

 こうしてクリオPh3同士の換装の準備が整うのを待ちながら、およそ1ヶ月間、暑いながらもかなり身体がパンダに馴染んで楽しく通勤していました。しかし、今度はパンダのミッションオイル漏れとドライブシャフトブーツの破損が発覚。しかもその時エクスの方も、エアコンをかけると僅かに異音が聞こえるようになっていました。クリオには乗れないし、エアコンの効くクルマがなくなったら困るということで、まずは代車を借りてエクスを近くのショップで診てもらいました。でも原因がはっきりしないまま。その間パンダも今すぐどうなるというものでもなかったのでだましだまし乗っていましたが、こんな綱渡り状態ではあまりにも不安です。パンダは原因がわかっているので治そうと思えば修理に出すことはできたのですが・・・。ここでハタと考え込んでしまいました。我が家のクルマはどれも古いものばかり。これからしょっちゅうこんなことが繰り返される可能性が大です。以前から、普通に買い換えるなら次は一番古いパンダかなと思っておりましたので、ここはひとつ、思いきって新しめなクルマを探してみようかということになりました。
 
 さてさて、またもや中古車検索の日々です。そこですぐに様子を見に行ける場所で売りに出されていたのがNewパンダ4×4とマイナーチェンジ後のプントスピードギア。すでにパンダ3が正規販売されていましたが、Newパンダも我が家にとってはじゅうぶん現代車です。どちらも好きなFIAT車でしたが、子どもたちも運転することを視野に入れつつの選択で、娘が気に入っていた旧パンダの後継ということから、プントよりはNewパンダの方に分がありました。しかも最近の輸入車は右ハンドルAT、もしくはシーケンシャルのミッションが通常の仕様というなか、左ハンドルでMT車という条件を満たした我が家好みの小型車、しかも正規販売で出たのはこの4×4しかまず思いつかない状況。それが比較的手頃な値段で売りに出されていたのですから、この出会いを逃したくないという思いがありました。そんなことから、思っていたよりもトントン拍子に話が進み、あれよあれよという間にNewパンダ4x4 Climbingが我が家の一員に加わることに・・・。ただ、旧パンダはもともと主人の大好きなクルマですし、私も最後に約1ヶ月間ずっと乗っていて、これまででパンダとの付き合いが自分にとっては一番濃密な時間を過ごしてきたところでした。なので別れる時は本当に淋しくなってしまいました。Newパンダにうきうきしながらも、ディーラーさんの駐車場に旧パンダを置いて帰るのはとても辛くて、ぽつんと残されたパンダの姿を思い出すと今でも涙が出そうです。。。

 Newパンダ4×4に乗った印象は、主人曰く「プントに似ている」。そう言われれば、乗り味や内装の樹脂の雰囲気、車体の揺れ具合など、どこかプントカブリオに乗っていた時の感覚を思い出します。でも室内全体の明るい感じは旧パンダも初代プントもNewパンダも同じですね。特に希望していたわけではなかったのですが、たまたま装備されていたサンルーフを開けるとさらに解放感が・・・。旧パンダのようにダブルで開くわけではないですが、天井から空が見えるクルマはかなり久しぶりです。また意外なことに、Newパンダが来てなぜか喜んだのは私の両親。基本的に国産車に勝るものはないという考えですが、旧パンダをはじめ、他の2台も長年乗っていてよほど古びて見えていたのか、まるで新車のようにぴかぴかに磨き上げられたNewパンダが目新しく映ったのかもしれません。以前から旧パンダは実家に置かせてもらっていたので今回のNewパンダも同様なのですが、急に真新しく見えるようになったクルマが盗まれやしないか(近所で国産の高級RVが盗難に遭う被害がいくつも出ているので)と心配するほどの母の単純な変わりぶりに私の方が驚いてしまいした。大丈夫だってば!(苦笑)。
 
 フロアシフトとインパネシフトの操作感覚の違いや、クラッチのミートポイントに慣れれば、Newパンダもとても楽しいクルマです。ただ、最初にひとつ戸惑ったのはバックギアに入れるとき。シフトノブのリングを引き上げる動作が入ります。これはルノーのシフトも同じなのですが、入れる位置がルノーは左上(左の向こう側)、パンダは右下(右の手前側)。個人的な慣れのせいでしょうか、リングを上に引き上げながら入れる手の動作としてはルノー車の方が自然にできる位置関係のような気がします。旧パンダの時のように、リングの動作がなければ普通に右下で何の問題もないのですけど・・・。やや急いで切り返ししなければならない時に最初はやりづらさをちょっぴり感じました。これも慣れてしまえばどうということはないのです。そうだ、両方ちゃんと乗りこなすことで、認知症の予防になったら儲けものですね(笑)。