愛知県碧南市 母息子の奇跡よ再び我らに!「日限地蔵」は常行院の寺宝

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常行院(じょうぎょういん)

民話に伝わる日限地蔵は有名 本尊さんの魅力ある顔立ちにも

北側から見た常行院の本堂

<「大浜陣屋の裏門」や寺宝の「日限地蔵(ひぎりじぞう)」だけが常行院ではない。とても静かな境内にシンプルな造りの本堂。安置される本尊「阿弥陀如来像」との対面は、きっと素晴らしい人生を与えてくれると期待する> 大浜まちかどサロンの向かい、昔ながらの八百屋『杉大商店』の裏にひっそりと佇む「聖道山・常行院」。 築塀や山門もなく、実に簡素な寺である。境内にはただ一本の巨木があり、木陰にはベンチを常設。 このさりげない優しさが常行院の良さともいえる。最近は寺宝である「日限地蔵(ひぎりじぞう)」だけが注目され、本堂を訪れる人は少なくなった。 常行院本尊である「阿弥陀如来坐像」を拝まずにして帰るのは実に残念。常行院の本尊さん、その表情にはどこか人間味がある。 誰に似ているわけでもない。 静かな本堂内で対面していると、懐かしさと嬉しさと、それに今まで我慢してきた事が一斉に胸に込み上げてくる。 まるで永遠に会えなくなってしまった人と今対面しているかのような気持ち。 常行院が簡素で控えめな理由…私にも少しだけ理解出来たようだ。

御堂の中の観音さん達

<昼夜を問わず参拝者が訪れる「日限地蔵」は常行院の寺宝である。日限地蔵ばかりがクローズアップされるが、本当の見所は地蔵堂に併設される御堂前。ムクムクした体の丸み、訪れる人々が宝珠を撫で回すお地蔵さんである> 美濃の国からやって来た母子に奇跡を起こした「日限地蔵」。元は武田信玄の守り本尊として戦地へ赴いたという由緒を持つ。 昭和21年(1946)に再建されたという地蔵堂。参拝者が絶えなく焚く線香に燻され、ガラスが曇って中はよく見えない。 まして残念な事に日限地蔵は、”秘仏”なのである。だが気落ちする必要はない。 地蔵堂に併設する御堂には、実に魅力的な存在が待っているのだ。 ベンチ横に鎮座するお地蔵さん。参拝者が皆、お地蔵さんの左手に持つ宝珠を撫でるものだから、宝珠の表面はツルツル。 台座には宝暦4年(1754)閏2月4日と刻まれる。柔和な顔立ちとずんぐりした体、季節ごとに帽子を替える愛らしいお地蔵さんである。

二宮金次郎さんの陰歴史に関するミニ知識

常行院(じょうぎょういん) 大永6年(1526)創建。大樹寺8代貞頓和尚が開基。浄土宗鎮西派の寺院であり、岡崎・大樹寺の末寺である。 有名な「日限地蔵」は常行院の寺宝で、麻生徳雲和尚の時代に遠州から、この常行院へやってきた。近くにある「荒神社」は元々この常行院にあった。 本尊の阿弥陀如来坐像は、天保7年(1836)尾陽城南末広井上重兵衛の作。

ヘボト自画像ヘボトの「如是我聞(にょぜがもん)」

錠前などの詳細なディスプレイ

「金物屋のディスプレイ」

「御愛顧を頂いて100余年 カナもののナベカン」と控えめに貼られるステッカー。 大浜まちかどサロン前にある金物屋、「ナベカン商店」の北窓に掲げられた展示ケースに注目。 大小様々な錠前・51種類の洋食器・錐等、内容事に一つのケースに集められ、合計3つの展示ケースが並ぶ。 時期ごとに展示内容が変化し、”握り鋏のできるまで”の過程を説明するといった展示もなされ、とても勉強になる。 これらの展示は、100年を越える歴史を持つナベカン商店だからこそ出来るといえる。

< text • photo by heboto >


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