☆雑談〜ある日ある時ある場所で〜

その23“パーティ☆ナイト【準備編】”
2004年7月、港近くの催事場にて・・・
悠美;「来夢、これとこれとこれ、あっちのテーブルにお願い!」
来夢;「はい!」
剣吾;「日奈、ドリンクの準備は?!」
日奈;「もうちょっと待って!グラスが足りないから、奥から出してくるわ!」
芽衣;「まるで戦場みたいね〜」
日奈;「芽衣さんものんびり見てないで手伝ってください!」
剣吾;「っていうか、芽衣が拾ってきた仕事だろうが」
芽衣;「何よ〜、経営難のNightsのためを思って、パーティの仕事をもらってきてあげたんじゃない」
翔 ;「どこからもらってきたんですか?」
仁美;「豊橋のネットワーク主催で、船舶関係の妖怪の親睦会が開かれる予定だったんだけど、準備の人手が確保できなかったみたいなの」
芽衣;「偶然その話を聞いて、拾ってきたってわけ。昔の知り合いも結構いるみたいだし」
ゆう;「そういえば芽衣さんって、日本中の港に知り合いがいますよね〜」
芽衣;「日本中、っていうほどじゃないけど、まぁそこそこにね」
翔 ;「今日はどんな方がみえるんですか?」
芽衣;「あたしの知り合いだと、舵輪の付喪神とか、ヨーロッパから遊びに来ている聖エルモの火とかかな」
仁美;「幽霊船長さんもみえるってうかがったわよ」
芽衣;「幽霊船長って、あのバロウズの?よく暇が取れたわね」
翔 ;「そんなにすごい方なんですか?」
芽衣;「世界でもトップクラスの幽霊船の船長だからね。ってことは、エレナさんたちも来るのかな?」
仁美;「ええ。みなさん忙しいみたいで、会場入りはぎりぎりになりそうだけど」
剣吾;「俺たちも十分忙しいぞ、今は。立ち話してないで、ちゃんと働いてくれ!」
仁美;「受付用の出席者のリスト、ちょうど入力が終わったから、すぐに印刷してくるわね」
翔 ;「あ、来夢さん、僕も料理運ぶの手伝います〜!」
ゆう;「お姉さま、グラス並べるのお手伝いしますわ〜」
芽衣;「あたしは・・・お客さんの迎えにでも行ってこようかな?」
剣吾;「芽衣は料理担当だろうが!海鮮料理は任せて、って言ったの忘れたのか〜?!」
芽衣;「あはは・・・、そうだった。すぐ準備するわ〜」
剣吾;「開場まであと1時間だ!みんな、気合いれていけよ!」

バタバタしたものの、メンバー総がかりでの頑張りの結果、無事に開場までに準備は完了したのでした。


その24“パーティ☆ナイト【宴会芸編】”
ひきつづきパーティ会場にて・・・
来夢;「お座り、お手。お代わり。伏せ。ジャンプ!」
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翔 ;「これが来夢さんの十八番、物体覚醒芸ですか」
悠美;「家でも時々練習しててね。去年にくらべてもずいぶん上達したわよ」
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来夢;「どうもありがとうございました!」
剣吾;「はい、どうもありがとうございました!かわいい芸でしたね〜。さて次は、我らがNightsの誇る歌姫の登場です!」
芽衣;「あたしの歌をきけーっ!」
日奈;「みんなー!盛り上がっていこー♪」
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誠二;「・・・あの二人に歌わせても良かったのでしょうか?」
悠美;「芽衣さんの魅了の歌を心配してるの?」
仁美;「う〜ん、今日の出席者はみんな妖怪だし、魅了にかかる方もそうはいないと思うけど」
来夢;「でも、日奈さんも一緒ですし、魅了の妖術が同調して威力が上がるんじゃないですか?」
悠美;「それもそうだけど・・・。ま、もしかかってもすぐ解除してしまえばいいんじゃない?」
翔 ;「そういうものなんでしょうか?」
誠二;「私の予想ですと、ほぼ間違いなく暴走しますよ・・・」

誠二の不安は的中し、曲が終わるまでに参加者の半分以上が日奈と芽衣のファンクラブ状態になったという・・・

日奈;「歌い終わってすぐ、破術を持ってる人に解除してもらったけどね」
芽衣;「あたしはそのままでも良かったんだけどなぁ・・・お店の常連客が増えたかもしれないし」
剣吾;「お前、わざと暴走させたんじゃないだろうな・・・?」



その25“パーティ☆ナイト【後片付け編】”
親睦会の終わったパーティ会場にて・・・
悠美;「来夢、そっちの食器は拭いてから棚にもどしておいて」
来夢;「はい。こっちのグラスは?」
日奈;「あ、それはわたしが洗っておくわ。ゆうちゃん、洗ったグラスから拭いていって」
ゆう;「はいですぅ」
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芽衣;「・・・終わらない祭りは無い、か・・・」
翔 ;「どうしたんですか、芽衣さん?」
芽衣;「なんかお祭りの後片付けって、ちょっとさみしい感じにならない?」
仁美;「そうね。準備の時や本番の高揚感が無くなって、何かぽっかり無くなったような感じがするわね」
剣吾;「おい、聞いてくれ!今回のパーティは大成功だったから、主催者から『また次もお願いします』だってよ」
誠二;「終わらない祭りは無い。でも、また新たな祭りが待っている、ってことですね」
芽衣;「よし、また次回に向けて新曲の練習しなくちゃ☆」
剣吾;「あ、次回は魅了は厳禁だからな。発動した瞬間につまみだすから」
芽衣;「そんな〜、わざとじゃないのに〜!」



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