夜空のてっぺん、明るい星がつくる大きな三角形を見つけましょう。それが夏の大三角です。この三つの一等星は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブです。ベガは「おりひめ星」で「落ちるワシ」という意味があります。夏の夜空で一番明るい星でとっても目立っています。アルタイルは「ひこ星」で「飛ぶワシ」という意味があります。デネブは「しっぽ」という意味で、その名の通り、はくちょう座のしっぽに輝いています。また、翼を広げたはくちょう座の姿は、南天の「南十字」に対してしばしば「北十字」と呼ばれます。

 夏の大三角から、はくちょう座の飛ぶ方向へ天の川を南へと下っていくと、さそり座の一等星アンタレスが見つかります。 アンタレスはさそり座の心臓に輝く星で「アンチアーレス(火星の敵)」という意味があり、火星と赤さを競っているように赤く見えます。そのさそり座の東側には、弓矢の名人いて座のケイローンがさそり座の心臓めがけて弓をひいています。いて座は私たちの銀河系の中心方向にあたり、天の川がもっとも幅広く見えるところです。

  M6・M7(さそり座の散開星団)
 
 さそり座の毒針の先にあって肉眼でもぼんやり見える大きな天体ですが、南の空に低いために街中からは双眼鏡でも難しいかもしれません。
 しかしキャンプ場とかきれいな星空の下、双眼鏡で覗いてみてください。天の川の淡い光をバックにぼんやりとした2つの光の塊の中にツブツブと幾つかの星が確認でき、ため息の出る美しさです。
 散開星団は生まれて間もない星の集団で、皆さんもよくご存知の「スバル」も散開星団です。M6までの距離は1850光年、M7は1230光年です。 
写真:伊勢神にて120mmレンズで撮影
  金 星
 
 太陽から2番目の惑星で、地球より内側を回る内惑星です。いつも太陽に寄り添って見えるのはそのためです。日没後の西の空(宵の明星)か、日の出前の東の空(明けの明星)に見えます。一番明るい時(最大光度)の金星はどの星よりも明るく、青空の中に肉眼で見つけることができます。
 大きさなど地球とそっくりで、欧米では美の女神「ビーナス」と呼ばれる美しい金星ですが、地球よりほんの少し太陽に近かったため、その地表温度は摂氏500度気圧は90気圧で硫酸の雨が降る地獄となってしまいました。内合(裏面で説明)の頃には双眼鏡でも細く欠けた姿を見ることができます。(遠山)
流星群って何?
流星群とは、普段は一晩に数個しか流れない流星が、毎年ある決まった時期、一晩に数十から数百個流れる現象です。
流星群はどうしておこるの?
宇宙には流星の材料になる「チリ」がたくさんある所があります。そこを毎年地球が横ぎることによって流星群が見られます。地球の通り道にはそんな所が何箇所かあるのです。
流星群の起こる所は?
彗星は太陽の周りを回りながら「チリ」をまき散らしていきます。中には地球の軌道を横切って行く彗星もあります。その彗星の軌道と地球の軌道の交わる所で流星群がおこります。
ペルセウス座流星群とは?
ペルセウス座の方向から放射状にたくさんの流星が見られるのでペルセウス座流星群と呼ばれています。一年の内で1,2を争う数多くの流星が観測される流星群です。写真:茶臼山にて50oレンズにて撮影 (内藤)

金星の太陽面通過
6月8日に実に130年ぶりに金星が太陽の前を横ぎるというめずらしい現象が見られます。
 金星は地球の内側をまわる内惑星で、約584日(1.6年)ごとに太陽、金星、地球と一直線に並びます(「内合」と言います)。この内合のときに、金星が太陽面を通過するわけですが、内合のたびにこの現象が起こるわけではありません。
その理由は、金星が太陽の周りを回る軌道面と地球の軌道面が約3.4度傾いているため,ほとんどの内合では、金星は地球からみて太陽の上か下(北か南)を通過してしまいます。
 今回の金星の太陽面通過を見逃すと、次回は8年後の2012年6月6日で、さらに、その次となるとなんと113年後の2117年になってしまいます。
 望遠鏡や双眼鏡で太陽を直接見るのは大変危険です。投影板などを使って間接的に観望してください。(杉浦)
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