1等星が7個もあって豪華な冬の夜空ですが、今年は約2年ぶりの接近となる赤い星「火星」も加わって、いっそう豪華です。そして、冬の星座の王者といえばオリオン座です。
オリオン座には赤いべテルギウスと白いリゲルの2つの1等星があります。それぞれを源氏の赤旗、平家の白旗に見立てて源平星とも呼ばれていました。
またオリオン座は冬の星座の案内役でもあります。リゲルからベテルギウスを結んで延ばしていくとふたご座の1等星ポルックスに。
ベテルギウスを1角とする正三角形を夜空に画くとこいぬ座の1等星プロキオンと全天で一番明るい恒星おおいぬ座の1等星シリウスが見つかります。
オリオンのベルトの星、三つ星を西にのばしていくとおうし座の赤い1等星アルデバランを見つけることができます。
伊勢神にて16mm魚眼レンズで10月26日に撮影
2年2ヶ月ぶりの火星接近  
  火星は最接近日となる1月28日には、かに座に見えています。
 星座を形作る恒星と違って、惑星は夜空を独自に動いていきます。日にちをおいて火星の位置を周りの星々と比べてみてください。
生涯学習課情報誌「あんてな 2009年冬号」もご覧ください。P.18〜P.19
火星の自転(60分間隔) 2003年の接近時に撮影
火星隕石  
 宇宙から地球に落下してくる岩石を隕石と言います。発見された隕石の中で30数個の隕石は火星からやってきたものと考えられています。火星から飛んで来た岩石だと考えられる理由は
  • 隕石としては生成年代が1.8〜13億年前と新しすぎる。(最近まで 火成活動があった惑星のカケラと考えられる。すると火星が有力。)
  • 隕石の中に封じ込められていた気体成分が火星探査機バイキン グが分析した火星の大気成分とよく一致する。     などです。
火星に大きな隕石が衝突して、はじき飛ばされて地球に来た、そんな火星隕石の中でもALH 84001とよばれる隕石は唯一、40億年ほど前に生成された火星形成初期の隕石で、電子顕微鏡による観察で生命の痕跡と思われるものが発見されて話題となりました。
ヒアデス星団  
 おうし座は大神ゼウスが美女エウロペに接近するために化けた姿だと言われています。エウロペの美しさに、おうしの目に輝く1等星アルデバランは血走ったように赤色をしています。
 アルデバランから周りの星を結んでいくとおうしの顔をふち取るVの字ができます。 実は、このVの字を中心とした星たちはヒアデス星団とよばれる散開星団なのです。天体までの距離が近いのと、生まれて10億年ほどたっていて、広がってしまったため、かなりまばらで星団という感じではありませんが、安城市内から肉眼でも簡単に見つけられます。赤い星、アルデバランは、たまたま重なって見えるだけで、この散開星団の一員ではありません。
 ヒアデス星団までの距離は130光年です。
イベントのおしらせ
 
プラネタリウム制作室より
 
 皆さんは、なに座ですか?誕生日によって決まる自分の誕生星座は、ほとんどの方がご存知のことと思います。冬の星空には、おうし座、ふたご座、などといった誕生日の星座が輝いていて、それは目立つ美しい星をその中に輝かせています。それでは、誕生星、というものはご存知でしょうか?皆さんが生まれた誕生日の朝、太陽とともに昇る星のことです。この誕生星はそれぞれに意味を持っています。例えば、冬の夜空を彩る冬の大三角の星たちを見てみましょう。全天で一番明るく輝く恒星として名を馳せる、おおいぬ座のシリウスは7月2日の誕生星で、「完成された精神のリアリスト」、こいぬ座のプロキオンは7月15日の誕生星で、「未知に誘われる熱中」、オリオン座のベテルギウスは6月20日の誕生日星で、「きらめくセンス」という意味をそれぞれ持っています。皆さんの周りにもしこの誕生日の方がいたらちょっと思い浮かべてみてください。そんな雰囲気を持ち合わせてはいませんか?誰にでもある誕生日星、もしかしたらその日に生まれた人の道標になっているのかもしれませんね。
担当:鈴木
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