にぎやかな冬の星座を見慣れてしまった私たちには春の夜空はさみしく感じるかもしれません。でも、春の夜空には誰でも知っている有名な星の並びがあります。北斗七星です。
北の空高くというより、頭の真上からちょっと北よりにデンっとすわった姿は思った以上に大きくてみつけやすいものです。ヒシャクの形をした北斗七星はおおぐま座の一部でしっぽの部分にあたります。そして、ほかの星座の案内役でもあります。
 ヒシャクの柄のカーブにそって南にのばしていくと1等星が2つみつかります。はじめにうしかい座のアークツールス、さらにのばしていくとおとめ座のスピカがみつかります。この2つの星ときれいな三角形をつくる、ちょっと暗めの星をみつけてみましょう。しし座の2等星デネボラです。
 ヒシャクの先の2つの星を結んで北に5倍ほどのばしていくと北極星がみつかります。北斗七星は方角を知るためにも大活躍です。
更生病院跡地・交流ひろばにて撮影
土星 JR安城駅前商店街より76mm屈折望遠鏡で撮影
星宵の明星(金星)  
 夕方、西の空に輝く明るい星が目立っています。金星です。しばらくの間、一番星として注目されるでしょう。
 3月21日 4月20日 5月200日 6月18日 は細い月と並んできれいです。
 2月18日 更生病院跡地・交流ひろばにてコンパクトデジカメで撮影
かみのけ座  
 春の大三角の星、デネボラとアークツールスをむすぶ線の上(北)のあたりに目をやると何やらボヤーっとしたほしの大きな集まりが見つかります。これがかみのけ座です。
 このかみのけ座の正体は散開星団で双眼鏡では星の大集団であることがはっきりとわかります。
伊勢神にて50oレンズで撮影
冥王星  
  1930年に クライド・ トンボーによって発見され、 9番目の惑星となった冥王星。 太陽からの平均距離は60億キロ、一周するのに250年もかかってしまう、まさに太陽系のはずれにある天体です。
 その直径は月よりも小さく地球の1/5ほどしかありません。明るさも14等級以下と大変暗いため観望するのには口径が30p以上の天体望遠鏡が必要です。
 小さくて遠い冥王星は地球から詳しいようすを観測することが大変むずかしい天体です。
 冥王星は小さいだけではなく、他の惑星と比べ軌道面が大きく傾き、大きくつぶれた楕円軌道であることなどからも、以前より「惑星」に分類することを疑問視する声が上がっていました。
 観測技術の発達によって1992年以降、海王星の外側に次々と冥王星クラスの天体が発見され、2005年には、ついに冥王星よりも大きな天体「エリス」が発見されました。
 冥王星の発見から76年後の2006年の夏、大事件がおこりました。国際天文学連合の総会で冥王星は「惑星」ではなく、「エリス」をはじめ近年続々と発見される大型の天体の仲間として「ドワーフ・プラネット」に分類されることになったのです。
 冥王星探査機 ニューホライゾンズ
 2006年1月打ち上げ。月の軌道をわずか9時間で通過した人類史上、最速の探査機ですが、冥王星までは8年が必要です。
 探査機が出発したときは「惑星」だった冥王星も今は「ドワーフ・プラネット」に分類されてしまいました。
 しかし冥王星は惑星になりそこねた原始惑星であると考えられています。太陽系誕生当時の状態を残す「太陽系の化石」のような天体です。探査することによって太陽系の新たな発見があるに違いありません。
 「ニューホライゾンズ」には冥王星の発見者であるトンボーの遺灰も積まれています。自分の発見した最果ての天体に行けるなんてトンボーも考えていなかったでしょうね。
プラネタリウム制作室より
 
 前作で開館以来100作品の節目となったプラネタリウム番組、今作からまた新たなはじまりです。また4月からは天文研究家の浅田英夫さんにもご協力をいただき、より親しみやすいプラネタリウムを目指していきます。その浅田さんに講師をお願いしている”プラネタリウム解説員養成講座”は3月で終了となりますが、近いうちにその受講生がプラネタリウムで解説する日がくるでしょう。
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